オーストラリアと言えばシラーズ=シラーです。以前はシラー種の故郷であるコート.デュ.ローヌのエルミタージュ地区の名前をそのまま冠して「hermitage」=ハーミテージとラベル表記していました。
勿論、今の法律では許されなくなっていますのでシラーズと書かれています。
ではシラーとシラーズは同じ葡萄だから似ているか、と言えば、そうとも言え、そうでないとも言えます。
まずフランスのローヌは意外と寒冷なところで栽培されていますのでアルコールは低目、酸が程好くあります。そして何と言っても熟成はフレンチオークです。優しい熟成です。
対してオーストラリアのシラーズは完熟して糖度の高い葡萄で造られアルコールが高めです。酸も控えめ。そして熟成がアメリカンオークでなされていることが多いのです。強くオークの樹脂的な香りが感じられます。いわば「セメダイン香」って感じです。
いずれもシラー特有のスパイシーさを持っていますが、かなり違って感じます。
どちらが良いとはいえません。どちらも存在感のあるワインです。
最近はオーストラリアでもフレンチオーク仕立てのものも増えてきていることも確かです。
私たちは色々なパターンを試せるわけですね。
ソムリエ的には、やはりスパイスの効いた(特に胡椒)赤身肉、或いは鉄分の多い肉類(例えばレバー)などとあわせたいですね。オーストラリアのほうに若干の甘いソースを勧めたいでしょうか?
今、そむりえ亭ではオーストラリアのアメリカンオークタイプとフレンチオークタイプの2種をグラスで開けています。是非、ご堪能ください。