オーストラリアのワインは私がソムリエを始めた20数年前は甘口白の時代から重いワイン(白赤とも)の時代に移っていった頃かと思います。
その中でフランスのローヌからやって来たシラー=シラーズなどが主役になっていきます。白はといえばシャルドネの樽の効いたスタイルが主流。
そしてマルチヴァラエタル「複数品種ブレンド」、マルチリージョナル「複数産地ブレンド」といったブレンドの妙が謳われていきます。
樽はというと赤はアメリカンオークで熟成されたインパクトのあるセメダイン的な香りで味わいも強いものです。
「オーストラリアのワインは重い」
しかし、そこから速い速度で移り変わっていきます。
まず、より涼しいエリアでフレッシュな酸を残す産地、品種が台頭してきます。
リースリングを筆頭にピノノワールやソーヴィニヨンブランです。当然のように重い樽使いはしません。
葡萄の特性がとことん引き出されたワインの時代です。
そうなるとマルチヴァラエタルではなく単独品種。
他の世界も含めて温暖化と凝縮が避けられない時代に逆の方向に向かっています。
しかも、日本の20倍の国土はこれまでのスタイルを残しながら新しいスタイルを生んでいるのです。
古い産地は面影を残しながら、しかし樽はフレンチオークの使用も増え、洗練されたワインがかなり登場しています。
有難い事にオーストラリアのワインはバックヴィンテージが結構見つかります。カリフォルニアよりも簡単に90年代が手に入りますね。しかもお安い。
最近のそむりえ亭では、結構使っています。昔ながらのもの、最近のスタイルのもの、古典品種と最近追いかけている品種。中々面白い産地です。ジビエを含めしっかりしたお肉を召し上がって頂く季節にはピッタリですね。
是非、お試しください。