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読書と旅行と柴犬のブログ
目標は留学生に日商簿記3級合格を!
ヤプログから引っ越してきました。

「ウォーロード/男たちの誓い」戦乱の世の正義に翻弄される勇者たち

2009-05-24 00:09:54 | 香港・アジア映画
「ウォーロード/男たちの誓い」★★★★
ジェット・リー 、アンディ・ラウ 、金城武 主演
ピーター・チャン 監督、2008年、113分、香港、中国




「中国・清朝末期。太平天国の乱が起こる中
義兄弟の契りを結んだ3人が乱世を戦い、
やがて悲劇的な結末を迎える、
馬新貽の暗殺事件の映画化、
史実を踏まえつつ、熱い義理と
恋愛も織り込んだ意欲作」



派手なワイヤワークやカンフーも無く、
ひたすら血みどろの接近戦で
戦い抜くのはジェット・リー 、
アンディ・ラウ 、金城武というスター。

「レッドクリフ」と比べると戦いのシーンの
大掛かりな見所と言う部分では
見劣りがするが、その分
3人の心情はそれぞれの想いを
しっかり描き分けていて
胸に迫る感動はこちらの方が上。



目の前の「情」に流されること無く、
戦乱の世を終わらせることで
真の安らかな国を求める気持ちと
それでもその為に目の前の
かつての仲間を殺すと言う究極の行為、
ボケボケと言われながらもこの平和な現在に
生まれてホント良かった



「少林寺」から見守り続けるジェット・リーが
今回は派手なアクションより
悔しさや哀しさや揺れる心の演技を見せ
「新宿インシデント」のジャッキーといい、
アクションからの脱皮を図ってるのか
頑張ってるのは分かるが
ファンとしてはアクション1本で充分なんだけどね。

戦いの虚しさは充分伝わり、
累々と続く兵士の骸を目にして
アンディ・ラウが叫ぶシーンは
その哀しみがストレートにガツンと来た、
分かり易いことは時に安易でもあるが
この映画ではそんな安い感じは無かったな、
それはそれまでしっかりと
惨たらしい戦いのシーンを描いていたからだ。

面白いと言うと弊害があるかもしれないが、
見応えのある作品だった。

★100点満点で85点

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ジェット・リーはもうアクション映画には出ないと宣言していたが
いつの間にか撤回したのか?


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「天使と悪魔 」それはひとりの人間の表と裏

2009-05-20 20:39:18 | 大作映画ハリウッド系
「天使と悪魔 」★★★★
トム・ハンクス ,アイェレット・ゾラー ,ユアン・マクレガー 主演
ロン・ハワード 監督、2009年、139分、アメリカ




「ロバート・ラングドン教授の
今度の冒険の舞台は、ヴァチカン。
謎に包まれた秘密結社イルミナティの
復活の証拠を発見し、古代の印から
暗号を読み解き核心に迫っていく」



そつないストーリー展開で
安心して映画の世界へ入っていける、
あとは都合が良すぎるかな等々感じながらも
教授が発見する様々な歴史の符号。

そして新たな脅威が迫る
ヴァチカンというキリスト教の象徴の場所で
謎解きをするのだが、
いかんせん宗教の背景などを詳しく知らないので
驚きは欧米の人たちに比べたら半減しているかも。


それでもヴァチカンへ向かう途中の
サンタンジェロ城や駆け足で巡った
ヴァチカンの広場など、自分が実際にこの目で
見た場所が画面に現れるのは
それだけで楽しい気分になる。



人間は宗教にこの世の楽園を
求めたはずなのに、
その宗教にがんじがらめに縛られ
命まで懸けるのは自分には理解できないことだ、
この世にはやはり「楽園」は無いのかなと
ふと思うと寂しくもあるのだ。


教授が語る様々な符合の殆どを
全く知らないので、
そのあたりはただそういうものかと
思うだけだが、そんな無知な部分は無視しても
見せ場の多い、楽しめるつくりになっていて
さすがハリウッド、映画らしい映画を楽しんだ。

ラスト近くの見せ場では思わずホロリとした、
そして用意されたラストシーンと
大変良く出来ました。


次もあるな。

★100点満点で75点


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そのうちに教授が日本で謎解きする日は来るのか?


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「シリアの花嫁」国境ゲートは開かない

2009-05-19 00:09:00 | ミニシアター系映画
「シリアの花嫁」★★★
ヒアム・アッバス 、マクラム・クーリー 、クララ・クーリー 主演
エラン・リクリス 監督、2004年、97分、イスラエル、 ドイツ、フランス




「旧シリア領ゴラン高原の小さな村、
ここは1967年以来イスラエルが
占領し続けている地域だ。
この村から境界線を越えて
シリアへ嫁ぐ娘と家族の
その大切な一日の物語」



パスポートに「無国籍」ということが
あることさえ知らなかった、

目に見える場所へ行こうにも
二ヶ国の煩わしい手続きに
阻まれてそれもままならない。

誰もが殆ど何処でも行けると思える現在、
こんな場所があることを知って
心底驚く、いくらなんでもと。

ウエディングドレスでゲートの側で
手続きの完了を待つ花嫁、
傍らには親族や友人、
ゲートはシリアへと続いている、
なのに花嫁はなかなかそのゲートを通れない。

この滑稽なドタバタの一部始終は
リアルとは言えなくても、
ほぼこれに似たような現状なんだろうなと
想像できる、
そして大変だろうなと他人事のように
喜劇にしか思えない一部始終を見つめるだけだ。

