ミステリーボニータ
なんとまあ、分厚くて持ち重りのする漫画本。
○十年ぶりに買った。
わが子たちがその年頃の時、何しろ4人分の生活費が目まぐるしくて、
とてもとても漫画まで手が回らなかった。だから本当に久しぶり。
なぜか…
実は、わが高校時代の同級生が昨年ついにデビューしたというのだ。
あおり文句は「○○才の大型新人」
その三作目が掲載されるというので、本屋にいってカラフルな棚の中を目を皿のようにして探した。
彼女は当然だが当時漫研で、素晴らしい才能を光らせていた。
自分と同じ環境にこんなにすごい人がいるんだと思った。
実際高校時代から編集部に持込をし、それなりに評価をされていた。
絶対若いうちにデビューをして、人気作家になると思っていた。
それが・・・・・・・わからないものだ。
その通っていた編集部で見初められてしまったのだ。
お相手は人気の出始めていた若手漫画作家。
周りは呆然としたが、実力もあったその相手に「仕方ないか」というのが、結論だった。
お子さんにも恵まれた。 でも、幸不幸は順番に回ってくるもので、ご主人が早逝してしまった。
えっ?・・・先が出なかった。
時折、どうしているのかと漫研仲間に噂を聞いた。
それからどれくらい経っただろうか・
この春上京した折に 「○○ デビューしたんだよ!」 と朗報を聞いた。
人の生きる道を考えさせらえる彼女のこの半世紀。
「夢」 はかなう というが、
才能と 努力と それだけではたどりつかない 「夢」 を思う。
潮の流れのような 運 や 環境 そして何より 意志の力。
ざらざらとした漫画特有の紙にすられた彼女の「夢」が、なんともうれしい。
ミステリーボニータ8月号 本の最終に掲載された作品。
本屋さんによられたらぜひ手に取ってみてほしい。
明日を夢見た高校生時代と同じ、はつらつとしたものがきらきらと輝いているように感じるのは、
私の欲目ばかりではないと思う。