文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

日本の時間、世界の時間。
The time of Japan, the time of the world

IASB議長の最後の言葉…日経新聞7月5日15面より

2011年07月05日 16時35分56秒 | 日記
編集委員 小平龍四郎   文中黒字化は芥川。
   
2001年に発足した国際会計基準審議会(IASB)の初代議長、デービッド・トウィーディー氏が6月末に退任した。任期の10年間はどうだったのかと尋ねると、スコットランドなまりの会計士は開口一番に語った。

「国際会計基準(IFRS)は我々が思っていたよりもずっと大きな範囲に広かっていった。本当に驚くべきことだ」

…中略。

トウィーディー氏の任期中に、世界の資本市場の形勢は大きく変わった。01年には世界の上場株式時価総額の約半分を占めていた米国は、今年5月現在でその割合が30%強に下かっている。

かわって15%程度たったアジア・太平洋地域が30%強と欧州を上回り、米国に肩を並べた。アジアの勢いを意識して、初代議長は最後に言った。「IASBは組織としてはまだ若い。これからは日本やアジアの声をもっと届けてほしい」。

「(国際会計基準への) 一丸となった意見発信を強化していく」(経団連)という日本企業の声とも、折り合いがつけられる内容だ。


…中略。

国際会計基準への異議は、外に向かって言い続けるほうが建設的だ。

…中略。

国際的な会計基準づくりに直接ものを言うパイプをどう維持するか。そうした戦略を考えることも、企業会計審で論点の1つになっていくのだろう。

…後略。

三越伊勢丹苦戦 大阪駅 売上高ルクア下回る…朝日新聞7月5日9面より

2011年07月05日 16時22分14秒 | 日記
大阪ステーションシティに5月4日に開業した百貨店「JR大阪三越伊勢丹」の6月の売上高が、同時に開業したファッションビル「ルクア」を下回った。

ルクアの売上高が約31億円に達した一方、売り場面積が2倍以上の三越伊勢丹は約29億円にとどまった。
5月に続いて目標に届かず、苦戦ぶりが浮き彫りになった。三越伊勢丹とルクアが4日、明らかにした。

三越伊勢丹の売り場面積は約5万平方メートル。一方のルクアは約2万平方メートルで半分以下だ。開業直後の5月こそ、三越伊勢丹が約42億円で約38億円のルクアを上回ったが、開業後2ヵ月で早くも規模の優位性を逆転された格好だ。

三越伊勢丹はブランド別の売り場を少なくし、バイヤーが選んだ商品を集めて販売する「自主編集」の売り場の広さが特徴だ。この持ち味が裏目に出たとの見方も出ている。

ライバル店幹部は「関西の消費者はブランド品を好む。どこに、どのブランドがあるか分かりにくい売り場では買い物しにくい」という。特徴ある店作りの背景に、ライバル店の戦略があったという指摘もある。

百貨店関係者は、ライバル店が三越伊勢丹を迎撃するため、「既に取引がある海外の高級ブランドに、三越伊勢丹への出店を抑えるよう求めたようだ」と明かす。

ただ、高級ブランドがないのはルクアも同様だが、2ヵ月間の来館者数は、ルクアの約920万人に対し
て、三越伊勢丹は約780万人にとどまっている。

三越伊勢丹は売上高の年間目標を550億円としているが、開業後2ヵ月間で目標額の約13%にとどまる。一方で、ルクアは年間目標の250億円に対し、3割近くを記録。勢いの差は歴然だ。
(笹井継夫)

コメ先物復活 シカゴより100年早く…日経新聞7月5日31面より

2011年07月05日 16時06分25秒 | 日記
元祖・堂島、けん引役狙う
参加者拡大へPR躍起


…前文略。

コメ先物取引とは将来の価格をあらかじめ決めて売買する取引。生産者は田植え前に先物市場で売値を決めておけば、収益を確定できる。

食品メーカーは買い付けておけば、コメが高騰してもあらかじめ決めた価格で受け渡し可能な銘柄のコメを調達できる。投資家は買って値上がりした時点で売りを出せば差額が利益になる。

