毛渡沢橋梁
関越トンネルを抜け土樽PAを過ぎると、突然左側にゴーロ帯の開けた谷が現れる。その谷の上にはレンガ貼りの美しい橋梁が掛かる。これが日本でも有数の毛渡沢橋梁←クリックである。この谷と橋梁は上越の道すがらどれほど眺め、その谷への釣欲に思いを寄せていただろう。この毛渡沢、釣り雑誌等で詳らかな渓であり、釣り人が多いのはわかっていたから、あえて釣行することはなかった。しかし、この沢が以前紹介した「イワナの夏」の著者、湯川豊←クリックさんのエッセイに欠かせない、ホームグランドとも言える沢なのである。「イワナの夏」の中、ユーモアたっぷりに書かれた(渓流乞食)は、フィクションともノンフィクションとも言えぬ内容でありながら、釣りキチの行き着く先は、さもありなんと思える最後を描いた秀逸な文章なのである。
毛渡沢に沿って平標山(1983m)←クリックへの取り付き道がある。平標山(たいらつぴよう山)
いつも気にかけながら十数年、2度ほど橋梁を撮影したり、渓の様子を見に行ったことはあったが竿を出したことがなかった。さてどうしよう、時間は12時を周り、一番魚の出が悪い時間となったが、1、2時間の竿納めをするべく湯沢IC入口を通過して、毛渡沢の取り付きに。一番下流をと覗くとやはり関東ナンバーが2台。釣れないのは覚悟の上だから、車を一番下流において1時間ほど歩く。車止めには多摩ナンバーが。ここから少し歩き、上流からの風で毛針が振れないので、下り釣りを。
すっかりの秋空
この取水堰から釣り降る。背後の山が平標山
川原はあまり段差がなく、大中の石が連なりロケーションがよく、快適な遡行ができるからこの沢は初心者向けにはよいだろう。真昼間だというのに当たりが出る。しかも先行者があるにもかかわらずだ。おそらく魚影は濃い沢なのだろう。下っていくと二人のフライマンが。左岸に逃げてしばらく林道を下流に歩き、再び沢に降りた。
渋い当たりが4回。うち2匹。5寸から6寸だったが湯沢岩魚に御目通りできた。
来年は(渓流乞食)の舞台を本格的に訪れてみたいものだ。
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