文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

日本の時間、世界の時間。
The time of Japan, the time of the world

「藻」でエネルギー革命(3)…AERA7月25日号より 

2011年07月18日 16時29分53秒 | 日記
編集部 佐藤 章  文中黒字化と*は芥川。

 年2億トンの石油生産

この培養装置を広さ1ヘクタール、深さ1メートルの規模で作れば、4日ごとに収穫する計算で年間約1千トンの石油が取れる。さらに収穫時間を4時間に倍加する連続生産システムを構築すれば、年間1万トン以上生産することができる。

日本の石油輸入量は現在約1・9億トン。霞ヶ浦ほどの面積の2万ヘクタールあれば2億トンの石油が生産できる。農林水産省の調査では全国の耕作放棄地は約40万ヘクタール。

このうち5%の放棄地を培養施設に充てれば、日本は自らの石油需要をまかなうどころか、石油輸出国に変貌する計算になる。

藻類石油の研究は、米国では軍産複合体制の上に、わかっているだけで1500億円もの予算がつく。日本はその100分のIだ。米国からの誘いもいまや間接的に渡邉氏にかかる

しかし、渡邉氏は、あくまで日本で研究を続けることを決めている。宮城県丸森町出身の同氏は、東日本大震災以後、その決意を固くした。耕作できなくなった東北の被災地に「藻類バイオマス・ファーム」を作ることができないか、と考えている。

「究極にはエネルギー問題の栓桔から人類を解放したい。そのモデルを被災地からスタートさせたいのです」
こう話す渡邉氏は、10年以内に実用化したいとしている。

研究は政界でも当然、注目されている。民主、自民両党とも強い関心を抱いており、科学技術・イノベーション推進特別委員長の川内博史衆院議員は、「根本的に見直すエネルギー基本計画の中にしっかりと組み込んでいきたい」と話している。

「黄金色の壷」は、実現性のない核燃サイクル事業などに莫大な予算を充て続けてきた歴代政権の姿勢を根底から問い直している。    

*孫正義よ、これが本当の国士というものであって、「日本は犯罪者だ、日本の原発は駄目だが、韓国の原発は良い」等と、戯けた二枚舌を使う様な、君が、東北の復興だ等と、しゃしゃり出てくる必要は全くないのだ。

芥川は、東北人として、君を軽蔑し、東北が君の商売の種にされる事など断固拒絶する。

独り善がりの政治手法…本物のジャーナリズムseries。7/20号、ニューズウィークから。

2011年07月18日 16時00分48秒 | 日記
横田孝(本誌編集長/国際版東京特派員)、長岡義博(本誌記者) 文中黒字化と拡大は芥川。

政策面でもそれまでは消費税増税には消極的だったのに、財務官僚に取り込まれたかのように増税論者に転じた。とはいえ、官僚を使いこなす政治家に変身できたわけではなく、震災と原発事故後は、外部の専門家を自らの周囲に集めて会議を乱立させ、無用の混乱を招いた。
 
その政治手法はオープンさのかけらもなく、独断的で場当たり的だ。先週の原発ストレステスト騒動が最たる例だ。5月に中部電力の浜岡原発の稼働停止を要請した際、菅は自分の手柄としてアピールしたが、その一方で九州電力玄海原発の再稼働をめぐってほとんど発言せず、海江田経産相に丸投げした。
 
地元が苦渋の決断で同意し、再稼働に前向きだった佐賀県の古川康知事が面会を求めても応じようとせず、揚げ句の果てには突然すべての原発に対するストレステストをぶち上げた。海江田のそれまでの努力は水泡に帰し、玄海原発の再開は見通しが立たなくなってしまった。
 
2次補正予算、特例公債法案と並んで退陣3条件の1つとする再生可能エネルギー買い取り法案も同じだ。「顔を見たくないならこの法案を早いとこ通せ」とはしゃぎながら与野党の議員を恫喝したその姿は、到底国民や議会を尊重しているようには見えない。

昨年、自らが語った「熟議の国会」という言葉がむなしく響く。民主主義とは、菅が言う「期限を切った独裁制」ではないはずだ。
 
仮に「脱原発」を実現するために続投し続けたいのならば、まともな首相ならビジョンや具体策を明確にした上で国民と国会への説得を試みるだろう。しかし、首相として何を実現したいのかを示さず、退陣時期を曖昧にし、あらゆる政治決断を宙に浮かせているのが今の菅だ。


その姿は、民主主義国家・日本の宰相というよりも、曖昧な合意を取り交わして開き直り、核問題の進展を遅らせようとする北朝鮮の外交官のようだ
 
詰まるところ、菅は2大政党の一翼を担う民主党の価値観に泥を塗り、政権交代に懸けた国民の期待を踏みにじったに等しい

民主党はもともと、自民党政治を終わらせるという目的のために結集した寄せ集めの集団だったが、結束し続けられたのはマニフェストや政治主導といった価値観があったからだ。