先物取引の始まりは江戸時代の大阪・堂島にさかのぼる。諸藩が徴収した年貢米が集まり、取引が活性化。その中心が現在の大阪・北区の繁華街に近い堂島で、堂島米会所(取引所)と称されていた。

江戸幕府も享保15年(1730年)に大阪でのコメの現物取引と、将来の価格を想定して売買する先物の取引を公式に認めた。当時のコメ先物は将来の3時点の価格を取引していたとみられる。

先物取引の歴史としては米シカゴ市場よりも100年余り古く、堂島がデリバティブ取引発祥の地とも言われる。昭和に入って戦時色が強くなるとコメ先物取引への規制が厳しくなり、1939年に日本から姿を消した。

電力・物流・進出の壁 日本企業 改善に期待…7月5日8面より

2011年07月05日 15時56分42秒 | 日記
12億の人口を抱えるインド市場。進出する日本企業も急増中だが、未整備なインフラに悩むケースも少なくない。インフラ投資倍増策に電力不足の改善や物流網の拡充を期待する声も出ている。

インド日本商工会は283社の加盟社数を数える。だが、加盟社数が2004年に100社を超えるまで約50年かかった。日本貿易振興機構(JETRO)の「在アジアーオセアニア日系企業活動実態調査」

(10年度版)によると、インド進出の際の問題点として、半数以上の企業が「電力不足・停電」と回答。製造業は電力と物流インフラの不足を二大要因に挙げている。

チェンナイのある日系メーカーは大型トラックに対応できていない道路と渋滞で製品の配送時間を短縮できないと嘆く。路面の悪さで搬送中に製品がこすれ合い、傷付く例も出た。

頻発する停電対策として巨大な自家発電機を設置したり、工場用水を補うため、雨水をためるタンクを置いたりする企業もあり「インフラを補うコストが、事業採算を圧迫する」との不満が広かっている。
(ニューデリー=岩城聡)

インフラ整備 インド、5年で1兆ドル…日経新聞7月5日1面より

2011年07月05日 15時27分32秒 | 日記
GDPの10%半分は民間資金 日本勢 電力・鉄道に重点

文中黒字化は芥川。

【ニューデリー=岩城聡】
インド政府は2012年4月からの第12次5ヵ年計画で、インフラ整備に前の5年間の投資額の2倍に当たる1兆ドル(約80兆円)を投じる。
政府計画委員会(委員長・シン首相)は投資額の約半分を民間で賄う考えで、日本企業の参加も期待する。

発電部門に最大の3割を振り向けるほか道路・鉄道、農村部のネット環境など新興国の中でも遅れが指摘されていたインフラ整備を加速する。

…中略。 

道路整備では、日本政府が資金援助するニューデリーームンバイ間(約1500キロメートル)の貨物専用鉄道の完成やニューデリー、コルカタ、ムンバイ、チェンナイの4都市を東西、南北に結ぶ道路を「最優先」と位置付けた。

インフラ整備加速策は関連事業を手掛ける日本企業の商機を生みそうだ。日立製作所は現地企業と組んで火力発電設備である蒸気タービン・発電機とボイラーの2合弁会社を設立しており、合計500億円を投じて新工場を建設する。

ニューデリーームンバイ間の貨物鉄道では川崎重工業の車両納入が有力視されており、三菱重工業は11年度中に環境・化学プラント建設の営業・設計を請け負う現地子会社を設立する考えだ。

ただ、インドでは土地の権利関係の不透明さや住民運動が土地収用を妨げるケースも少なくない。政策変更のリスクもあり「長期の視点で事業を展開するのが不可欠。海外大手や地元資本など有力パートナーと組むのも一手」(大手商社)となりそうだ。


アルワリア氏は経済成長率について今年度(11年4月~12年3月)は8・25~8・5%と予測した。ただ、印経済が減速傾向にあるとの見方は否定し、第12次計画期間の成長率は「平均9%」で、最後の16年度には「10%に達する」とも指摘。

物価上昇率を5~6%に抑える考えも示し、原油や天然ガスの輸入依存回避へ、近海の天然ガス田開発の加速も計画に盛り込む。

不思議な縁…日経新聞7月5日36面

2011年07月05日 15時17分07秒 | 日記
梅沢 敏徳(うめざわ・としのり=丸紅紙パルプ販売社長)

