上越・町家暮らし

主に新潟県・上越市の自然、文化、風土、そして町家暮らしについて書いていきます

通い路・去りゆく秋

2019-11-29 00:55:31 | 通い道

    有間川河口 海にかかる虹

  十日町、清洲の棚田

 11月の下旬になると、雪の到来である。それを見越して、上越への行脚となるが、この季節の訪問者は雪だけではない。複雑に変わる空模様は、虹を生む。

 十日町 白羽毛  棚田

 

十日町 白羽毛 

 

十日町 橋詰

 

十日町 水科

 


水上勉著・はなれ瞽女おりん 出会い

2019-11-28 21:45:29 | おりん関係

 東頸城の松口から十日町へ抜ける五十子平の地蔵堂で雪に閉ざされた日、40日ばかりおりました。

水上勉著「はなれ瞽女おりん」より

 

 

十日町市・五十子平(いなごだいら)諏訪神社  残念ながら原作にある(地蔵堂)はない! 当然かな!

 

 

  十日町市、東川 権現堂  残念ながら原作にある(阿弥陀堂)はない! 当然かな! 

この権現堂右下手にあった瞽女宿「向山』が残念な事に今年壊されてしまった。まだしっかりとした家だったのだが。

 

 東川は、おりんのいう五十子平のから、確かに、南へ一里ばかり、山峡をわけ入った山のつきあたりにあった。わずか43戸の農家が点在した辺境で、この東川の村しもに、杉皮屋根をふいた畳敷きながら四畳半くらいの広さの、やぶれ堂が一つあった〜〜〜〜中略〜〜〜ここに入ったのは、大正7年4月21日の夕刻で、もう暗くなりかけている頃だった。

〜〜〜〜中略〜〜〜

 「瞽女さんか」

 と男のかすれ声がした。年の頃は27、8だろうか。一時は、身を引いて警戒するけはいであったが、相手が盲女で、しかも瞽女だとわかると安心してか

「お前さんひとりか」

「はい、おら一人でござります」

おりんはそう言ってから

「おまん眼が見えなるですかのう」

ときいた。男はふふふとわらった。

水上勉著「はなれ瞽女おりん」より

これがおりんと岩渕平太郎の最初の出会いであった

 


映画・「はなれ瞽女おりん」ロケ地(高田)

2019-11-27 00:31:16 | おりん関係

 

  映画「はなれ瞽女おりん」から

 斎藤という男に手を引かれ6歳の時、高田の瞽女の親方、里見という屋敷におりんは連れてこられた。

 

上記画像の長い板壁の家(豆腐屋・屋号は能登屋とのこと)は壊されて更地になっている。(2019年11月撮)

 

映画「はなれ瞽女おりん」から

この場面と最初の場面が、東本町4丁目付近で撮影されたのは、関係者から特定できていたが、細かいことはわからなかった。画像を検証すると、中に番地名(7ー19)が写り込んでいたため、特定できた。

電信柱も映画画面と同じような場所に立っていた。

 

映画「はなれ瞽女おりん」から  瞽女屋敷、里見家でのシーン

 

 この家(白川呉服店)の右隣に映画撮影で使われた建物があったのだが、すでに壊され更地になっていた。(2011年撮)

 

 2009年当時の元杉本キクエ宅。白川呉服店の近くにある(この時点、2009年では他の方が住んでいた)

瞽女、里見屋敷の場面のロケは、杉本キクエ親方が住んでいた東本町近くの家が使われたが、映画撮影の後には空き家になり壊されたらしい。その隣にあった気になる町屋が、白川呉服店というお店だったらしいが、10年ほど前に、壊されてしまった。私が上越に足運ぶようになって11年。この界隈には残したい町屋がたくさんあったが、急速にその数を減らしているのは本当に、残念である。

 東本町 右端、自転車のある家が元杉本キクエ宅(2013年撮)左側奥がロケ家となった里見家があった場所

 

 映画・「はなれ瞽女おりん」ロケ地についてはわかり次第、随時書いていくつもりです。

また、ご存知の情報がありましたら、コメント欄にてお教えください。


映画・「はなれ瞽女おりん」ロケ地(直江津)

2019-11-26 00:02:10 | おりん関係

 

  はなれ瞽女映画ポスター

1977年公開 水上勉原作 篠田正浩監督 出演 岩下志麻、奈良岡朋子、樹木希林、原田芳雄 他

 1977年公開の「はなれ瞽女おりん」は名作である。この年の第一回日本アカデミー賞を冠している。明治、大正の日本の原風景を撮りたかったと、篠田正浩監督は書いていて、映画のロケ地は全国にまたがるが、おりんの在所が新潟高田であるゆえ、新潟県でのロケ地が多い。しかし私は、この映画を20回以上(映画館プラスDVDで)は見ているのだが、ロケ地が特定できる場所は、善光寺のシーンだけである。(山門が映り、扁額に善光寺とある)そこで改めて、ロケ地の検証をしてみた。付け加えるならば、上越の名峰、頸城三山の映るシーンが欲しかったと思う。意図的に場所の特定を避けていたとするならば、なぜ善光寺は、特定したのか、不満が残った。映画では善光寺での再会であるが、水上の原作では、おりんと平太郎が再会するのは若狭三方の片手観音堂である。

 この映画に名優、加藤嘉が5分ほど出演しているのが嬉しいが、各所に「砂の器」(1974年作)の味付けを感じるのは私だけであろうか。

 

直江津の三、八朝市が開催される通り近くに、ライオン像のある建物がある。この建物は海が近く、強風のため大火が多い直江津にあって、明治時代の建築物として残った数少ない、文化財、館である。上越市は昨年から保存のための工事をし、今年の春、再オープンした。

  (映画・はなれ瞽女おりんから)

 映画では長岡警察署玄関ロビーとして使われている。帽子をかぶった刑事役の桑山正一

  

 2019年11月16日撮影

 この建物は、1977年公開の「はなれ瞽女おりん」の撮影に使用されている。桑山正一扮する長岡警察署今西万三郎刑事が、聞き込みから警察署に戻り、小林薫扮する憲兵中尉・袴田虎三と会う場面に使用された。玄関のドアや、窓のサッシは変えられたが、上部の半円形の窓は当時のままのようだ。

 駐車場は船見公園。開館日4月〜11月の土、日、祭日 10時〜17時

https://joetsukankonavi.jp/spot.php?id=380

 ライオン像のある館は上記アドレスで

さらに直江津でのロケ地はもう一箇所、五智国分寺境内と、山門

 五智国分寺山門・安国山とある

http://www5c.biglobe.ne.jp/~etigo/

上記が五智国分寺のHP

 

(映画・はなれ瞽女おりんから)

おりんこと、柿崎りん。鶴川仙蔵 こと岩渕平太郎。瞽女をやめ、下駄屋専業となり、初めての縁日での商いの場面。(山門左側)

 

 

(映画・はなれ瞽女おりんから)

安倍徹扮する別所彦三郎(富山の薬売)山門右側 

(映画・はなれ瞽女おりんから)

境内参道と縁日風景 背景に国分寺の三重塔の基部が映っている。

 

次回は高田のロケ地について