ダイニング・ウィズ・ワイン そむりえ亭

料理にワインを
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 樋口誠

もう一つのシラー

2012年03月11日 04時40分08秒 | ワインの事

シラーに関して、ちょっと前に書きました。

北ローヌ、オーストラリアが有名で、スペインにも良い産地がある、と。

今月はそれ以外にオレゴンにも面白いシラーがあるという事で使っています。

面白いシラーです。

ものすごく濃い。しかし非常に滑らか。

スパイシーさもシラーですから見つかりますが、それ以上に果実の凝縮が強いですね。その上から新樽の香りが重なって強い押し出しです。でもタンニンは溶けているのです。

酸は北ローヌよりは低めですが、カリフォルニアやオーストラリアに比べて「ある」と言えます。

使用中のヴィンテージが07年だからと言うのもありますが、デキャンタを丁寧に3回してもワインだけで美味しいとは言えません。滑らかなのに、です。

しかし、しっかりした赤見肉に例えばタプナード等のように強い風味のソースをかけて合わせると、むしろ他のシラーより合うんですねえ、これが・・・・・

ワインは料理と共に、とは私のモットーですが、そういう意味ではオレゴンのシラーはまさにそうではないかと思います。

ここのピノノワールがワインだけでも充分に楽しめるという印象があるだけに、ギャップに驚いたのは5年程前です。

熟成するとどんな成長をするのか、私の経験値にはありませんが、楽しみなシラー産地ではあります。

まずは若いオレゴンシラーをお肉と共に味わってみてください。

王道のマリアージュです。