丸紅に入社して以来、今日まで一貫してご指導を仰いでいる方がいる。昭和パックス元社長の宇田徳之助さんで、今は相談役をされている。

入社当時は昭和製袋工業(現昭和パックス)の営業担当。入社して間もない頃「商社マンはゴルフをするもんだ」と大丸で20万円のスポルディングのフルセットとバッグ一式を買わされた。

仕事のお付き合いがとだえて何年かした頃、銀座の行きつけのスナックで飲んでいると、宇田さんが入ってこられた。宇田さんも常連であった。

数年後、同郷の美人シャンソン歌手のコンサートを渋谷まで聴きにいくと、花束を持った宇田さんに出会った。何年も彼女の追っかけをしているとのことで、以来時々3人でお酒を楽しむ。

ほかにもスペシャリストの契約社員を雇ったら後で宇田さんの甥っ子であることがわかるなど不思議な縁で結ばれていて、「まさか赤い糸が」と思わず小指を見つめてしまう。

歌うのは英語の歌、食べるのはB級料理。豪快な人生を送られ、何かあってもぶれない物差しをお持ちで、強い日本の復活をともに願う。

年は10歳も離れているが、私の見かけが老け込み、最近は「同窓会の流れだ」といって店に入っても誰も疑わないのがシャクである。

初恋のように出会ったのである。…日経新聞7月5日36面より

2011年07月05日 15時01分27秒 | 日記
私の履歴書 勉強嫌いに涙の大喝
学びの気風、演劇に出会う
  
小田島 雄志(東京大学名誉教授)   文中黒字化は芥川。

昭和21年(1946年)9月、旧満州(中国東北部)の葫蘆島から船出して博多に上陸、各駅停車の引き揚げ列車で東京に着いた。途中、広島を通るとき窓は完全に目隠しされた。「新型爆弾」の噂は大陸にも届いていたので、全員押し黙ったままだった。

横浜・鶴見の伯母の家の8畳一間に、一家5人置いてもらった。父は職探し。母は父の親類の家で遠慮がちに家事。姉は女子大を休学して会社勤め。妹は近くの小学校1年生。そしてぼくは、都立の某有名中学に転入を申し込みに行ったが、校長はこちらの話はまったく聞かずに、「不可能です」と冷たく、にべもなく、言い捨てた。

そのうんざりするような口調で、ぼくは初めて気がついた。親類たちはあたたかく迎え入れてくれたが、内地の人たもの本音は、「なにもかも失った日本に帰ってくるとは迷惑な!」だったようである。

父はいろいろ調べて、当時大森海岸にあった小学校の焼け跡を借りていた都立大森中学に連れて行ってくれた。

ここの校長は、1年間ブランクがあったので3年生からやりなおしたい、というぼくの希望をおさえ、「3年生は定員いっぱいだが、この塾の成績証明書があるから4年生に転入できるよ」と受け入れてくれた。

そして一高で父の2年後輩とわかると、2人で一高対三高の野球試合のことを夢中になってしゃべり出した。22年、5年生になった。担任は五十嵐明先生。先生との出会いがなければその後のぼくはなかった。父は依然として定職がなく、休学中の姉の給料が頼り。

ぼくも日曜は道路工事、夏休みは工場の石炭運びのバイト。その状況で受験勉強するのがいやになり、中卒で働きに出ようか、と級友に相談したら、先生に伝わったらしい。

日記によると、9月29日、休み時間に先生が教室に飛び込んできた。「この中に勉強するのがいやになった、と言ってるヤツがいるそうだ。だが人間、生きてるかぎり毎日毎日が勉強なんだ。勉強がいやなヤツは生きてる意味がない。そんなヤツはおれがたたき殺してやる。

おれに殺されてくやしかったら、地獄の底から化けて出てこい!」。血を吐くような声でそう叫ぶと、先生はボロボロと涙を流した。頭をあげられずにいたぼくから迷いが消えていた。

京大哲学科出身の五十嵐先生は、「聞きたいものだけ聞け」
と、放課後のゼミを始めた。デカルトの「我思う、故に我在り」とか、「歎異抄」の親鸞のことばなど、理解したとは言えなくても、ぼくたちは強い刺激を受けた。

