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田舎町に行くと、昭和から脈々と営業してる喫茶店(さてん)が必ずあって、コロナがようやく落ち着いた今や、団塊世代シニア族の社交場として大賑わいだ。
そんな「さてん」の一軒が わが街にもあって、客層が客層だけに💧毎朝6時からの営業。それでも平日から「開店即、ほぼ満席」の繁盛が続いてる。いまどき「全面禁煙」じゃなく、「喫煙席」としての野外テラスまで設(しつ)えてる気配り。きょうなど(日陰とはいえすでに気温は30度に迫る)9時になっても、まだ屋外で盛り上がってる爺さんたちのグループが居た。
本日のお題は、彼らが新社会人だった’70年代の景色。当時までの大人にとっちゃ日用必需品だった『マッチ箱』について考えよう。
令和の今もマッチ箱↓ は売られてる
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’’70年代の後半、洋楽では世界的に「ディスコブーム」というのが起きた。そのディスコ音楽が街に流れ出すとともに、日本の生活にジワジワ普及していったのが『100円ライター』と『街角でのティッシュ配り』。きょう取り上げる『マッチ箱』は哀れ、この「使い捨てライターとポケットティッシュ」の出現によって、フツーには見かけなくなってく💧宿命だったのだな。
逆に言えば、『マッチ箱』の最後の全盛期は1970年の前後10年間、ざっと昭和40年代だったと言えよう。
まず第一に、その時分は成人男性の8割、子育てを終えた成人女性の2割以上がタバコを吸ってた。そして(100円ライターが無いのだから)喫煙のためには充填式で重たいライターか、それが面倒ならマッチ箱を「いつも欠かさず」持ち歩いてる必要があった。
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さらに、一般家庭の電化事情とて「まだ途上」だったから、キッチンでの調理や風呂を沸かすのにも「マッチでガスに点火する」必要があった。仏壇のローソク然り、蚊取り線香も然り。一部の大都会を除き、家庭から出る可燃ごみですら、当時は自分の家の庭で焼くか、アパート据え付けの焼却炉で燃してた。
何しろ『マッチ箱』無しには、"文明人"ライフが回らない。ホンの半世紀前まで、日本も「そんな国」だった。当然、大小の燐寸(マッチ)工場がどこの県だろと数カ所は在ったと思う。わたしの実家の2キロほど先にも工場が在った。
’70年代、わたしは純朴な中高生だったから「喫煙のためにマッチを持ち歩く」感覚は知らない。父親は(当時は少数派の)非喫煙者だった。しかし、その父親が大手建設会社から出向してオフィスビルの管理棟で働きだして以来、急に❕ 家のなかが「マッチ箱で あふれ出した」のを憶えてる💧
なぜか❔
その答えが、記事冒頭の
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繰り返すが、当時ポケットティッシュなんて無かった。どころか、トイレットペーパーや紙パック牛乳からして「ハリウッド映画の中でしか」見かけないモノだった。それゆえ、庶民が行きつけの商店や金融機関で「もらえる」粗品の、いちばん重宝される品
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法人客が相手の場合、より大型の「販促用」マッチ箱も造られた。わたしの実家にも(父の持ち帰る)そうした"大箱
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令和の今からじゃ想像もできまい。あの頃はそのくらいカンタンに点火できる素材=マッチが、生活の場にフツーに転がってた。小学生高学年ともなれば、親は(家事を手伝わせるため)子供に「火の点けかた=マッチ棒の擦りかた」を教えた。子供の目から遠ざける、手の届かないところに置く、なんて発想は微塵にもない。
ちなみに現在、消防署の指導する「花火遊びのマナー」では ライターとマッチは使用禁止、である💧 最初に1回、大人が「置きローソク:手持ち花火用」と「線香:導火線のある花火用」に着火するとき以外、使ってはイケない
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マッチ箱は「子供に触らせるコトはもちろん、見せてもイケない」という風潮になって、はや20年ほどが経つ。今さら、平成生まれの若者相手に「マッチ箱くらいの大きさ」と例えても、どんなサイズか❔❔ まず分かってもらえない。
で、あるなら不思議なのが、旧人類には染みついた脳トレ ── いわゆる『マッチ棒クイズ』とゆうやつ💧だ。今でも小中学生に出題してるんだろか❔ マッチ棒なんてモノ、ほとんどの子が見てもないだろにw
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そんな出題されたら、特に小学生だと「マッチ棒って❔」つう謎からまず解かないと先に進めなくなるww
まして、小学生を前に「机の上に実物のマッチ棒ならべて」問題を解かせる…なんて遊び、今じゃ絶対に
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ちなみに『マッチ棒クイズ(matchstick puzzle)』は世界共通の脳トレだが、海外でも「同じ壁」にブチ当たってるようで、ネット上には『くれよんクイズ』に宗旨替えした例
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ところで日本の場合、今じゃ幼児向けの「知育玩具」として『マッチ棒クイズ』が売られてると知った。何と何とぉ、プラスチック製の「疑似マッチ」が同梱されてる❕❔ ってワケ。オドロきだね。
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たしかに防火上は安全かもしれんが、これで育った児童は(成人しても)マッチ棒は、あのゲームに入ってたやつ🔥 としか思わんのじゃ❔ 万一の大災害で当面のエネルギーインフラが絶たれたら「いつになってもリアルなマッチ棒は要る」ハズだろ❔ こんな"配慮"、真の防災教育のためにゃむしろヨロしくない気が...
ちなみに(同じく)、おとなり中国製で欧米にもネット通販されてる類似品として「アイス棒パズル」なんてバージョン
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中国にも日本にも、昔から一般家庭には「つまようじ」という代替候補があるにはある。けど、フツーに突起が危険で(一度でも遊んだら)それを楊枝に戻すのは不衛生
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かく疎(うと)まれ過小評価され、思い出の『マッチ箱』どこへゆく❔ 何か世知辛いなあ、と嘆く昭和人は わたし独りだけじゃないだろう。
=了=
最後に、前出クイズの答え
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