だが今の民主党は、自民党政治よりも不透明で党利党略で動き、政策をないがしろにしている

 
民主党を民主党たらしめた価値やビジョンがここまで骨抜きにされれば、党としてこのまま結束し続けられるかどうかも疑わしい。2大政党制が定着すること自体も危ぶまれる。

「藻」でエネルギー革命(2)…AERA7月25日号より

2011年07月18日 15時47分59秒 | 日記
編集部 佐藤 章

*今週号のAERAには読み応えのある記事が多いのである。

…前章からの続き。

「黄金色の壷」沖縄で

一方、世界的には藻類の油脂成分から石油ができることが知られていた。このため、1970年代、80年代の石油ショック後に、藻から石油を作る研究が国際的に広がった。しかし21世紀に入るころから原油価格が安定、研究はほとんど中断された。

渡邉氏が藻類石油の本格的な研究に入ったのは2004年から。ボトリオコッカスという藻類の油脂成分から石油を作ることを考えた。この藻は油脂を作る能力が高く、その油脂はほとんど重油に相当する成分だ。

しかし、培養に時間がかかるため、既存重油の生産コストが1リットルあたり50円なのに対して、800円もかかってしまう。
コストを下げるには生産効率を高めなければならない。そのために渡邉氏は日本中の海に新たな藻類を探しに出かけた。

「勝利の女神が微笑んだのです。微笑みを得るには入念な準備が必要だったのですが」
院生時代に培った博物学的な知識をはじめ長年の藻類一筋の研究生活が役に立った。フィールドワークの経験や、渉猟した文献から、渡邉氏は沖縄の海に目をつけた。

熱帯か亜熱帯海域に、石油生産に最適な藻類が存在するにちがいない。渡邉氏はそう直感していた。
08年10月から渡邉氏は、科学技術振興機構(JST)のCREST事業に参加し、藻類エネルギー技術開発プロジェクトチームを組んだ。

翌年、渡邉氏のチームは沖縄の海から200株もの藻類を採取した。分析を進め、顕微鏡のレンズ越しに出合ったのが、オーランチオキトリウムだった。ギリシヤ語で「黄金色の壷」という意味を持つこの藻は、スクアレンという上質の石油成分を作る。その量はからだの20%を占める。渡邉氏が探していたのは、この「黄金色の壷」の中の「変わり者」だった。

 36倍の増殖スピード

スクアレンというのはどんな生物でも持っている油脂成分。人間の場合、青少年が背中にかく冷や汗の40%ほどがそれに当たると言われている。普通、そのスクアレンは別の物質に変化して跡をとどめない。

ところが、渡邉氏の発見した「変わり者」のオーランチオキトリウムの場合、このスクアレンを変化させずに、そのまま体細胞の中に蓄積する代謝構造を持っていた。これを化学的に抽出すれば、上質の石油成分を得ることができる。

しかも、オーランチオキトリウムの増殖スピードはきわめて速い。ボトリオコッカスに比べて石油生産量は3分の1だが、増殖スピードは36倍。つまり、その石油生産幼率はボトリオコツカスの12倍に相当する。このため、生産コストは、ほとんど収油に対抗できるだけの水準にまで下がることがわかった。

オーランチオキトリウムは光合成ではなく、有機物を取り込んで成長するため、低コストの培養を考えて有機排水を活用する。家庭雑排水やし尿、産業排水などに、溶解する有機物を入れておき、そこにオーランチオキトリウムを投人する。

藻類から石油を生産する第1段階はこれで終了。さらに第2段階として、窒素やリンの残った処理水にボトリオコッカスを投人する。窒素やリンはボトリオコッカスの栄養源となるため、最後まで石油生産に貢献し、水処理まで同時にできるわけだ。

…後略。

以前に、藻からエネルギーについての記事を紹介した訳だが…

2011年07月18日 15時20分23秒 | 日記

「藻」でエネルギー革命(1)…AERA7月25日号より
これで日本も石油輸出国に
我が国を縛り続けてきたエネルギー問題が解決し、ついに石油輸出国に転じる。
原発事故に苦しむ日本で、こんな画期的な研究が進行中だ。


編集部 佐藤 章

「日本は明治以来エネルギー問題で苦しんできました。日本の社会・経済を安定させるにはエネルギーを自給する必要がある。そのエネルギーは今や自然から取る時代ではありません。作る時代に入ったのです」

エネルギーを作る。その科学技術の最先端に位置するのが筑波大学大学院の渡邉信教授(63)である。渡邉氏が作ろうとしているのは、他ならぬ石油だ。海で取れる藻から油脂成分を抽出することによって大量に工業生産する。

この最先端技術を説明するには、渡邉氏白身の研究の歴史をひもとく必要がある。

「藻と言うと、赤潮やアオコなど環境の負の面をよく言われるが、悲しいことです。藻類は地球上で酸素をつくり、鉄鉱石、石油をつくってきたのです。地球の歴史の中で大変な役割を果たしてきました。そういう藻類が私は大好きで仕方がない」

