ボーイング、小型機出遅れ
【パリ=古谷茂久】欧州エアバスの民間航空機の受注が好調だ。2011年1~6月の純受注機数は640機となり、昨年1年間の受注を半年で上回った。小型機投入が奏功、貨客需要が急拡大するアジアなど途上国・新興国を中心に大量発注が相次いでいるためだ。
新型機の投入遅れなどが響き、新たな優良顧客取り込みに出遅れた感があるボーイングに大きく先行した形だ。
民間機市場は金融危機の影響で08年から急速にしぽみ、09年には両社の合計受注機数は07年のピーク時の85%減まで落ち込んだ。10年から市場は回復基調に転じている。
中印が大口発注
上半期のエアバスの大量受注を支えたのはアジアの格安航空会社(LCC)だ。1月にインドのLCCインディゴが18O機の小型機A320を発注。6月にはマレーシアのLCCエアーアジアがA320の改良型を200機注文し、中国の航空機リース会社も88機のA320を発注した。
世界の航空機市場で主要な買い手はアジアのLCCとなっている。こうしたLCCは燃費の良い小型機を選ぶ傾向が強く、エアバスのA320がその受け皿となっている。
同社によると09~28年の民間機需要の3分の1はアジア太平洋地域が占める。エアバスはアジアを中心としたLCCをターゲットとした開発戦略を進めており、昨年は燃費の良いエンジンを搭載した小型機A320ネオを市場投人した。
エンダーズ最高経営責任者 (CEO)は6月「A320は真のベストセラー機となった」と語った。
米市場も開拓
エアバスはボーイングの牙城である米国でも顧客の開拓を精力的に進める。
米航空大手アメリカン航空の親会社AMRは20日、22年までに旅客機460機を導入すると発表した。
総額400億ドル(約3兆1500億円)規模の巨額契約の発注先が注目されていたが、結果はボーイングの200機に対しエアバスは260機。エアバスの機体はこれまで1機もなかったが一気に挽回した。
ボーイングの1~6月期の受注は171機とエアバスに水を開けられた。A320に新顧客をさらわれた格好だ。ライバルの737型機はA320の約20年前の設計で、燃費性能などで見劣りする。
ボーイングは737を改良するか、コストはかさむが新機種の開発に着手するか、経営選択を迫られそうだ。
【パリ=古谷茂久】欧州エアバスの民間航空機の受注が好調だ。2011年1~6月の純受注機数は640機となり、昨年1年間の受注を半年で上回った。小型機投入が奏功、貨客需要が急拡大するアジアなど途上国・新興国を中心に大量発注が相次いでいるためだ。
新型機の投入遅れなどが響き、新たな優良顧客取り込みに出遅れた感があるボーイングに大きく先行した形だ。
民間機市場は金融危機の影響で08年から急速にしぽみ、09年には両社の合計受注機数は07年のピーク時の85%減まで落ち込んだ。10年から市場は回復基調に転じている。
中印が大口発注
上半期のエアバスの大量受注を支えたのはアジアの格安航空会社(LCC)だ。1月にインドのLCCインディゴが18O機の小型機A320を発注。6月にはマレーシアのLCCエアーアジアがA320の改良型を200機注文し、中国の航空機リース会社も88機のA320を発注した。
世界の航空機市場で主要な買い手はアジアのLCCとなっている。こうしたLCCは燃費の良い小型機を選ぶ傾向が強く、エアバスのA320がその受け皿となっている。
同社によると09~28年の民間機需要の3分の1はアジア太平洋地域が占める。エアバスはアジアを中心としたLCCをターゲットとした開発戦略を進めており、昨年は燃費の良いエンジンを搭載した小型機A320ネオを市場投人した。
エンダーズ最高経営責任者 (CEO)は6月「A320は真のベストセラー機となった」と語った。
米市場も開拓
エアバスはボーイングの牙城である米国でも顧客の開拓を精力的に進める。
米航空大手アメリカン航空の親会社AMRは20日、22年までに旅客機460機を導入すると発表した。
総額400億ドル(約3兆1500億円)規模の巨額契約の発注先が注目されていたが、結果はボーイングの200機に対しエアバスは260機。エアバスの機体はこれまで1機もなかったが一気に挽回した。
ボーイングの1~6月期の受注は171機とエアバスに水を開けられた。A320に新顧客をさらわれた格好だ。ライバルの737型機はA320の約20年前の設計で、燃費性能などで見劣りする。
ボーイングは737を改良するか、コストはかさむが新機種の開発に着手するか、経営選択を迫られそうだ。