ワインの世界では古樹(樹齢の古い葡萄の樹)からの実を使ったものは格上扱いをされます。
フランス語では「ヴィエイユ.ヴィーニュ」英語では「オールドヴァインズ」とか「エンシェントヴァインズ」などといわれます。
何年以上が、それに当たるかというと厳密な規定はありませんが、北に行くほど若く、南にいくほど古い傾向があります。
例えば南仏や、カリフォルニアでは100年の古樹なども結構な数が見受けられますし、シャンパーニュやブルゴーニュでは40年位で年寄り扱いです。
ま、それはさて置き、古樹と若木はどう違うのか?
なんと言っても根っこの深さが違います。深い古樹は20メートルは地下に入っていると言われます。そうなると色んな地層を通って色んな要素が吸い上げられます。
また樹勢が老齢化によって衰え、実も葉っぱも勢い良く茂らない分、少ない実に複雑実が凝縮すると言われます。
水分に関しては劇的に違います。
若木は降った雨をそのまま吸い上げてしまい、雨の多い年は水っぽい実になり、古樹は地表の水分を吸い上げることがありません。
では雨の少ない年はどうか?
旱魃のような時は根っこが水を探しても若い樹は深くにある水分に根っこが届きません。それに対して古樹は深くに潜む水分を適度に吸うことができるのです。
上記の事から古樹は天候に左右されにくく、ミネラルが豊富なワインになる、と言う事なのです。
しかし、それが良いことばかりかというと、沢山の葉っぱが活発に行うはずの光合成は控え目。だってとしよりなんですから。つまり肉付きはいいとはいえない気がします。
私の実感では古樹のものは寝かせないと固さがほぐれにくく、若い木の分は若いうちから全開になりやすい、と思います。
どちらが良い、悪い、という事はありませんが「今飲みたい!!」と言う方は古樹の表記がない若いワイン、「今飲むワインは沢山あるから、寝かせておくワインが欲しい」と言う方は古樹のワイン、と使い分けていただくと良いかな、と思います。
なんて書いていると、そむりえ亭で飲んで頂けなくなりますね。そむりえ亭でも同じタイプの若木と古樹のワインが開いていたりします。参考までにお試しにお越しくださいね。