そう話す渡邉氏は、東北大学理学部を卒業した後、日本の藻類研究のメッカと言われる北海道大学大学院に進んだ。自然界の藻を探す博物学的な分野から研究生活に入り、フィールドワークの末、新しい藻類を発見することもあった。

その後、国立環境研究所で藻類の絶滅危惧種の研究などを手がけた。

…後略。

日の丸ロボット排除の国辱…AERA7月25日号より

2011年07月18日 14時52分17秒 | 日記
福島第一原発事故処理に国産ロボットの出番は少なく、外国勢の活躍を眺めるしかない。
ロボットメーカー、テムザック社長には国辱的に映った。


福島第一原発事故処理で活躍するのは欧米製ロボットばかりで、「ロボット先進国」と言われてきた日本勢は形無しだ。そんな惨状に、世界唯一の民生用ロボットメーカーであるテムザックの高本陽一社長は反論する。

「東京電力さんは当初ロボットを使うのを躊躇していたのですが、『ヒラリー・クリントン国務長官の来日までに、東電は米国のアイロボット社のロボットを使え』と、言われたのです。それで東電さんがクリントンさんが来た日からあわてて使い始めたのです」

 幻の国産ロボ活用策

クリントン米国務長官の来日は4月17日。滞在時間は5時間にすぎず、予定されていた被災地の訪問は見送られた。なぜわざわざ来日したのか意図が判然としなかったが、長官来日に合わせたように、東電は同日、事故収束にむけた工程表を発表するとともに、アイロボット社のロボットを使い始め、画像つきで公表している。各紙は横並びで米国製ロボットの活躍を報じ、後に日本製は「実績不足」(朝日新聞)と断じた。

高本氏は、この裏には米政府が日本にかけた圧力がある、と見る。というのも、長官来日以前は、経済産業省が国産ロボットを活用する方向で旗を振っていたからだ。高本氏によれば、震災直後に旧知の経産省の鈴木正徳製造産業局長から「『援竜』を借りたい」という電話があった。

テムザックは2004年にレスキューロボットT‐52援竜を発表し、07年にはその改良型のT-53援竜を発表した。T-52は最大1トンの、T-53は同200キロの重量物を持ち上げることができ、07年の新潟県中越沖地震でも倒壊家屋の片付けなどに活躍している。鈴木氏はかつて九州経産局長を務め、福岡県に本社を置くテムザックのことはよく知っていた。

 東電は申し出を一蹴

当初、鈴木氏の注文は、「どのくらいの高さまで放水できるか確認してほしい」だった。高本社長が地元消防署で実験すると、13メートルまでいけそうだった。そう連絡すると、ぎりぎりだな、と鈴木氏は言った。

「億円する機械ですが、この国難に『お金を出してください』とも言えんので、お使いになっていいですよ、と」

そう高本氏は考えた。4月4日には茨城県つくば市の産業技術総合研究所で、東電向けのプレゼンテーションが極秘に取り持たれ、福岡から援竜を運んだ。東電は当初、未体験のロボットを使うのを嫌がり、アイロボット社のロボットにも長官来日までは活動の場を与えていない。

経産省は捲土重来を図り、鹿島、清水建設などゼネコンと東電を交えた会合を5月18日に同省で開いている。テムザックはこのとき、インターネットを使って援竜を遠隔操作できるシステムを提案したが、東電の出席者は「ネットとつなげたくない」と一蹴した。以来、援竜は清水が借りて分析中だ。

「長丁場になりそうなので、いずれ本格的ロボットを投人する必要がある、それで今から開発を考えたのでしょう」そう高本氏は見る。

現在福島第一原発で大量の放射線を浴びた瓦礫処理や測定などに使われているロボット10台のうち、8台を欧米勢が占める。

「やらせたい作業と、できる作業とがかみあわないのです」(経産省の担当者)という面もあろうが、日本勢は悔しい。原発事故という稀有な災害で、欧米勢は実戦データを収拾できるのに、日本勢は締め出された。

