本記事は2部構成、前編からの続きである。
▶▶ 元々の「その会社」は、MLMLANT®の他にも“数知れない”ブランド名義でスチームクリーナーを出荷してる
今仮に、本当の製造会社を「X社」と呼ぼう。
なぜ MLMLANT®がMARYANT Inc.以外の、別の「X社」の製品だと分かるのか❔ 答えは単純………この世のなかには、他にもたくさん❕のブランド名で「MLMLANT®スチーマーの姉妹モデル」がリリースされているからだ。今回のSC-111ひとつ取っても、色や外形を変えただけの姉妹モデルを何機種も目にすることができる。
一目でお分かりの通り、いずれも(1)上部=給水栓(キャップ)と(2)前方=突き出てるジョイント・ノズルの形状と色が(似てるを通り越して)同一である。はたまた、形状や色を問わず、どのブランドのを買っても「同じ付属アクセサリセット」が付いてくる💧
ばかりか、互いに“他社”製品なのに「販促イメージが同じ画像」というトホホ💧 な例さえ見受けられる…。
要するに、どこのどれを選ぼうと「真の出荷元」工場は同じ「X社」に過ぎんワケだ。もちろん構造も設計も同一だからして、見かけや値段だけの違いで機能や性能は(どれだろうと)変わらない。使いかたも同じなら信頼性、たとえば…故障しやすい場所まで全部共通なんである。
▶▶ 元々の「その会社」は2010年の設立、本業は電動工具とスプレーガンの製造会社だ
さあ。もったいぶってても意味ないので、判明した「X社」の正体を明かしてしまおう。その会社は…
[現地表記] 宁波市康欣机电有限公司
[日本直訳] 寧波市康欣機電有限公司
[和読翻訳] ニンポー市コンキン機電有限会社
[英表記名] Ningbo Conxin Machinery & Electric Co., Ltd
[日本直訳] 寧波市康欣機電有限公司
[和読翻訳] ニンポー市コンキン機電有限会社
[英表記名] Ningbo Conxin Machinery & Electric Co., Ltd
…と言い、自社製品ブランドのロゴには『ConXin(コンキン)』という"もじり英字"を※宛がってる。※本来の直訳英称ならKangxin。当ブログ記事では以下、康欣機電(こんきん・きでん)と簡略に呼ぶ。
社業のメインは「電動工具メーカー」だ
主力産品は電動工具にスプレーガン、コーキングガン、マッサージガン。これらは自社直(チョク)で、前出ConXinブランドにて販売。
2010年に設立したばかり、製造業としちゃ社歴は若い。資本金150万元。本社工場は浙江省寧波市北侖区に……寧波国際空港から40 km、中国東部では最大の港である北侖港からわずか7kmの湾岸エリアにある。もともと地元鋼管メーカーが所有してた遊休工場を丸ごと借り受けたため、その敷地は東京ドーム1コ分にも匹敵する!?とか。【→ 航空写真 参照】 さすが、広大な平地に恵まれたお国だけのことはあるね。
正門前 ↓。本来の地主である鋼管メーカーのデカい社名碑が目を引く
とにかく輸出一本で稼ぐ、それが総て。
それだけの稼業に「カッコぶった顔など要らない」とばかり、自社ではホームページらしい公式サイトも持たず社屋も(マグニチュード4で崩落しそうな)廃ビルで済ます。その見事なまでの割り切りようは💧まさに敗戦から1950年代にかけ、日本における工場操業者たちも骨身に漬かって実践してた光景の「時空を超えた再演(リプレイ)」だよ。何ともSFだねw
▶▶ 製造者の顔を"あえて"伏せる。その発想は卑怯だが朝鮮特需時代の日本製品が そうだった。
70年前は日本製品もアメリカ市民から「安かろう悪かろう」の代表アイテムとして鼻で嗤われてた。「造りは安っぽいしデザインが遅れ目だが、ともかくも発注すりゃ早くドっと届く。とりあえずは間に合う」と、その飛び抜けた生産力=タイムパフォーマンスだけは(他に頼るより手っ取り早いから)買われてた。しかも、戦時にタイムパフォーマンスは絶対だ。
今の中国人は、あの時分の日本感覚を生きてる。70年前とは違って世は比較的“平和”でも、先進国経済の成熟と飽和が市民生活に(さらなる)タイムパフォーマンスを無理強いさせ始め、生きづらさや世知辛さを加速した。暮らしに余裕が無ければ無いほど、人は人生を無限に急かされる。
