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読書と旅行と柴犬のブログ
目標は留学生に日商簿記3級合格を!
ヤプログから引っ越してきました。

映画「あの夏の子供たち」子供たちはその後何に希望を見出すのか

2010-07-21 22:34:10 | ミニシアター系映画
「あの夏の子供たち」★★★
キアラ・カゼッリ、ルイ=ドー・ド・ランクザン、アリス・ド・ランクザン出演
ミア・ハンセン=ラブ監督、96分 、2010年7月10日公開、2009,フランス,クレストインターナショナル
(原題:Le Pere de mes enfants )




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「前半とても幸せな家族の何気ない日常を描き、
中盤で父親が事業の失敗で自殺したことで
かつての陽だまりのような、
かけがえのない幸せが、いかに大切だったのか、
残された家族のその後を描き、
じわじわと見ているこちらも喪失感が伝わった。」



映画の商業的な成功よりも
良い作品を作ることに重点を置くあまり、
不況と重なって多額の借金を残したまま
映画プロデューサーの父親が自殺をしてしまう、
その直前まで家族には危機的状況を知らせず
妻も子供も父の不在の世界で戸惑う。

で、そこから家族はゆっくりと
「再生」していくのだろうけど、
その端緒についたところで映画は終わる、

何だろう、この感じ、
2009年カンヌ国際映画祭《ある視点部門》
審査員特別賞に輝いた本作、
他に見るべき競合作品が無かったのかな。

もうひとつピンとこなかった、
胸に迫るようなエピソードもなく
映画全体としてはテレビドラマでも
ちょっと地味過ぎなテーマで
家族の反応も予想の範囲内、
どこか目新しい何かを求めても得られない、
ただし人間の感情なんて
デジタルの時代だろうと、そう変わらないと言うことか。



自分の父親が10歳前後の年頃で自殺するって
ハードなことだと思う、
自分が父親の年を迎えるのが怖くなったり
容易く自殺と言うどうしようもない解決を
ひとつの選択肢として自覚してしまうだろう、
やはり人間は逃げずに
とことん正面切ってぶつかっていくしかないのだ。


この作品は「フランスシネマ・フェスティバル2010」の1本、
今後この作品を含め短期間に8本が公開される、
何本見られるか分からないが
劇場に行くのが楽しみだ。


★100点満点で60点


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家族の子供たちがピンクとかの原色の服を全く着ていない、
このあたりから洗練って生まれるのか。

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映画「闇の列車、光の旅」自分が求めるなら何処までも行け!

2010-07-19 00:43:29 | ミニシアター系映画
「闇の列車、光の旅」★★★★
パウリーナ・ガイタン、エドガー・フロレス出演
キャリー・ジョージ・フクナガ監督、96分 、2010年7月10日公開、2009,アメリカ、メキシコ,日活
(原題:SIN NOMBRE)




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何があるにしろ自分の国を離れ
生きていかないといけないという現実、
よりよい生活を求めるというのは分かるが
本当に生まれ育った場所で生きることは出来ないのか、
そんなことを考えていたら
そういえば自分だって生まれ故郷を離れて
全く別の場所で暮らしているのだけれど」



アメリカを目指し命懸けで旅をする少女サイラ、
彼女は父と叔父とホンジュラスから
列車の屋根で移動し、
国境警備の目を逃れ
ニュージャージーまでの長い長い移動を続ける。

そしてもうひとりメキシコのギャングの一味
カスペルは強盗目的で列車にリーダとともに乗るが、
リーダーがサイラに暴行するのを止めようと
殺してしまい、ギャングから追われることになる。

交わった二人の道、
ギャングの報復の死を覚悟したカスペルは
過酷な状況でも希望を失わないサイラに触れ、
少し向こうの未来を信じて見る気になる、
でもそれは儚い夢だった。


南米の子供を含むギャングの話は
「シティ・オブ・ゴッド 」★★★★←ここをクリック・過去記事へ
「シティ・オブ・メン」★★★★←ここをクリック・過去記事へ
この映画が出来も良く
この映画で描く世界にそれ程驚きは無い、
けれどこの希望の無い若者の世界は
国の政策にかかっていることで
そう簡単に変わることは無いだろう。

そしてもうひとつ、
ホンジュラスからアメリカへの
まさに命懸けの移民という現実も
すぐ近くの国の国力のあまりの違いから起こる、
誰だって自分の考える幸せというものを
求めて生きていくうえで
自分の国を捨てなければならないというのは
いかにも哀しい。