すると英語の小田幸雄先生は、授業開始前の時間に、ワーズワースやシェリーの英詩のゼミを開いてくれた。そのような大森中の気風を育てたのが浅野時一郎校長だった。先生はのちに『私の築地小劇場・正続二巻』を上梓された芝居好きでもあった。

23年正月、朝礼のときに、「いま有楽座で島崎藤村の『破戒』を芝居にしてやっているから見るといい。切符代のないヤツはおれがポケットマネーで半額出してやるよ」とおっしやった。

ぼく(だけだったらしい)は素直に半額出してもらって、1月22日に、見た。宇野重吉の丑松、滝沢修の猪子蓮太郎、山口淑子のお志保……。

ぼくは演劇に「出会った」。初恋のように出会ったのである。 

中国、投資で先行…日経新聞7月5日9面より

2011年07月05日 14時36分01秒 | 日記
【北京=多部田俊輔】
アフリカに残された投資案件は事業効率性の低さに加え、現地の政情不安などから欧米企業が開発に二の足を踏んできたものが多い。新興国は拡大する国内需要に応えるため、リスクはあってもアフリカ投資にのめり込まざるを得ない。

中国は新興国でも早くからアフリカで大型投資を繰り返してきた。中国国有石油大手の中国石油天然気集団(CNPC)は政情不安が指摘されるスーダンやリビアなどで、中国石油化工集団(シノペックグループ)はアンゴラやナイジェリアなどで油田開発を手がけている。

中国の原油輸入元の約4分の1はアフリカが占める。中国政府の統計によると、アフリカに対する直接投資は2007年に15億ドルとなって初めて10億ドルの大台を突破。08年には55億ドルまで急増した。

金融危機の影響やアフリカ諸国で中国進出に対する警戒感が高まったことを受け、09年には14億ドルに減少。10年も10億ドル程度だったとみられる。

ただ、最近は政情不安のリスクや収益性を勘案し、欧米企業と共同で投資する動きも広がっている。中国アルミが英豪系資源大手リオ・ティントとギニアで鉱山開発を始め、中国海洋石油総公司(CNOOC)は仏トタルと共同でウガンダの原油開発に乗り出した。

インドでは鉄鋼大手夕夕製鉄のネルールカール社長は6月末、地元記者団に、鉄鋼の副原料、クロム鉄の鉱山を南アフリカで買収する計画を表明。またインドのジャイパル・レディ石油・天然ガス相は今春、国営ガス会社GAILなどを通じ、石油や天然ガスの権益をナイジェリアで取得する構想を明らかにした。

 印政府は昨年、アフリカで農地を買収する企業には資金面で支援する方針も発表、印国内で不足するエネルギー関連資源や食糧をアフリカ大陸から調達したい意向を随所で示している。

新興国、アフリカ資源争奪…7月5日9面より

2011年07月05日 14時29分37秒 | 日記
ブラジル ヴァーレ 炭鉱に1300億円投資
高成長維持、需要に備え


新興国によるアフリカの石油や石炭など資源獲得競争が激しくなってきた。先行する中国をインドが追いかけ、ブラジルも大型投資に乗り出している。

いずれも高い経済成長を支えるエネルギー・資源を確保するのが目的だ。アフリカには欧米のエネルギー・資源大手企業が残した案件が多く、後発の新興国企業が狙いやすい面もある。

【サンパウロ=檀上誠】ブラジル企業によるアフリカ諸国への投資が加速している。資源大手のヴアーレは10月にも、約17億ドル(約1360億円)を投じてアフリカ南東部モザンビークで開発中のモアティゼ炭鉱からの石炭輸出を本格化する。2012年には年間630万トンの産出を見込む。

ブラジルでは鉄鋼原料の一つである石炭は産出しない。国内の鉄鋼産業の需要に対応するために石炭資源の確保が課題となっていた。またヴァーレは鉄鉱石と石炭の両方を産出する豪州勢と比べ、顧客の鉄鋼メーカーに対する原料の一括供給では不利な立場だった。