「我が国の災害なのに、日本はこの災害で学べないんですよ」 温和な高本氏の口から「売国奴」という強い言葉が出た。

編集部 大鹿靖明

*芥川が、菅や孫たちに、○○○としていた部分に入る言葉は正にこの言葉だった。

有吉佐和子が、背筋がぞうっとした男とは②…週刊現代7/30号から。

2011年07月18日 14時32分55秒 | 日記
菅直人と「複合汚染」歴史は繰り返す

ノンフィクション作家 青沼 陽一郎   文中黒字化は芥川。

…前章からの続き。

 背筋がぞうっとした

やがて著者が市川と合流したところで、青年グループのリーダーが演説をしている。それが菅直人だった。以下に本文を引用すると。

〈市川房枝を無理矢理ひっぱり出した青年グループというのは当時マスコミに喧伝されていた。数寄屋橋の袂に仮設した演壇の上で、彼らのリーダーが演説している。

「僕らがですね、再三再四、市川さんの出馬を要請しても、市川さんは紀平悌子という後つぎもできたことであるし、自分も齢だからといって頑として辞退し続けたんです。

ところが今年の正月に僕たち市民運動の会で餅つきをしたんです。市川さんも杵を振り上げてペッタンコペッタンコと餅つきをしたんです。それで僕たちは先生があんまりヒ手に餅をついたんで驚いて、こんなに元気なら引退することはないじゃないかって考えたんです。そして僕たちは市川房枝を勝手に推薦する会というのを作りました。ハンコは僕たちで勝手に作って届けようって相談していました」〉

これが74年当時の菅直人たった。一言一句が克明に記録されていて、いまの菅にも通じる口調の特徴がよく捉えられている。ネット上でもこの菅青年のくだりが脚光を浴びている。

ところが、著者はこの演説を聞いている最中に、支持者のひとりから、こう打ち明けられる。

「いま喋ってる男の子は菅さんつていうんだけど、市川房枝がどうしても駄目だったら有吉佐和子を勝手に立候補させようって言ってたのよ」

それを聞いた著者は、作中でこう述べている。

〈私は背筋がぞうっとした。それが本当なら危いところだった。それまで私は新聞で青年グループの存在を知り、親愛の情を寄せていたが、これは気をつけなくてはいけない。彼らに好かれたら私の作家生命が危くなる。(中略)私は彼らから嫌われる存在にならなければいけない。そう思いきめた。〉

当時のベストセラー作家による貴重な菅直人評だった。
また、当時81歳たった市川房枝を担ぎ、九州、沖縄、名古屋、大阪、東京、そして長野……と、日替わりで夏の日本各地を遊説して回らせる青年グループのスケジューリングについても、

〈殺す気かという言葉が喉まで出て来たのを私は呑み下した。青年グループ。彼らは若さにまかせて、市川房枝の年齢を忘れ、候補者の健康保持を忘れて、暴走している。〉と、酷評している。
そして、再び踊るフレーズ。

〈この若者にはどうしても嫌われたいのだ、私は。〉

…後略。

有吉佐和子が、背筋がぞうっとした男とは①…週刊現代7/30号から。

2011年07月18日 14時08分05秒 | 日記
菅直人と「複合汚染」歴史は繰り返す

三十数年前、日本は現在のように、汚染物質に悲鳴を上げていた。その時もまた、あの男は暴走していたという。
ベストセラー作家が克明に記したのは、汚染と人災の奇妙な関連であった。


ノンフィクション作家 青沼 陽一郎

 そこにもまた菅直人

菅直人内閣総理大臣が誕生して、最初に国会で所信表明演説を行ったのは、奇しくも東日本大震災の起こるちょうど9ヵ月前、2010年6月11日のことだった。

その冒頭で、自らの政治家としての出所をこう語っている。
「私の政治活動は、今を遡ること30年余り、参議院議員選挙に立候補された故・市川房枝先生の応援から始まりました。市民運動を母体とした選挙活動で、私は事務局長を務めました。

ボランティアの青年がジープで全国を横断するキャラバンを組むなど、まさに草の根の選挙を展開しました。(中略)当時の強烈な体験が私の政治の原点となりました。政治は国民の力で変えられる。この信念を胸に、与えられた責任を全うしていきたいと考えております」 その当時の菅直人という人物を如実に物語る文章がある。

作家・有吉佐和子の著した『複合汚染』に、1974年7月の参議院選挙に立候補した市川を応援する青年のひとりとして、菅の名前が登場してくるのだ。

まず解説しておくと、『複合汚染』は、74年10月14日から8ヵ月半にわたって、朝日新聞の朝刊の小説欄に連載され、早い時期から注目を集め、単行本化されるとベストセラーとなった。小説というよりはノンフィクション的な印象が強く、農薬や化学肥料による土壌汚染にはじまり、食品添加物を交えた食品汚染、化学洗剤による河川、海洋汚染、さらには自動車排気ガスによる大気汚染などが、相乗的に絡み合い、環境を破壊し、健康被害をもたらす実情を、総合的に描いた作品だ。

いまでこそ、無農薬、有機野菜を消費者が好む傾向にあるが、その走りとなった著作と言っても過言ではない。食の安全を考える上でも避けては通れない作品で、一方で同作が指摘する環境汚染、健康被害は過剰だとする反論書も数多く出され、話題を呼んだ。

いま、あらためて読み返してみると、当時の化学物質が、今日の放射性物質に置き換わっただけで、東日本大震災によってもたらされた福島第一原発事故による放射能汚染の現状とどこか重なっても見える。日本の繰り返される環境汚染の未来を予言したような本だ。

