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DVDスルー新作: 英国発の最新B級ハードSF『 ディストリクトーX 』を独断で徹底レビュー ❕

2020年08月14日 | 日記

2020年8月14日 更新: 喜ぶべきか当作品は今秋11月、Happinetより本邦DVDリリースされることになった。しかも、本説で推奨した通り「日本語吹替え」でも楽しめる。ぜひ❕ 原語じゃなく吹替版で鑑賞されたい。


▼ ▼ ▼ 2020年2月(日本発売未定 時点)のUP原文 ▼ ▼ ▼


実に!久々に、「及第レベル(星3つ以上)の」低予算インディーズSF映画を観ることができた。たまには"当たり"にも出くわさないと💧 この手の低予算映画まで物色する気にはなれない。まずもって喜ばしい💗ことだ。


にしても今回の『エイリアン・アウトブレイク』という原題。ありきたりのタイトルとポスター(上掲)の図案が、のっけからオソロしくチープな印象を助長してくれてる 巷のC級以下SFの王道行ってるじゃんねww そこで事前の期待値もド~ンと下がってたんで、それで「思わぬ拾い物」をしたような気がするのかも。もしも制作陣が「そこまで考えて」このタイトルやポスターを練ったんなら、ご立派すぎて敬服するよ。

さて、まず良かった点を上げ、減点項目=ツッコミどころは後に列挙してこうか。

何といっても、企画脚本が秀逸。タイトル通り、内容は「エイリアンとの初遭遇バトル」と「謎の感染症」を掛け合わせた雰囲気で、両要素の恐怖が(傍目にゃ区別もつかないまま)同時進行してく。そこが重要なミステリー要素にもなってて、最終盤の「大どんでん返し」で真相が提起されると、「ああ、そうゆうことかァ」とモヤモヤ解消。一転して気分さっぱり合点が行く、って仕掛け。

また一方、安っぽいインディーズSFには「多々ありがち」なことに、舞台となる地理的範囲が異様に狭い。本作も英国の辺境、人口200か300人クラスの小さな村に"巨人型エイリアン"がロボットを引き連れて侵入してくる。だから、映画のなかの登場人物がエキストラ含めても50人足らず、ということには納得できる。

だがフツーの安物SFなら、

じゃあ、なぜ村の周囲の人間社会が何も反応してこないんだ?? とか、
何でまた、高等種族であるハズのエイリアンが、そんなド田舎を狙って攻めてくるんだ??

とか「当然のように湧いてくる疑問」にも十分に答えられないままエンドマーク。観客をシラけさせるのが常。

しかし、本作の場合は違うのだ。そうした素朴な疑問にも、明快な説明が付けられて終わる。

いかにも昆虫ぽい小型ロボが集団で現れちゃあ村人を刺していく"侵略のパターン"も、疑問っちゃ疑問だ。恐ろしい未知の病原菌の効用(宿った生命体を自滅=自傷自殺に誘引する)が明らかになるにつれ、どうしたって「だったら、その菌を空からでもバラ撒けよォ。人類を始末すんなら千倍も手っ取り早いだろが❕❔」と思えてくる。

しかし、ひとたび映画の真相を知れば、エイリアンが「そんな面倒な方法を採らざるを得なかった」事情さえもクリアにされるんである…❕ この伏線の回収ぶりは、ハリウッド大作にも使い得た秀逸至極なアイデアと言えるだろう。まず企画の出来。ここは大いに評価されるべきだ

良かった点の第二は、CGの良質さだ。

あとで記すように、本作は役者のギャラを抑えて「大根キャストで妥協」し浮かせた予算を目一杯、CG加工費に投入したようである。ネフリのSFドラマに掛けられるくらいのCG品質はキープされてて、観てて「うあァ合成感ムキ出しぢゃんよ」とメゲるシーンは一切なかった。本作で褒めるべきポイントは、以上のふたつに尽きる。


その一方、残念な点はどこか。

まず、カメラワークには「ある種の安っぽさ💧」が散見された。たぶん監督は「そうすればリアル感が増す」と考えたんだろうが、高予算なメジャー映画より「造作がワザとっぽくて、リアルってより視覚にウザい」としか映らなかった点が幾つか。ふたつだけ指摘しとこう。

第一に、映画全編を通しての「色調補正」。上のスチル3枚でも分かる通り、微妙に彩度を落して「灰がかった世界」にアレンジしてる。あえて映りを灰がからせる理由がイミフすぎる。ときおり猟奇がかったグロ・シーンも挟まれるのに、彩度落としてたんじゃ「オドロオドロしい」恐怖や不快感の噴き出し具合も半減。むしろ、作品の迫力をスポイルしてることの方が多かった。