康欣機電は、広大な社屋の床面積を遊ばせとくくらいなら非正規に人を雇って(他の何かも)造ろうと思い立つ。しかし、ただのサイドビジネス(副業)に苦情処理だの故障サポートだの(組織体制から根本的に)整えてちゃ間接部門の諸経費が膨らんで……いずれは屋台骨ビジネスの収益基盤の足まで引っ張ってしまいかねん💧
造れるだけ造りまくるのはいいが、売ったあとのサポートまでいちいち関わらんようにしたい。
結果、たどり着いたのが現在の「代販オンリー戦略」だ。おおざっぱに図解すると以下のようになる。
自社からは(自社製品を名乗って)直販せず、親身なサポートを売りにするリアル店舗の電器店チェーンも通さず、ひたすらクラウド出店業者を介してネット通販で製品を掃く。
クラウド販売の連中は(実体のない)自社ブランドを祀(まつ)り上げて付加価値を付け差別化したがるから、その習性を200%活かす。思う存分、彼らには「メーカーのふり」「マニュファクチャラー気取り」💧 していただく。
運が良きゃメーカーばりに(ターゲット層の消費者から)羨望されるかもしれんが、運が悪きゃメーカーばりにクレームの集中砲火を喰らうかもしれん。康欣機電は、前者の恩恵に浴せずとも、後者の「地雷を踏まずに」安心して生産し続けられるメリットを選んだのだった。
これこそが、知名度(ネームバリュー)と信頼度(品質の安定感)に劣る「新興メーカー、後発組」な企業が、人気に優る「老舗メーカー、先行組」な企業をも収益規模で追いかけようとした場合の、唯一最強のショートカット戦術なんだな。
だからこそ★中国においては(気がつけば)多くの中小製造業者が「(康欣機電みたく)顔を持たない大量生産」に徹して世界じゅうにチープな消費財をバラ撒き、各国に得体の知れん「売りっぱなしの幽霊ブランド」を猛繁殖💧 させてるんである。eコマース的には、これも『BtoBtoC』的なビジネス戦略の一端と言える…のかな❔
以上あらためて、ケルヒャーと康欣機電の商品特性を比較しとく。
いかがだったろうか❔
本記事【前編】で煮詰まった不可解さや謎は。クリアしていただけたろうか。実体なき”メーカー”MLMLANT®の商品をチョイスすることを「愚か」と蔑む気はない。事実、このわたし自身も(同製品を)買い求めて試用し、そこそこポジティブな性能評価をAmazonにレビューしてる。
物なりサービスは、ニーズがあるから売れるのだ。
多少の(品質的な)見劣りやNONサポートのお粗末さにも「これだけクソ安きゃ、ま…いっかぁ」と甘受する判断も全然、アリ❕ だ。そもそも1950年代に米国市民や海外駐留兵の多くが、同じように「まあ、いっか」と思ってくれなきゃ21世紀の日本は存在してなかった。そう思ってくれなきゃ生まれてなかった平成人もまた、優に、何百万人には上ると思う。
だからMLMLANT®を買うなら、こーしたことを踏まえた上で注文確定してくれ。心よりそう願う。出費にソグわぬ過度な性能、ありもしないサポートを期待したって、無理だよ。かなうワケない。どのレベルで満足できかによって、人の幸福感は天と地ほどに化けうるモノだから。
あ…❕
最後に もひとつ。やはり前述した貿易会社「重慶アクショントレーディング(株)」では、フツーにB2B、B2Cなビジネスルートも開いてる。つまり、一定数の数量(ロット)さえカバーすんなら、あなたにも同社のNONブランドなスチームクリーナーが「仕入れ値で」一括購入できる。具体的には、100コ以上まとめて買うならSC-111と同じ商品が1コの単価にして半額以下になる。
ま、これに船賃とか含めたら都合、台あたりの換算単価=正味の仕入単価は2,000円くらい❔…か。毎年100人余にお歳暮 配ってる社交家さん💧で、貿易(荷受け)の手続きや倉庫が都合できる「リア充」な御仁なら、今年の「お歳暮アイテム」に いかが❔w 詳しくはアリババを検索されたし~っ ンじゃまたぁ🎵
=了=
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