この作品の冒頭は、著者自身が市川房枝の要請を受けて、青島幸男に選挙協力を求めるところからはじまり、選挙応援演説のため、数寄屋橋を訪れたところで、石原慎太郎とすれ違うという、いわば選挙戦の裏話から展開する。

そこで著者は石原に、噂されていた都知事選の出馬の意向について話を向けるのだが、煙に巻かれて終わるというシーンがある。実際に、石原は翌年の都知事選に立候補するのだが、現職の美濃部亮吉に敗れている。

当時、美濃部は3選不出馬を表明していたが、「石原慎太郎の出馬によるファシズムの復活を阻止する」として、これを撤回して選挙戦に臨んでいた。

ちょうど、3月い11日の震災直前まで開かれていた都議会で、不出馬の意向が伝えられていた石原が、4選出馬を表明した姿に、なにか因縁めいたものを感じさせる。

…後略。

Sprawl II (Mountains Beyond Mountains) by Arcade fire

2011年07月18日 13時48分54秒 | 日記
思い切り早く目を覚ました芥川の、脳裏に、浮かんできた音楽が、これだった。

Sprawl II (Mountains Beyond Mountains) by Arcade fire

They heard me singing and they told me to stop,
Quit these pretentious things and just punch the clock,
These days, my life, I feel it has no purpose,
But late at night the feelings swim to the surface.
Cause on the surface the city lights shine,
They're calling at me, "come and find your kind."

Sometimes I wonder if the world's so small,
That we can never get away from the sprawl,
Living in the sprawl,
Dead shopping malls rise like mountains beyond mountains,
And there's no end in sight,
I need the darkness someone please cut the lights.

We rode our bikes to the nearest park,
Sat under the swings, we kissed in the dark,
We shield our eyes from the police lights,
We run away, but we don't know why,
And like a mirror these city lights shine,
They're screaming at us, "we don't need your kind."

Sometimes I wonder if the world's so small,
That we can never get away from the sprawl,
Living in the sprawl,
Dead shopping malls rise like mountains beyond mountains,
And there's no end in sight,
I need the darkness someone please cut the lights.

They heard me singing and they told me to stop,
Quit these pretentious things and just punch the clock.

Sometimes I wonder if the world's so small,
Can we ever get away from the sprawl?
Living in the sprawl,
Dead shopping malls rise like mountains beyond mountains,
And there's no end in sight,
I need the darkness someone please cut the lights.

「政治主導」を捨てた男…本物のジャーナリズムseries。7/20号、ニューズウィークから。

2011年07月18日 13時13分07秒 | 日記
横田孝(本誌編集長/国際版東京特派員)、長岡義博(本誌記者)

前々々章続き。  文中黒字化は芥川。

菅は違う。実績と呼べるものが1つもないこともそうだが、菅は近年、まれにみるダメージを日本にもたらしている。それは、震災復興と原発事故への対応で失敗を積み重ねてきたことや、レームダック化しても居座り続けて国会審議を滞らせていることだけではない。
 
原発対応や居座りに批判が集中しているが、むしろその最大の罪は09年の歴史的な政権交代の意義を台無しにし、日本政治の時計の針を巻き戻し、政治不信をこれまで以上に高めてしまったことにある。
 
実際に十分な政権担当能力があったかどうかは別にして、少なくとも政権交代当時の民主党が標榜したのは、官僚支配に代わって政治主導で改革を進め、党利党略による政局よりもマニフェストを土台にした政策論争による2大政党制を築き、密室政治に代わってオープンで熟議する民主主義を定着させることだった。
 
長年の自民党政治に限界を感じ、民主党の可能性に懸けた有権者の思いが、09年の政権交代の原動力になった。
しかし菅が首相を務めたこの1年で、こうした理想は見る影もなくなってしてしまった。
 
03年に日本に初めて国政レベルでマニフェストを導入したのは菅だ。以前から「公約」は存在したが、小泉純一郎元首相が国債発行額の上限をめぐって「この程度の約束を守れなくても大したことはない」と開き直ったように、あまり重くみられていなかった
 
それに対して、マニフェストは政策を実現するための手順や財源を明記した工程表であり、後にどの政策がどこまで実現できたかを示せるもの、という触れ込みだった。本人がどれだけの信念をもって導入したのかは別として、菅が政策論争をこの国に少しでも根付かせたことにひと役買ったのは事実だろう。
 
ただ、立役者である菅自身が自らの手でマニフェストを詐欺の代名詞に変えてしまった。09年に政権交代したときの民主党のマニフェストが実現可能だったかどうかは疑わしいが、それでも鳩山由紀夫前首相は少なくとも、国民から選ばれた以上は実現に向けて努力する姿勢を示していた。
 
