ブリュット.ゼロ或いはブリュット.ナチュールなどと呼ばれるシャンパンのカテゴリーがあります。
それを説明するにはシャンパンの製造工程を知らねばなりませんので、簡単に・・・
1:まずはワインを造ります。
2:ワインを瓶に入れ、再発酵を生起させます。
3:発酵時の酵母を暫らく瓶中に閉じ込めて「ジッと我慢」(3分じゃありません。何年も、です)
4:瓶の口を凍らせ、酵母の死骸などを取り除きます。
5:取り除く時に減った分を糖分とともに補充します。
6:コルクを打って出来上がり。
と非常に簡単に書きましたので、「さっぱり判らん」と言う人もいるでしょうが、御容赦・・・
で、表題のノンドセを含むいくつかの呼称は「5」の糖分補充をしないタイプのものを指します。
しかし、勘違いしないでください。糖分ゼロではありません。どんなに酵母が頑張っても「残糖ゼロ」なんて、殆んどありません。多少の糖分はあります。
通常のシャンパンは辛口=ブリュットと言う=でも若干の糖分補充により1㍑あたり10g前後の糖分があるのですが、それよりは少ないのがノンドセ、と言うことです。
で、なんでこの説明をしているかというと、今月「ジャニソン.バラドン.ノンドセ」と言うシャンパンを使っているのですが、非常に辛口で一切糖分がない、と思ってらっしゃる方もいらっしゃるようなのです。それで敬遠されたり、逆に糖分ゼロだから飲む、と言う人がいたり。
しかし、そんなことより、糖分補充無しでも美味しく仕上げるって難しいのですね。なにせ寒いシャンパン地方ですから酸が強いのです。アルコールも強くなく、下手をすると「薄っぺらい」感じになります。酵母がアミノ酸になって旨味が増していますが、それより酸が勝つのです。
なのに糖分補充しない為には、いい葡萄を選ぶ、熟成を長くするなどの条件が必要なのです。
ジャニソンバラドンの場合は原酒の樽熟です。いい具合に樽中で丸みと香りを身につけています。決してマッチョではありませんが、酸が程好く効いて、それを樽熟がオブラートしています。
こう書くと「えらい高いんちゃうんかい!!」と言われそうですが、そんなことはないのです。
1杯目でもよし、食事の途中でも面白いシャンパンです。
それとコルクが紐止めしてあります。ゆかしいですなあ~~!!
と言うことで、ノンドセ、一度体験してくださいね。