「次の機会を待ってくれ」と言われ
「次は無いんだ」と必死に答える、
途上国では様々な局面で
「待つ」ことが当然のように起こる、
でもこの映画のように「結婚」という
状況を考えると、傍目には笑えても
当人達には泣くに泣けないだろう。

人間は何をしてるんだろう、
今、このときも同じ地球上で
これが現実と思うと
ただ笑うしかないが、
あまりにバカバカしくて、何してるんだろうと。


興味深い内容だったけど
映画としての出来は並以下ってところだ。

★100点満点で60点


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日本のように海に囲まれていると、国境と言う感覚はあまり無い、
鉄条網で分断された国境のゲートはなかなか開かないのだ。


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「バンコック・デンジャラス 」ハリウッド的お手軽バンコク観光映画

2009-05-16 10:51:02 | 大作映画ハリウッド系
「バンコック・デンジャラス 」★★★☆
ニコラス・ケイジ 、シャクリット・ヤムナーム 、チャーリー・ヤン 演
オキサイド・パン 、ダニー・パン 監督、2009年、119分、香港




「引退を考え始めた凄腕の暗殺者が、
最後に選んだ仕事はタイのバンコクでの
4件の殺しの依頼だった、
このシリーズで世界各地で撮れそうな映画」



元ネタはタイの映画「レイン」ということだが、
ほぼ別の映画になっている。


綿密な分単位の計画を立て、
冷静に「暗殺」という仕事をこなす主人公、
バンコクという初めての土地でも
自分の決めた掟にしたがって
仕事の準備をし、
仕事をこなしていく、順調に終えるはずだったが、
少しづつ計画が狂っていく。


かなり綿密に計画したはずなのに
その計画がダメとなれば
水上マーケットで多くの人が居る中でも
銃をぶっ放して、
それまでの姿との落差にビックリする、
これで本当に腕利き?と。

薬局では彼の心を奪う人との出会いも
用意されているが、
展開が急すぎてと
ってつけたような印象を拭えない。

まあそんな細かいことをつつくよりも
そつのない作りの映画をただ楽しむのが
この映画の正しい見方。



バンコクという土地は自分も好きなので
楽しみにしていた、
ボクシングスタジアム、夜のパッポン、
水上マーケット、マーブンクロン、
ちょっとした観光映画っぽい要素もあり、
「休暇の延長でバンコクで映画でも撮ろうか」って
調子で出来上がったような感じだ。

この映画はバンコクじゃなくても
これを東京や上海や
どこに舞台を移してもそれなりに撮れそうな
お手軽映画だけれど、
だからと言って出来の悪い
つまらない映画でもないので
次の大作までのつなぎ的な映画というところか。



見ないと損とまでは言わないので
レンタルまで待ってもいいかな、
バンコクへ行ったことがある人なら
自分の行った場所が映ったりしていて
それだけでも楽しい。

元ネタの「レイン」は聾唖の主人公と
薬局で働く女性との淡い恋と
もっとギリギリの心情が描かれ
ドラマとしては元ネタのほうが面白い。

★100点満点で65点


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全体的にタイの人々を定型的に描いていて
まあ、心情を描く映画じゃないけど、もう少し踏み込んで欲しかったな。

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「チェイサー」勧善懲悪のない現実

2009-05-14 00:09:51 | 韓国映画・アジア映画
「チェイサー」★★★★
キム・ユンソク、ソ・ヨンヒ、ハ・ジョンウ、キム・ユジン 主演
ナ・ホンジン 監督、2008年、125分、韓国




「汚職で刑事を辞めて、
今は女の子の斡旋をして
その日をなんとか暮らす男が
連続殺人犯を追いつめる、
そこに正義はあるのか?」



早いうちに犯人は明らかになり、
犯人の家に派遣された女の子が
捕らわれハンマーで襲いかかられ、
浴室で横たわる、
主人公は自分が無理に送り出した
女の子の家へ行き、
彼女に子供が居ることを知り、
わずかな手がかりで犯人を追いつめる。

殺人鬼と売春斡旋男の対決で
こちらはなんとなく居心地が悪い、

悪人の程度の違いはあれ、
主人公も正義の味方ってわけじゃなく、
とにかく女の子を取り返したい一心で
犯人を追いつめるのだが、
助かって欲しいという気持ちとは裏腹に
主人公だって女の子を送りださなければ
こんなことにはならなかったのだ。

不気味な猟奇殺人の犯人が
外見はどちらかというと優しい青年というのも
怖さを増幅させる、
もっと悪い顔をしていれてくれたら、
気持ちはすっきりするだろうに、
何かをしでかす人は自分達のすぐ隣にもいると
言っているようだ。


そして主人公は冴えない感じの
元刑事でとても正義を振りかざせるような
人じゃない、この対比は面白かった。


韓国映画はラストで事件が解決しないものも
結構ある、現実を反映すると
そうするしかないのも分かる、
でも映画で見るならラストは明るい希望を
感じたいものだ。

ここ2年くらいあまり面白い韓国映画に
出会ってなかったが、ここにきて2作連続で
韓国映画らしいイキのいい映画に
当たっている、これは嬉しいことだ。
スター映画がいまひとつパットしない今、
やはり必要なのは「情熱」
それを充分感じられる映画だった。


★100点満点で80点


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惨いシーンが結構あるので誰にでも勧められる映画じゃないが、出来は良いと思う。

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