しかし菅は「5%維持」が政権交代時の約束だった消費税について昨年の参院選を前に自民党案を利用する形で突然10%を持ち出し、子ども手当も半減させる形で修正した。
 
震災による財源不足を補うためというならまだ話は分かるが、いずれも震災前の決断だ。その流れのまま、現在は野党の要求をのむ形で見直しが進められている。これでは震災以前からマニフェストをなし崩し的に骨抜きにする構えだったと言われても仕方がない。
 
「政治主導」という言葉もすっかり聞こえてこなくなった。政権交代直後、菅は霞が関の官僚を「成績が良かっただけで大ばか」とこき下ろしたが、昨年首相になった途端、「官僚の皆さんこそが政策やいろんな課題に長年取り組んできたプロフェッショナル」とあっさり前言を翻した。

以下続く。

何度も繰り返し読まれるべき真実シリーズ…ニューズウィーク7/6号から。

2011年07月18日 12時59分52秒 | 日記
ビョルン・ロンボルグ(統計学者)(筆者はコペンハーゲン環境評価研究所所長で、『環境危機をあおってはいけないー地球環境のホントの実態』の著者)  文中黒字化は芥川。

…前略。

先進国は92年の地球サミット(環境と開発に関する国連会議)で、00年までに温室効果ガスの排出量を90年の水準に減らすという大目標を掲げた。それ以来、大幅な排出削減の取り組みは失敗の連続だ。

09年の国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)では、削減目標の合意すらできなかった。各国の交渉担当者は今年11月に南アフリカで開催される第17回締約国会議(COP17)で再び話し合う予定だが、口先だけの約束では持続可能な開発は実現できない。
 
…以下、続く。

米で噴き出す夢のガス…朝日新聞7月18日7面より

2011年07月18日 12時37分27秒 | 日記
シェールガス 30年分の埋蔵量

地中の岩盤層から噴き出すシェールガスが、米国のエネルギー事情を変えつつある。国内の埋蔵量は需要の30年分以上あるといい、輸出にも意欲をみせる。

石油がぶ飲みなどと言われてきた米国が、原発事故でおぼっかなくなりかねない世界のエネルギーの支え手にまわる勢いだ。


航空機や石油関連産業の街、テキサス州フォートワース市郊外の牧場に、住民らがクリスマスツリーと呼ぶやぐらが並ぶ。高さ約20メートル。約75万人の大都市圏をガス田に変える装置だ。

約2千メートル掘り進むとはいえ仕組みはシンプル。ドリルで地中に穴を開けて水を流し込む。岩盤層に亀裂を生じさせ、ガスをしみ出させる。2、3週間で掘り終えれば、何十年も使えるガス井となる。やぐらは解体して次の場所に移る。

民家が近く、敷地内を牛が行く。ドリルを動かすデイーゼル発電機の音だけが響く。カナダのエネルギー会社エンカナ幹部、ケンーフェアチャイルドさんは 「周囲に影響を与えないよう掘るのが最優先です」。

バーネットシェールと呼ばれるこのガス層は、広さ約1万3千平方キロメートル。4年前に参入したエンカナは700以上掘った。米企業も掘削を競い、住友商事も2009年に参画、ガス井の数は計1万4千以上という。

シェールガスはバーネット以外からも次々に見つかる。米エネルギ上国の陸上部で採掘可能なシェールガスは国内需要の30年分以上だと見ている。

欧州や中国でも大量に存在が確認され、英エネルギー大手BPによると、世界のシェールガス埋蔵量は旧来の天然ガスの約2・4倍に達するという。生産拡大で、米国ではガス価格が急落。いまの相場は最近のピークだった08年の3分の1程度の100万BTU(英国熱量単位)=約4ドルだ。

 エネ政策も変化

実用化に道を開いたのは、小さなエネルギー調査会社を経営していたジョージ・ミッチェル氏(92)だ。10年近い試行錯誤を経て、水圧で亀裂を生む方法にたどり着く。02年に会社を35億ドル(約2700億円)で売却すると、各社が一斉に技術を発展させた。

「バーネットシェールの父」と呼ばれ、億万長者になった今も助言を続ける。
「会う人がみな、あなたがガスの価格を下げた張本人かと非難する」と笑う。
価格だけでなく、米国のエネルギ政策が変わる。

ヒューストン郊外の港 「フリーポート」に巨大タンクが2基並ぶ。米化学大手や大阪ガスなどが出資した液化天然ガス(LNG)会社のものだ。米政府は叩年台に入り、天然ガスの需要増を見越してLNGの輸入計画を推進。

その基地として10億ドルが投じられた。だがシェールガスが噴き出した今、稼働率は10%ほど。タンクは南米産LNGなどの一時貯蔵が主な役目だ。タンクの運営会社は施設を天然ガス輸出に転用する申請を米政府に出している。

