Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

NTLive ザ・オーディエンス 感想

2015-01-27 20:32:00 | 近況


2年目となったナショナル・シアター・ライブの今年の第1弾「ザ・オーディエンス」を見ました。去年も見て好きだったのですが、歴代首相や社会情勢について何の予備知識もなく、またこの作品についても調べずに、映画の「クイーン」は良かったからな、くらいの気持ちで行ったので、予測を上回る面白さに驚いただけで、何をどう感想を書いていいのかわかりませんでした。

しかし・・・今回も勉強しないまま当日になってしまった・・・!のですが、去年1年間に見たものが役に立ちました。ですのでご参考までにあげてみますと、

ビリー・エリオット」同じ監督スティーヴン・ダルドリーによるミュージカル。そこでサッチャー時代の労働組合と政府の闘いが炭坑夫の視点で描かれている。

マーガレット・サッチャー~政界を夢見て~」TVドラマで、サッチャーが議員として当選するまでの話。何かと敵の多いサッチャーですが、彼女なりに夢と正義と努力を追求した若い頃を見ることによって、ザ・オーディエンスでは滑稽なほどに人物像を作られていましたけど、彼女と女王の立場をどちらに肩入れするでなく中立な立場で見られました。

THE HOUR1」これもTVドラマ、ベン・ウィショー出演で1950年代のBBCニュース番組が舞台で、スエズ危機がシリーズ1ではクローズアップされます。ザ・オーディエンスではたしかイーデン首相が政治介入前夜に謁見に来て、女王が反対意見を語っていたのが印象的でした。



イギリスの歴史、歴代首相に詳しければ詳しいほど、この舞台を楽しめるというところがまた、知能テストのようでつらくもあります。が、知識がなくても、女王のインナーチャイルドと思われる少女(王女時代のマーガレット)が誰にも言えなかった本音を語り、それを公人としてのヘレン演ずる女王が諭し、いかに仕事として克服してきたかを観客が感じるところが1番の見どころなので、見る人の知識がいかほどでも「おもしろい!」と感じられるようにできているのがすごいです。


1955年セシル・ビートンによる撮影。この時のようすも舞台に出てきました。女王お気に入りの写真家で、おかげですてきなロイヤル・ファミリーの写真がたくさん残されています。


あと、ツイッターの方でつぶやいた小ネタですが、こちらに書いておくと残りますので採録しておきます。

*クイーンが3本指を立てるScout's honour をやっていたね!私は自分はガールスカウトに入ってなかったから、この知識もキャビン・プレッシャーからです。ダグラスのonce a Scout, always a Scout.

キャビン・プレッシャー0202 Gdansk で、白雪姫の7人の小人の名前を当てたいマーティンに、ダグラスがスカウトの誓いをキャロリンに誓ったというシーンがあるのです。そこで「スカウトの誓い」のヴィジュアルとしてこの3本指のポーズを貼っておいたので、クイーンがこのポーズをした時には嬉しくなりました!


*クイーンの台詞「生きた切手よ」というのがあったのは、イギリスでは生存者の肖像画はロイヤルファミリーの主要メンバーのみ、という伝統があるからです!
 ↓
どの首相に言ったのか記憶が定かでありません(汗)。舞台の最後の方だったのでキャメロンだったかなあ・・・
イギリスの切手に肖像画が使われるのは生存者は原則ロイヤルファミリーのみとされています。それどころか、イギリスの通常の切手(記念切手じゃないやつ)はすべて女王の横顔ですからね・・・




ところで、映画の「クイーン」でも好きだったけど、スコットランドでの女王様はタータンチェックのキルトに(たぶん)バーバーのジャケットを着て、カントリーのお召し物が素敵でした。あのバルモラル城に行ってみたいと思って、場所を調べてみたら、エジンバラやグラスゴーよりももっと北で、ウィルソンが雨に降られてひーひー言ってたのが納得です。たとえ8月でも寒いに違いない。晴れた夏の昼間に18度のアイルランドの北端よりも、もっと北でした。