さらに同社は南アフリカの鉱山会社、メトレックスに対して11億ドルで買収を提案した。年間5万トン程度の生産能力がある同社の銅資源の確保が狙いで、銅生産の拡大を目指す長期目標に沿った買収計画。メトレックス側の株主は今月、買収の諾否を決める。

一方、ブラジル国営石油会社のペトロブラスは6月、アフリカ西岸のガボン沖で、海底油田2鉱区の権益をそれぞれ50%取得した。今後12年3月まで地質を調査して事業化の是非を決める。

アフリカ西岸はブラジル沖と地質的に類似点が多いとみており、2月にもペナン沖で鉱区を取得した。、同社のアフリカ事業は1979年のアンゴラ進出がきっかけた。現在はナイジェリアでも油百運営に参加、ナミビアでも鉱区を取得済みだ。

建設大手のオデブレヒトはアンゴラでの事業に力を入れている。低所得者向け住宅整備計画に参加して建設部分を担っているほか、サトウキビを原料とするバイオエタノール生産の子会社の同国進出も検討している。

ブラジルはポルトガル語を公用語にするが、アンゴラ、モザンビークなどアフリカでもポルトガル語を使う国は多い。言語や歴史的なつながりから、ブラジルの経済が安定した2000年代に入り、経済支援などの関係が進展した。

特に飢餓撲滅を掲げるルラ前大統領が関係を重視したこともあり、日本と共同でモザンビークのサバンナ地帯の農業開発に取り組むなど支援を強化している。

ブラジルとアフリカ諸国の間の貿易額は05年から10年の間に63%膨らんだ。

経営者の目(1)…日経新聞7月4日18面より

2011年07月05日 14時00分59秒 | 日記
原料価格乱す投機規制を  杉森一太・日本冶金工業社長

原料価格の乱高下が続いているが、もう少し穏やかに鋼材価格に反映させる仕組みが必要ではないか。最終価格が目まぐるしく変わるのは望ましいことではない。また原料価格が上昇する局面では製品価格の値上げが追いつかず、原料が下がると製品も下がる。

各社とも採算性が悪化しており、各社・各業界が対応を考えなければならない時期にきている。実需とは関係なく市場のかく乱要因となる投機的な動きも規制すべきだ。

復興需要は立ち遅れ 天坊昭彦・石油連盟会長

震災以降、増産で被災地向け供給を増やしたが、需要減は続き、輸出などで在庫を適正化している状況だ。火力発電所向けの原油・重油需要の増加には応えられている。2次補正予算の遅れで、復興需要が年内に立
ち上がる可能性は低い。

自動車をはじめ様々な産業の稼働率が低下し、上半期の景気は厳しい。ただ、海外には需要自体はある。産業の供給体制が戻る下期以降は景気も徐々に回復すると期待している。

投資、新たなモデルを 川名浩一・日揮社長

日本企業の存在感が小さくなっている。プラント事業を見ても、入札で日本企業が出てくることが減ってきた。新興国への投資はどんどん伸びるので、日本企業がその流れをけん引できるようにならないといけない。

今後のプラント企業は事業投資を通じて立案や計画段階からプロジェクトに入っていく時代だ。自分たちが建設に携わらなくても、運営者としてそれをマネージするというビジネスモデルを追求したい。

国内製造業に安心感を  横山元彦・ジェイテクト会長

ひと月の受注が1000億円を超えてから業界では横ばいの状況が続いている。もう一段上向くには顧客の国内製造業に、先行きへの明るさを感じてもらわないといけない。電力問題や為替、自由貿易のしやすさの3
点でしっかりとした政策が必要だ。

受注に対するマイナス要素は現段階では見受けられない。北米は自動車や建機向けが安定的に伸びており、中国の金融引き締めについても大きな心配はしていない。

在庫への考え方変わる  岡田晴基・富士通ゼミコンダクター社長

半導体は持ち直している。当社は東北5工場が被災したが、6月初旬に出荷量が震災前水準に回復した。必要部材も確保済みだ。車載や電子機器向けは上期に生産量が減った分、需要は大きい。

震災で在庫への考え方が変わりそうだ。極力減らすべきだという従来の考え方から、安全在庫をある程度持つ流れになる。完成品・部品企業が役割分担し、物流ルートのなかで在庫を一時ためておく機能などを検討することになるだろう。