第二に、「急に思いついたように揺らし撮り」してる点。早くも、映画の開始58秒後には警察署内で"騒ぎ出した狼藉物を取り押さえる"的なシーンがあり、捉えるカメラが激しく大揺れになる。こんなのは昔の『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』みたく、撮ってるのがハンディカメラだ、って大前提のときに限って使える手だ。そうでないフツーのカメラ映りさせてるときに、急にガタガタさせて(観客のストレスを煽って)何がオモシロいのか。

大衆向けのエンタメ映像で色味をいじったりカメラ映りをいじるのは、そう視える必然性があるときにだけ、最小限の範囲、いじるべき。その範囲を超えてまでして「奇をてらう」のはド素人の骨頂であり、むざむざ作品を見苦しくさせるだけ。300%要らん趣向だ。

そして最後に、この「よく出来たB級ムービー」を一番ダメにしてる因子が、「肝心の主演女優の痛すぎる演技力」である。

いやいやー。もちろん英国人俳優の、当然ながら英語での演技力を(ろくな英語の才も無い)日本人のわたしごときとやかく言えた義理かぃ❕」とは思ってる。が……本作の主演=村の署に務めるゾーイ・ノリス巡査部長、の役を演ってるほぼ無名の女優さんについては、どーにもこーにも劇中の会話の響きに違和感が。

imdbで調べてみると、本名か芸名か知らんけどキャサリン・ドレイク(2018年までは キャシー・タウンズ)という名の俳優さん。2004~5年頃に子役デビューしたけど、成長と共に演技力が磨かれてゆくコトもなく、端役ばっかりで食い繋いできた"万年二流"役者さん❔ぽい。

↓どうにも 流ちょうにセリフを話してるように聴こえない💧主演、キャサリン嬢

最初、意図的に『高齢の村人が多い地区の巡査キャラ』狙いで、わざとトロトロした言葉使いを装ってんのか❔とも思った。ところが中盤以降、親しい同僚とのクダけた会話シーンになっても、あいかわらずオクタープ甲高い声色で、とろ~んとした💧話しぶり。一語一句が間延びして、どこか生気の失せた棒読み調なのだ。物語の中のキャラ設定が消して冗談でなくトロント(!?)出身者で、聞き慣れぬ訛りがある】となってるのも、クィーンズイングリッシュとして聞いたんじゃ満足なセリフしゃべれっこないから、苦しまぎれの言いワケに(当人は生粋の英国人にもかかわらず無理くり)そういう話にしたんじゃないか、ってフシさえ匂わんでもない。

とはいえ自分は日本人。単なる気のせいか❔❔…とも思って本作の英国人レビユーに目を通してみたさ。

するとだ。「ノリス部長で終始、興が冷める。彼女の演技は、アラジンのアニメでも観てた方が全然、感情移入できると思えるくらい酷い」と一刀両断にされてるぢゃ💧ないか。な~んだ、やっぱ大根なんだキャサリンてばww


てことで英国発、良質なハードSF映画『 エイリアン・アウトブレイク ─ /地/球/外/感/染/ ─ 』の私的レビューを終える。

結論としちゃ(毎度のことながら)インディーズ映画の悲哀ってか、「もうひと息=もう少しの予算で、""の付く傑作にさえなり得たのにィ❕❕」という恨み節は引きずるな。本作の場合は、主演にさえフツーに演技できる女優さんを使ってりゃ、結果は見違えるほど「素晴らしい逸品」に仕上がってた。それだけ、いい映画を作るには "相応な演技"の才をカネ(=出演料)で釣らにゃ始まらん、ってえ話だ。

それでもまだ、わたしたち日本人の多くにとって《洋画》なら。

英語が(ストレートに)意味=感覚としては耳に入ってこない言葉のハンディの分だけ、キャサリン嬢の大根ぶりに引っかからないで済む。その点じゃ、ある意味"恵まれて"る。事実、本作……かのimdbのスコアリング投票じゃ(10点満点中)わずか3点台の評価しか得られてないんである。そこまで主役の演技力、ネイティブ言語な観客にゃ「観る(聞く❔)に耐えない」レベル、っつこと。

言い方を代えるなら、仮にも本作。日本でプロの声優が吹き替えてDVD化されてみろ。かなりの高評価をゲットできることは確実だ そういう「見る眼のある」配給メーカー担当者が、日本のどこかに出てきてくれることを切に❕ 願ってるぞ。ではでは
=了=

検索タグ:ディストリクトーX

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