ワインの生産国として東西の横綱は間違いなくフランスとイタリアですね。
その生産量の1位2位はドッグレースの様に入れ替わっていっています。
ただ、イギリスに近いこともあってか、或いはその婚姻関係も影響してか、フランスのワインが世界に名を売ッた速度が早かったのは成り行きとしてはやむを得ない所だろうと思います。
しかし、世界がグローバル化して様々な評論家のレビューが万遍なく行き渡り、そこにネットが拍車をかけるとイタリアのワインが市場を獲得するのは、これも当然のことでしょう。
よく言われることですが「イタリアワインは土着品種が多いから難しい」
しかし、そうでしょうか?
私の見解は違います。
フランス系の品種が世界に広まった結果、「慣れたもの以外は覚えにくい」からなのではないでしょうか?
だってフランスでも数えればとんでもないくらいの品種がありますが、ソムリエですら全ての品種を覚えきっていません。で、有名なものを優先的に覚えてリピートしているのです。
じゃ、イタリアはどうか?というと確かに沢山の葡萄がありますが、いわゆるシノニム=異呼称が多いのですね。
サンジョベーゼにしろネッビオーロにしろ、あるいは白のトレッビアーノも数えられないくらいですね。
整理をしていけば面白いですね。結構、集約されていきます。
しかし、私が感心するのは「懐の深さ」です。
例えばフランス系の品種も拒否せずに素晴らしいワインを造り出しています。
技術も古い慣習に囚われずに新しいものにチャレンジします。
また原産地呼称の枠組みが自分の理想と違えば枠を飛び出して前へ進みます。
フランスでは無いですよね。
他国の主流品種を後から植えたという話は聞きませんし、イタリアほど枠をはみ出す生産者が目立ちません。
ですからイタリアのワインは幅が広いのですね。
同じ地方でも品種の違い、作り方の違いで非常にバラエティが出来ます。
またシノニムが多いという事の裏には気候風土が違えば「別物」というメッセージが感じられます。
私達日本人は恵まれていますね。
その両巨頭のワインを選び放題ですし、更にそこから派生した世界中のワインが手にできます
最近ではスペインのワインの台頭も顕著ですし、何より日本のワインが今面白いではありませんか。
どうぞ若い方には色々な国の色々なワインに臆せず近寄って頂きたいものです。