でもこれは世界中で起こってることで
フィリピンは出稼ぎ労働で
かなりの外貨を稼いでいると聞くし、
中国しかり、
もしかしたら日本と言う島国が
本当に世界から孤立しているのかも。

こんなにある意味守られた
無菌状態の平和な現在を
戦争以後の世代の人たちが築き、
その果実を自分達はただむさぼっている、
きっとどこかで自分たちで築くということが
必要になるもかもしれないな。


映画はラストはこうしかないだろうなという
結末が待っている、
その事実を見つつも
映画には描かれなかった
幸せな別の結末を祈った、
人が普通に暮らす自由を思った。

★100点満点で75点


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体中にタトゥーをするギャングの男たち
何かの象徴なのか。

監督は、2009年にサンダンス映画祭で監督賞を受賞した新鋭、日系4世のキャリー・ジョージ・フクナガ。

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映画「プレデターズ」原点回帰、ジャングルで戦闘開始!

2010-07-17 12:24:15 | 大作映画ハリウッド系
「プレデターズ」★★★
エイドリアン・ブロディ、トファー・グレイス、ローレンス・フィッシュバーン出演
ニムロッド・アーントル監督、107分、2010年7月10日公開、2010,アメリカ,FOX
(原題:PREDATORS)



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「エイドリアン・ブロディが何故こんな
最初からB級と分かるような映画に出たのか、
全米も同時公開で約2530万ドルの興収で初登場3位と、
最近はエイリアンと闘ったりと
キワもの路線だったプレデターを元の路線に戻した、
ジャングルでの見えない敵から逃げ、
最後は立ち向かうという王道で合格点」



シリアスな映画もいい、
ハリウッドの大作も大好きだ、
でもこんなB級路線のくっだらない怪物映画も
これがまた、気になってしかたないのだ。


彼らは突然空からパラシュートで降ってきた、
何故自分達がここに集められたか分からないまま、
未知の敵、プレデターから逃げつつ、
僅かな情報をもとに
次第に何が起こりつつあるか分かってくる、
このあたりをオスカー俳優に演じて欲しかったかもしれないが、
別にエイドリアン・ブロディじゃなくても
せっかくなので新しいアクション俳優を発掘すればいいのに、
そんなことをずっと考えていた。



お互いに少しずつ自らを語ると
何かの理由で集められた
戦闘のエリート集団と分かってくる、
このあたりを言葉で語るだけで
さっさと済ませてしまうが、
本当にそんなに凄いかは
実際の戦闘で見せるべきで

強敵のプレデターの前に
あっけなく死んで行くのを見ると
そりゃあプレデターは見えないし、
赤く光るビームを持ってるしで強いけれど
それにしてもこの戦い方で
ラストまで持つのかと心配になる。

まあラストまでには色々小ネタが用意されていて
マトリックスのローレンス・フィッシュバーンが
木端微塵に吹っ飛ぶところをみると
ますますこの映画の立ち位置が分からなくなる、
それでも全米3位発進となる久々に力の入った
正統派のプレデター映画に納得して集まったんだろうな、
そんな映画の中身とは関係ないこと
あれこれ考えてると107分はあっという間だった。

新しい驚きはないが
期待したプレデター映画としては充分、

結局これくらいしか
奥深さってのは求めても出てこないだろう、
次はまた誰と闘わせるか、
そんな企画を懸命に考えてる気がする。


★100点満点で65点


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トファー・グレイスはスパイダーマン3(2007)で大役を得たが、いまひとつ伸び悩んでる。



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書籍「猿の詩集(上・下」老猿が見た戦後とは

2010-07-16 00:09:51 | 読書の時間
「猿の詩集(上・下」★★★★
丸山 健二 著 、講談社、2010年03月10日初版
(344ページ/400ページ 、各2150円)

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「南太平洋の激戦地で、
食糧難から死んだ戦友の腕を食べようとした主人公は
上官に射殺され、何の因果か
日本の故郷で老いた白い猿に魂が乗り移り
故郷の戦後を見つめる、
破天荒な設定ながら
声なき戦死した兵士の目を通して
変わりゆく戦後を描く異色作」



丸山健二という作家が有名な人とも知らなかった、
知ったのは「週刊ブックレビュー」のゲストで登場し、
作品を熱く語ったからだ、
上下巻で4.300円と、いつもの予算オーバーながら
ネット書店で注文し
家で読む本として3週間余りで読んだ。


