べ卜ナム、日本方式採用 両政府が基本合意 ASEANで初
貿易手続き共通化 文中黒字化は芥川。
日本とベトナム両政府が貿易・通関手続きの共通化で基本合意に達したことが、25日明らかになった。検疫や出入国などの手続きを1回の入力・送信で済ませる日本の電子システムをベトナムに提供し、2014年度からの稼働を目指す。東南アジア諸国連合(ASEAN)の加盟国に持ちかけたインフラ輸出の一環で、貿易手続き共通化では最初の成功例となる。
日越両政府は10年秋に事務レベルの協議を始めた。ベトナム財政省がこのほど日本提案を受け入れると回答してきたという。26日にも野田佳彦財務相が正式発表する。
日本側が提供するのは、輸出入・港湾関連情報処理システム「NACCS」。10年に開発した最新型を活用する。輸出入の申告から検疫、税関申告などの手続きを一括処理する。関係行政機関と民間が相乗りで24時間フル稼働している。申請書類を半減できることなどが特徴だ。
日本側は「技術情報の全面的な提供」「人材育成への協力」といった支援策をベトナムに提案し、受注につなげた。韓国も名乗りを上げていたが、日本が競り勝った。
財務省は「日本のシステムに対する信頼性の高さと、継続的に支援する姿勢を示したことが決め手になった」としている。
日本企業の間ではアジアでの貿易手続きに対する不満が多い。ベトナムに対しては「関税の税率が頻繁に変わる」 「申請書類の形式が不統□といった声が出ていた。これまではベトナムの煩雑な手続きにいちいち対応しなければならなかったが、システム共通化で大幅に手間を省くことができる。
手続きに要する時間も短縮できそうだ。日本のシステムを使えば、航空貨物の場合はO・7日間で輸入許可までの手続きが完了する。海上貨物でも2・6日だ。いまのベトナムのシステムでは20日程度かかっており、これが大幅に短くなる見通しだ。
財務省はベトナムでの受注獲得を足がかりに、他国に攻勢をかける構えだ。まずはインドネシアやマレーシアとの協議を本格化し、さらにフィリピンやカンボジアなどにも導入を呼びかける方針だ。