「通信はインフラ」確認  田中孝司・KDDI社長

東日本大震災では携帯電話やインターネットの交流サイト(SNS)が存在感を示した。通信は社会のインフラということが改めて確認された。

足元ではスマートフォン (高機能携帯電話)の売れ行きが好調で、年間の販売計画を上回る勢いとなっている。夏商戦向けの新製品ではより使いやすい機能が増え、一般顧客層の購入が期待できる。

近い将来、携帯電話のかなりの部分がスマートフォンに切り替わると見ている。

高耐震性ビル、避難場所にも…7月5日11面より

2011年07月05日 13時46分23秒 | 日記
森トラスト 森社長

▽…東日本大震災を機に、都市の防災機能向上を目指す動きが強まっている。大型ビルで自家発電機や蓄電池の導入が増え、古いビルの建て替えを急ぐ企業も多い。森トラストの森章社長はこうした流れを踏まえ「地震が起きたら、すぐ建物の外に出るという常識は必ずしも正しいと言えなくなる」と指摘する。耐震性が高く自家発のあるビルなら安全だからだ。

▽…同社も仙台市に持つ大型複合ビルの自家発設備を増強した。「一時的な避難場所として安全性の高いビルの果たす役割は大きい」と考えるからだ。この動きをさらに加速するため「民間の投資を促す誘因づくりを政府は急ぐべきだ」と力説していた。

全日空 ボーイング「787」投入へ…日経新聞7月15日11面より

2011年07月05日 13時34分57秒 | 日記
国際線強化、成長の柱に
燃費2割、距離3割改善 収益力向上図る


全日本空輸と米ボーイングは4日、最新鋭中型旅客機「787」を羽田空港で公開した。従来機767に比べて燃費が2割、航続距離が3割向上。

中型機ながら大型機でしか飛べなかった長距離路線が飛べるのが特徴だ。他社に先駆けて導入する全日空は国際線強化を打ち出しており、787の投入で路線網の拡充と収益力の向上を図る。

ボーイングは787を全世界で835機受注。うち55機は全日空が発注、8~9月に1号機を受け取り、9月以降、国内線に就航させる。

今年度の導入は14機、来年度に10機。「前例のないペース」 (全日空関係者)で現行機の767から置き換えを進めるのは、787が軽量高強度な炭素繊維複合材料を採用したことで低燃費を実現したからだ。

全日空は767がすべて787に置き換われば「燃料費だけで年100億円規模の削減」と試算する。
さらに747が標準で500席前後なのに対し、787は200~300席。

「大型機では採算の合わなかった路線も飛ばせ、チャンスが広がる」と全日空の伊東信一郎社長は言う。伊東社長は「初便は羽田から岡山か広島に飛ばしたい」と述べたが、本命は国際線だ。

国内線の需要が少子高齢化で頭打ちとなる中、全日空は国際線を成長の柱と位置付けている。成田空港や羽田空港の発着枠が拡大する2015年度までに国際線の売上高を5000億円に倍増させ、国際線で稼ぐ体制にする方針。

カギを握るのは航続距離が長く、低燃費の787。伊東社長は「今年度中に(これまでの中型機では飛べなかった)欧州か米国東海岸への就航を目指す」とし、同機を使って国際線を充実する方針を示した。

787の導入はライバルの日航も計画している。10~12月に1号機を受け取り、年度内に計5機程度を導入。来春には成田-米ボストン線を開設、787が就航する。

「全日空もボストン線を検討していたが、日航に先を越された」。全日空のある幹部はこう明かす。
787を使った国際線の拡充で、全日空と日航のつばぜり合いはすでに始まっている。

川重 中国の鉄道特許 違反あれば対応…日経新聞7月5日11面より

2011年07月05日 13時24分16秒 | 日記
中国鉄道省が川崎重工業などから技術供与を受けた高速鉄道の特許を米国など5力国・地域で出願した問題で、同社の大橋忠晴会長は4日、神戸商工会議所会頭としての定例記者会見で「出願した特許が、日本と中国の間で契約したものに違反するのであれば、何らかの対応を取る」と話した。