上下2段にびっしりの文字、
平易な言葉で猿が語っている話し言葉として
句読点が少なく、
ひとつのかたまりのように一気に読ませる。


当初読みにくいかなと思ったが、
慣れてくると段落と段落までを
一気に読むような調子が出て
どんどん読み進めた。

古い言い回しもなく
主人公が感じたままを読んでいくので
文学の香りはあまりしない、
でもそれで良いのだと思う、
戦場で生きるギリギリを体験し
故郷では自分が守ったものを目にして
格調高い文章ってわけにもいかないだろう。

眉間に出来た穴には血が溜まり、
ペンでその血をインクとして
老いた猿となった主人公は
そこで見たままを綴っていくのだ。


そこに住む誰もが旧知の小さな農村、
どんなことも筒抜けで
プライバシーなんて言葉も知らない、
やがて主人公の父親が戦地から戻るが
母親の対応は冷たい、
自分の家にだけ生きて戦地から戻ったことが、
喜ばしいと言えない村の雰囲気と
すっかり気概を失った夫。

そんな様子を物陰から見守る猿、
何かしたくても猿となった身の上
ただ見守るしかできない、
戦争の中にあっても自分の意志さえ
押し殺してバンザイ!と叫ばなければならない日常が
故郷へ戻ってまで
何故か猿に身をやつし
これでは自分が戦地から戻ったことを言えないのだ。

長い長い物語の中心は
猿となった主人公が見たままの
故郷の戦後、

人々は戦争が終わったことを喜ぶというより
すぐにまた生き抜く生活の上の戦いを余儀なくされ
それを声高に誰かを恨むわけでもなく
また毎日を続けていくだけだ。

何か強い主張を感じることはない、
でもどうすることも出来ない現実を
戦後の日本人は生き抜いたのだ、
そしてふと思うのは
そんなにまでして築きあげた日本が
今につながっているということ、
果たして遠い戦場で戻れなかった英霊たちは
今の日本をどう思うだのだろう。


飄々と生きていく白い猿は
今もどこかで長い長い戦後を生きる
この国を見ているのかもしれない。


★100点満点で75点


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夢中で読み終えて今は「プラチナデータ」を読み始めた。

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映画「トイ・ストーリー3」さようなら子供時代のアンディ

2010-07-14 00:09:43 | 大作映画ハリウッド系
「トイ・ストーリー3 」★★★★☆オススメ
トム・ハンクス、ティム・アレン、唐沢寿明、所ジョージ声の出演
リー・アンクリッチ監督、109分、2010年7月10日公開、2010,アメリカ,ディズニー
(原題:Toy Story 3 )




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「おもちゃで遊んだ記憶があれば、
そのおもちゃがその後どうなったか
誰でもすぐに分かるはず、
今もおもちゃで遊んでるって人はいないだろう、
ごめんね、そんなことをふと考えた」



3D版を見ようと思っていたので
今回は吹き替え版を選んだ、
映像が飛び出す部分に字幕がかかると
楽しめないので今回は正解。

手違いで保育園に送られたアンディのおもちゃ達は
そこでとんでもないサバイバル体験をする、
「アンディの所へ帰ろうよ」そう言うウッディに
「どうせ屋根裏に行くんだよ」
バズや他のおもちゃたちは、保育園で
新しいお友達に遊んでもらおうと意見が別れる。

その後は保育園からの脱出から
危機一髪の大冒険が始まる、
つくりものと分かっていながら
この後どうなるんだと、結構真剣に見詰めた。



アンデイは大学生になり
おもちゃを近所の女の子にあげることにして、
一体一体説明しながらおもちゃを
渡していくが、
箱の底にウッデイを見つけ、
彼だけは大学へ持っていくつもりだったので
女の子にあげるのを躊躇するが
女の子があまりに喜ぶので言いだせない。

後ろ髪を引かれるように
新しい生活へと乗り出すアンディと
その車を見送るおもちゃたち、
何でこんなCGアニメにホロっとしてるんだ、

ホント良質のアニメだ、
「今日はいっぱい遊んでもらえたね」
そんなふうにおもちゃが夜になると喜んでいるとしたら
この映画を見たら子供はおもちゃを大切にするだろうな。

説教くさくなく、でも子供だましってわけでもなく、
こういう良質なアニメを作る良心が
しっかりと映画の現場にもあることに
本当に嬉しい気持ちがした。

@@@
吹き替えだったので、松金よね子の金切り声が
いつまでも耳に残った。
これも楽しい体験だった。

★100点満点で90点


soramove
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製作者達もおもちゃが大好きだったんだろうな、
シリーズも3作ともなれば失速するところを
そんなこと全然無い素晴らしい出来

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