上越・町家暮らし

主に新潟県・上越市の自然、文化、風土、そして町家暮らしについて書いていきます

しらとりの来るころ

2014-01-27 13:28:16 | 瞽女街道を行く

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                   海上に現れた竜巻

 

 

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                   直江津海岸

新潟の瓢湖は白鳥飛来地としては有名であるが,瞽女達が歩いていた上越にも彼女達は毎年やって来る.平野部にあった大池やため池が雪に覆われ,餌が採れなくなると,わずかに顔を出している稲穂の切り株を見つけ集まって来る.その数1000羽余りはいるだろうか.

白鳥を見ると、私は20代の頃道東に白鳥の撮影に行ったことを思い出す。まだ学生で金もなく,当時、カニ族と呼ばれたいでたち。大きなザックを背負い歩く姿から名づけられたそうだが,真冬の北海道の道東の凍った道を歩いていたのは,私だけだった.金欠だから当然寝る場所は、バス停や無人の駅舎が主であった.1月のオーホーツク沿岸は流氷が打ち寄せ、半端な寒さではなかったが,閉じられた駅舎の屋根の下や,打ち壊された船小屋で、風雪に晒されながら寝ていても,それほど苦ではなかったから,若いということは,素晴らしいことだったに違いない

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                   上越市.三和区

 白鳥達は水を張り,まだ凍っていない水田を見つけると三々五々集まって来る.この三和区の白鳥たちの集会場は、背景に南葉山の山並みび囲まれ,ひときわ高い妙高や,長野県の黒姫,飯綱山も良く見える.
 南葉山麓の里は積雪も多く,雪かきに大わらわである.

 

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                 秋の名残

 

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瞽女街道・雪国の正月風景

2014-01-06 12:58:12 | 瞽女街道を行く

 雪国、上越市の正月は氷風の中にある。特に浜通りは風が強い。この浜通りには国道8号線が日本海に沿って走っているが、真夜中に走ると、時折路面が凍っており、難儀する。凍った路面には冬タイヤも4WD車も歯が立たない。そんなときは出歩かないに限る。

 

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直江津の浜通りの町屋集落

     

 直江津市街から30分ほどで写真家・浜谷浩が撮った「雪国」の舞台となった桑取谷がある。日本海に横たわる集落・有間川から桑取谷最奥の横畑集落まで15kmほど。夏道なら直江津市街から30分ほどだが、冬は雪次第だ。この桑取谷の丁度中ほどの集落・西横山で、1月14日、15日、民族行事の、鳥追い、みそぎ、嫁祝い、焼き草集め、オーマラ、の諸事が行われる。これらの行事はいずれも上越市無形民俗文化財となっている。

 

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  鳥追い行事

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 朝6時に行われるみそぎの行事

 

 

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 嫁祝い

 

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 たきぎ集め

 

 

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オーマラ・男達が火がついた麻わらをもちさいの神の回りながらたたきあう

オーマラとは道祖神信仰・男性のシンボルを言い、子孫繁栄の祭りのようだ

 

 なかでも浜谷が撮って有名になった西横山集落の子供達が行う、鳥追い行事が秀逸である。元来この行事は小学生の男子だけで行っていたが、現在は少子化で、中学生や女子も参加してなんとか体裁を保っているようである。超高齢、過疎化の波に伝統行事の保存は氷河期状態である。