HAKATA PARIS NEWYORK

いまのファッションを斬りまくる辛口コラム

アディダスはユーロ版に限る。

2011-09-07 10:56:34 | Weblog
 欧州最大のカジュアル&スポーツファッションの展示会「Bread&Butter」がさる7月6日~8日、ドイツの首都ベルリンで開催された。
 同展はドイツ北西部の都市、ケルンの有力セレクトショップ「14オンス」のオーナー、カール・ハインツ・ミュラー氏が中心となって2001年夏、同市でスタート。ブランドや商品をセレクトショップ向けに限定したコンセプトが受け、米国の「マジック」と並ぶ国際トレードショーの一角を占めるようになった。
 マジックが90年代半ば以降、次第にクロージングをカットして、カジュアル&ストリートにシフトした傾向は今日、世界中どこでも変わらないようだが、欧州の展示会には不思議とモード感を期待してしまう。
 出展ブランドにはロフトデザインバイ、ガウディ、クーカイなど多少のモード感を出すものもあるが、やはりリーバイスを筆頭に、ギャス、ジースター・ロー、ペプジーンズなどジーニング系、カジュアル・スポーツ&ストリートテイストが大半を占める。
 それゆえ、コアアイテムは各社ともジーンズやカットソーをトレンドで焼き直したもの。しかし、これらにお目当てのものが見つからなくても、スポーツブランドには大いに期待できる。
 アディダス、ナイキ、プーマの御三家ほか、欧州らしくアンブロ、ヒュンメルも並ぶ。かつて歌手のマドンナが履いてヒットし、Y-3も影響を受けた「プーマ・モストロ」のように、スポーツブランド各社は毎回、デザイン性を持たせたアイテムを出展するところがにくい。

 ただ、筆者をいつも買う気にさせるのは、トレフォイルマークの「アディダス・オリジナル」だ。事務所の目と鼻の先にジャパン社直営のショップがあって、日本のネット通販でいくらでも買えるのに、毎回同展に並ぶヘリテージラインのユーロ版シューズには、目が行ってしまう。
 今回も定番のランニングシューズ「ドラゴン」を2足、フランスの問屋経由で大人買いしてしまった。日本のアディダスショップは若者向けストリートを意識するため、ジャージやシューズはカラフルで旬を感じさせるものしか揃えない。
 そこそこのファッション性を持ちながらも、クラシックな定番デザインは若者受けしないし、大人のランナーはABCマートで十分なのか。どうしても日本のバイヤーにはオミットされてしまう。
 マーケットから外れた人間だからしかたないが、先日、パリから届いたシューズはやはりいい。送料、税金などでずいぶん高い買い物になった。でも、シャープなフォルムはランニングにもストリートにもドンピシャで、Y-3のジャージとの相性も良さそう。第2弾のスエード版も楽しみだ。

 ところで、英語の「Bread&Butter」と言えば、大学受験のときに「若い、青年期」という意味があるのをおぼえた記憶がある。トレードショーにこの熟語を用いたのも、米国マーケットを意識したカジュアルやストリートアイテムが主体だからか。真意はさておき英語圏のバイヤーならずとも、受験英語を勉強した日本の業界人ならピンと来るはず。
 また、 往年のフォークデュオで、同名の兄弟ユニットがいたのを思い出す。筆者よりはるかに年上の団塊世代だが、岡林信康や吉田拓郎とは違うあか抜けたサウンドは、当時としては印象的だった。
 驚いたことにBread&Butterをグーグルで検索すると、今も活動するこのデュオの方がトップに来る。 サイトの動画から聞こえてくる甲高いリードボーカルは健在。二人ともそれなりに歳をとったが、湘南ボーイの風貌は少しも貧乏臭さを感じさせない。これもブレッド&バター故か。
 もっとも、 日本人がBread&Butterのトレンドを着こなし履きこなすには、メタボが気にならない30歳代が限界。やはり、下腹が出たおじさんになると、ブレッド&バターのようにアメカジか、トラッドしか似合わないようだ。
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