魚市場 「魚勢」
上越に行くと必ず寄るのが魚市場だ。自宅から2kmほどなのでスーパーで買うより新鮮なのだ。と言っても上越での海産物は、スーパでも充分の鮮度がある。関東のスーパーではお目にかけられない魚や、魚介類の鮮度は日本海を要する上越の卓越した要素だろう。
三月にして今年初物のハタハタ。私の大好物である。が最近口に入ることが無くなった。
旬は12月の子持ちハタハタだが、近年、市場の方に聞くと漁獲は激減したという。
昔、ハタハタは大量に獲れたらしく、イワシやアジと同じく大衆的な魚だったらしい。生前の母によく聞かされたのは、4歳までいた新潟では祖母に良くハタハタを私は食べさせらていたのだという。そんな話を聞き次のような拙い詩を書いた。
ボクの身体はハタハタでできている
今日は海鳴りが遠い
バアバアが腰を屈め
「ボン、ほれ食え、これ食え」と
行商で売れ残ったハタハタを
ボクに与える
氷風吹き込む陋屋
生えたばかりの乳歯で
ボクは器用に骨を噛み砕き
バアバアの乳をまさぐるのだ