ただ、現時点では詳細が不明なため「冷静に見守る必要がある」とも述べた。

中国の対応については、大橋会長は「世界の大国になる国として、大人の国になってほしい」と発言した。

住生活G 伊建材大手を買収…日経新聞7月5日11面より

2011年07月05日 13時16分25秒 | 日記
700億円 世界規模の販売網構築

住生活グループがイタリアの建材大手、パルマスティーリザを買収することが4日明らかになった。パルマ親会社の投資ファンドから株式の大半を取得して経営権を握ることで基本合意しており、買収額は約6億ユーロ(約700億円)となる見込み。

住生活の海外M&A(合併・買収)としては過去最大となり、M&Aで海外事業を拡大させる経営戦略を加速させる。住生活は8月中にも売買契約を結び、外壁材で世界規模の販売網を確保する狙い。

パルマは「カーテンウォール」と呼ぶビル外壁材の大手。欧州各国のほか、中国、タイ、インドなど27力国に営業拠点を持ち、売上高は約10億ユーロ(約1170億円)。日本市場でも大阪証券取引所ビルなどで同社の外壁材が採用された実績がある。

住生活は2016年3月期を最終年度とする5ヵ年の中期経営計画で、連結売上高を前期の2・5倍の3兆円にする目標を掲げた。このうち海外事業は1兆円を目指す。M&Aを軸に建材や住宅設備機器の事業規模を拡大する戦略で、パルマ買収はその第1弾となる。

住生活は昨年、中国の外壁材メーカー、上海美特幕墻を買収。韓国ではLGグループとはカーテンウオールの合弁生産を始めている。

世界の外壁材市場は経済発展に伴ってビル建設需要が拡大する新興国を中心に拡大が続いている。住生活はパルマ買収で中国、韓国以外の地域での供給体制を整える。

首相の勘違い 大機小機…日経新聞7月5日17面より

2011年07月05日 12時35分15秒 | 日記
*文中黒字化は芥川。

菅直人首相は重大な思い違いをしているようだ。
第一に「首相は何でもできる」という妄信である。首相がこの言葉を口にするのを聞いた人は、その無邪気な権力観に驚かされる。かつて多くの首相は、政界の最高ポストに登りつめても、思うように事が運ばない権力の限界に思い悩んだ。

周りは敵だらけで、隙をみせれぱ跡を襲おうと狙っている。人事ひとつをとっても、無理を通せば敵を増やすだけだから、周到な根回しが必要だ。世論の支持率を気にするのも、それが政敵から身を守る重要な要素だからである。

市民活動から身を起こした菅首相は、その種の権力から最も遠かったからこそ「首相」というポストには無限の力があるのだと、素朴に思い込んでしまったのかもしれない。2番目に「思いつき政治」とも「食い散らかし政治」ともいわれる大衆迎合スタイルだ。

首相は小泉純一郎氏が5年にわたって政権を維持したのは「サプライズを起こしてみせたから」だと信じているという。
ただ、小泉氏の郵政民営化には持論として長い歴史があるし、パワーゲームの要素は当然あったにせよ、結果として実現した。

昨今、首相は小泉氏の「郵政解散」をまね。「脱原発解散」に打って出るという風聞があるが、プロのマジックショーと、素人の宴会芸は全く違う。

3つ目の誤信は「首相を辞めさせるには、内閣不信任決議案を可決させるか、自ら辞めると言わせるかのいずれしかない」とする論理だ。とりあえず今国会では、「ペテン師」「うそつき」呼ばわりされながらも不信任案をしのいだ。自発的に辞めさえしなければ政権は続く、と独り合点しているのではあるまいか。

この自分勝手な思い込みが許されるのは、未曽有の大震災にもかかわらず、政争に明け暮れている場合ではないとみる国民感情があればこそである。それは何も進まない政治への失望であり、菅首相を支持しているのではない。

さらに、あきれたり批判したりしながらも、首相の居座りを傍観しているだけとしか思えない与野党の政治家の責任も重大だ。

確かに菅氏が首相の座を射止めたのは、鳩山由紀夫政権の間、何もせずにじっと待ったからである。待てばいいことがある、と考える政治家ほど、無用な存在はない
。(蜻蛉)