約20億ドルかけ、シェールガスを冷却、液化する設備に切り替える計画だ。最大の輸出先候補は電力不足の日本。いくつかの企業と交渉に入っているという。

米政府は、国内需給を考慮してLNG輸出に慎重だったが、5月にはルイジアナ州に基地を持つエネルギー企業に輸出を許可した。チュー・エネルギー長官は 「世界中が必要とするエネルギーの生産に米国が貢献できる」と前のめりだ。

米国内でもガスヘの切り替えが起きる。ペンシルベニア州のエネルギー会社PPLの幹部は「フクシマ後、原子力は地元の理解を得づらくなった。石炭も環境面で厳しい」。同州にはバーネットより大きいシェール層がある。将来、天然ガス発電が同社の5割を超す可能性もあるとみる。

 掘削技術で主導狙う

国際的な競争も起きる。
「中国海洋石油」は昨秋、バーネットとは別のテキサス州のシェールガス田の一部の権益を取得。ガス開発の関係者から「中国にエネルギー源を渡すのは好ましくない」との声も出た。

米政府が手をこまぬいているわけではない。国務省は昨年春、「シェールガスーイニシアチブ」という国際会議を発足させた。「世界各国の開発を積極的に助ける」といい、中国やインドが参加を表明した。

シェールガス開発では、掘削時に地下水に与える影響が未解明だ。会議を通じて米国の技術を世界標準にできれば、「世界のエネルギー開発の主導権を握り続けられる」(米シンクタンク研究員)との見方が出ている。

(米テキサス州フォートワース=山川一基)

芥川は、この週刊誌を、91歳にして購入、オーナーとなったJBLの創業者を心から尊敬する。

2011年07月18日 12時15分43秒 | 日記
故人となってしまった訳だが、その偉業は、永遠に残り、彼の精神こそ米国そのものだと芥川は思うのだ。

その本物のジャーナリズムから、本来は、日本の大新聞やテレビが為すべき事…彼らは、小沢一郎に対する反民主主義そのものだった権力の横暴に与して、菅直人政権を作ったがゆえに、何も言えない、以下の様に、当然な事を言う事は、自分たちの猛省…与した上層部は全員クビになるべき程の事だったのだから…マスコミとしては。

を、為した特集号を日本中に、紹介したい。20世紀は、この週刊誌は、わずか9万部の発行数だった訳だが、21世紀も、痴呆テレビを見続け、インチキマスコミを情緒的に信じ込む国民のままでは、日本は森嶋大教授の推論通り没落するだろう。

それでは、特集の見出しから。 Newsweek7月20日号より。

菅直人首相の最大の罪は 政権交代の意義を台無しにし、日本政治の時計の針を巻き戻し、政治不信をこれまで以上に高めてしまったことにある。

…前略。

震災から4ヵ月。菅はその間、震災復興や原発事故の収束を遅らせるような言動に終始してきた。そして先週、菅が復興相に任命した松本龍が放言騒動を起こしてわずか9日で辞任。自らの発案で原発再稼働の条件として持ち出したストレステスト(安全性評価)は「唐突過ぎる」と批判を浴び、海江田万里経済産業相の辞任騒ぎに発展、早期退陣論が再燃した。
 
当の菅は「責任を感じている」らしいが、実際に責任を取るつもりはないようだ。

まるでこの国全体が、どれだけの政治的な混乱に耐えられるか、ストレステストにかけられているようだ
 
確かに、菅に向けられた批判の中には感情論の域を脱しないものもある。日本はこれまで「何となく嫌い」「けしからん」というイメージだけで政治家や総理大臣の首を何度もすげ替えてきた。失言や形式的な政治とカネの問題でやり玉に挙げられ、多くの政治家が失脚させられてきた。
 
ただどんなに不人気で1年足らずで辞任した総理でも、実績の1つや2つはあるものだ。安倍晋三元首相は一時的とはいえ、「政冷経熱」と言われた日中関係を改善させた。麻生太郎元首相は、世界金融危機の余波を最小限に食い止めようと景気刺激策を断行。その政策は現民主党政権からも評価された。

…以下、続く。

中国 病魔に侵される巨大政党 …朝日新聞7月18日10面より

2011年07月18日 11時40分34秒 | 日記
中国共産党90周年

坂尻 信義 北京から

欧州の避暑地をほうふつさせる造りのショッピングモール「藍色港湾」は、北京でも有数の人気を誇る。週末は駐車場に列ができ、バレンタインデーやクリスマスには周辺の交通がマヒするほどだ。

その中にある映画館で、中国共産党の結党90周年を記念した映画「建党偉業」を見た。封切りから4日後の日曜日だった。中国や香港の有名俳優約100人が出演し、派手に宣伝されてきた。でも、ふだんは家族連れや若者らでにぎわう客席が2割ほどしか埋まっていなかった。

