新潟の瓢湖は白鳥飛来地としては有名であるが,瞽女達が歩いていた上越にも彼女達は毎年やって来る.平野部にあった大池やため池が雪に覆われ,餌が採れなくなると,わずかに顔を出している稲穂の切り株を見つけ集まって来る.その数1000羽余りはいるだろうか.
白鳥を見ると、私は20代の頃道東に白鳥の撮影に行ったことを思い出す。まだ学生で金もなく,当時、カニ族と呼ばれたいでたち。大きなザックを背負い歩く姿から名づけられたそうだが,真冬の北海道の道東の凍った道を歩いていたのは,私だけだった.金欠だから当然寝る場所は、バス停や無人の駅舎が主であった.1月のオーホーツク沿岸は流氷が打ち寄せ、半端な寒さではなかったが,閉じられた駅舎の屋根の下や,打ち壊された船小屋で、風雪に晒されながら寝ていても,それほど苦ではなかったから,若いということは,素晴らしいことだったに違いない
白鳥達は水を張り,まだ凍っていない水田を見つけると三々五々集まって来る.この三和区の白鳥たちの集会場は、背景に南葉山の山並みび囲まれ,ひときわ高い妙高や,長野県の黒姫,飯綱山も良く見える.
南葉山麓の里は積雪も多く,雪かきに大わらわである.