なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

急性腎盂腎炎~血液培養翌日陽性

2021年09月15日 | Weblog

 昨日の火曜日に、91歳女性が39℃の高熱で受診した。ふだんは高血圧症で通院しているが、心気症の患者さんとして印象に残る方だった。

 若い時からの心気症で、ちょっとした症状があると気にしてしまう。退職した他の先生から回ってきた時には、デパスが処方されていた。

 処方日数のしばりがあるので、デパス(エチゾラム)0.5mg錠3錠分3で処方されているのを、不安に応じて内服していた。好ましくない処方だが、やめるのは難しい。

 今年になってからは、本人は全く受診していない。薬を取りに来る娘さんの話では、病院に行くコロナがうつるという気持ちがあるそうだ。

(今どきは身体症状症のうちの、病気不安症になるが、「心気症」の方がわかりやすい)

 

 今回は発熱外来扱いになるので、コロナの抗原検査を行ったが、以前にもあった尿路感染症だろうと思っていた。抗原検査陰性確認後に、画像検査と血液・尿検査を行った。

 尿は自尿をうまく出せないので、最初から導尿で尿一般・沈査と培養検査を提出した。予想通り、肺炎や他の感染症を示唆する所見はなく、炎症反応の上昇と尿混濁を認めた。

 発熱以外のバイタルは問題ない。末梢血管が細いと思ったが、血液培養2セットを提出することにした。他の救急搬入された患者さんを診ていたが、培養検査はと訊くと、もう提出しましたと言われた。1セットか2セットともか、静脈から取れず、動脈から取ってくれと言われるかと思っていたので、助かった。

 

 入院後にカロナールを内服後も39℃の高熱は変わりないので、病棟看護師さんが気にしていた。腎盂腎炎は3日くらい熱がつづくよ、と伝えた。(腎盂腎炎の実態は腎臓の多発性microabscess)

 今日は朝から解熱していた。食事は半分くらいの摂取だが、ふだんからそのくらいらしい。昨日は500mlの点滴を2本入れたが、今日からはセフトリアキソンの点滴静注だけにした。

 午前中に、細菌検査室から連絡が来て、昨日提出した血液培養2セット(4本)の全部からグラム陰性桿菌が検出されていた。尿培養でも同様の菌が出ていた。急性腎盂腎炎からの菌血症だった。2日後に菌名が出るが、たぶん大腸菌だろう。

 

 最近の当院の血液培養提出は、医師数減・患者数減の影響で10数例に減少していた。(血液培養の提出数は病院の評価につながる)ICTとしては貴重な症例になる。

 

 

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1 コメント

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研修医の頃は (シロート)
2021-09-16 06:25:42
動脈血の方が出る?という都市伝説のもと
せっせと動脈血で血培だしてました?
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