観客動員数の目標は3千万人。ところが、市民がネット上で映画や書籍を自由に批評するサイト「豆辨」では酷評が殺到し、すぐに書き込みができなくなった。

ノルマを課せられているのか、ある映画館では「建党偉業」の入場券を発券後、別の映画の題名を手書きで加えて転用し、観客数を水増ししていた。

90年前の7月23日、上海のフランス租界にあった住居の一室で、第1回党大会は始まった。党中央党史研究室がまとめた「中国共産党歴史」によると、当時の党員はわずか50余人。各地から党大会に派遣されたのは、毛沢東を含む13人だったという。

末期の清朝が列強に明け渡した租界の一角で、夜霧に紛れて産声を上げた政党は、その90年後、党員数がフランスの人口を軽々と超え、ドイツの人口に迫る規模の8千万人にまで膨れあがっだ。

同党の「予備軍」にあたる共産主義青年団(共青団)も、団員は8千万人前後。党政治局員が数多く輩出している清華大学では、学生の9割以上が団員という。そこからさらに厳選された学生が入党し、党や国務院(政府)で出世の階段をのぽっていく。省庁では、党員でなければ就けない役職も多い。一党支配は表向き、揺るぎない。

毛沢東、小平氏に続く第3世代の「核心」として党を率いた江沢民前総書記の危篤が伝えられても、政情の行方を危ぶむ声は皆無だった。

しかし、7月1日に北京で・開かれた「慶祝中国共産党成立90周年大会」は、この巨大政党が「腐敗」という病魔に侵されていることを印象づけた。

胡錦濤総書記は演説で、党幹部の腐敗を一掃する「闘争」が「党の生死」を左右すると述べ、「私たちが民衆のことを気にかけなければ、民衆は私たちのことを気にかけない」と訴えた。

中国の憲法は序文で、党が国民を「指導」すると明記している。三権分立を超越した党の指導は、搾取や弾圧と紙一重だ。党中央が引き締めをはかっても、広大な国土の隅々に張り巡らされた党支部で権力を乱用する党員にまでは目が届かない。

中国公安省のパトカー管理規定には「私服でパトカーを運転したり、サイレンを乱用したりしてはいけない」との条文がある。行楽客で渋滞する道路をパトカーがサイレンを鳴らしながら快走し、運転する私服の男性の家族らしき女性と子どもが後部座席で談笑している姿を、中国の地方都市で見たことがある。

おびただしい数の監視カメラが目を光らせる北京でも、軍や武装警察の車両は独特のクラクションを鳴らし、一般車両を蹴散らすようにして走り抜ける。それを遮る交通警官はいない。高級レストランの駐車場には毎夜、黒塗りの公用車が並ぶ。独裁政権の自浄作用には、限界がある。

(中国総局長)

インド発電最大手NTPC 能力3.7倍へ…日経新聞7月18日6面より

2011年07月18日 10時54分51秒 | 日記
1800億円調達 政府系銀行と契約

【ムンバイ=黒沼勇史】
インド発電最大手で政府系の火力発電公社(NTPC)は、2032年までに発電能力を3・7倍に拡大する計画を決めた。慢性化している電力不足を解消する狙い。

能力増強投資に充てるため、商業銀行最大手で政府系のステート・バンク・オブ・インディア(SBI)から1000億ルピー (約1800億円)を調達する契約を結んだ。

NTPCの現在の発電能力は3485万キロワット。これを約20年間で1億2800万キロワットに増強する計画だ。NTPCは現在、年間発電量ペースで約3割のシェアを占める。

NTPCはSBIから1000億ルピーを借り入れる契約に調印した。借入期間は12年。SBIにとって、I件として過去最大規模の融資額という。

中央電力庁の10年4~12月の統計では、インドの全発電所のピーク時の供給量は1億729万キロワット。需要は1億1944万キロワットで、10・2%不足した計算だ。不足率は07年度の16・6%から縮小傾向にあるが、需給ギャップは依然大きい。

シンガポール政府系テマセク 首相夫人のCEO続投

2011年07月18日 10時45分55秒 | 日記
退任報道を否定 …日経新聞7月18日6面より

シンガポール国営投資ファンド、テマセク・ホールディングスのホー・チン最高経営責任者(CEO、58)=写真はロイター=の続投が決まった。

世界金融危機の後の運用実績の回復を花道に退任するとの見方が浮上していたが、テマセクがこのほど正式に否定し、「当面の続投」を発表した。

退任説が広がったのは、6月初めの英フィナンシャル・タイムズ紙による「8月にもホー氏が退任する」との報道がきっかけ。

CEO就任からすでに8年目で、去就が取り沙汰されるのは初めてではない。ただ、最大の焦点である後任候補は見えない。
テマセクの運用資産残高は3月末で約13兆円。

天然資源などの元手がある多くの国の政府系ファンドと異なり、テマセクの運用原資はシンガポール政府・国民がゼロから積み上げてきた。

アジア屈指の女性経営者として知られるホー氏はりー・シェンロン首相の夫人でもあり、その去就は毎年の運用実績と並んで国民的な関心事だ。
(シンガポール=佐藤大和)