余程の悪天候でなければ海岸を歩くのが日課である。目も開けられないような横殴りの風に逆らって歩く。
耐えられれば自然のなすがままの中で過ごすのはたとえようもない喜びである。
西空にあかね雲が漂い、鳥首岬が次第に海面から湧き上がる黒雲に消えていく。この暖かさでは雨になるのだろうか。
接近する気圧の壁に冬の陽は悲鳴をあげているようだ。
余程の悪天候でなければ海岸を歩くのが日課である。目も開けられないような横殴りの風に逆らって歩く。
耐えられれば自然のなすがままの中で過ごすのはたとえようもない喜びである。
西空にあかね雲が漂い、鳥首岬が次第に海面から湧き上がる黒雲に消えていく。この暖かさでは雨になるのだろうか。
接近する気圧の壁に冬の陽は悲鳴をあげているようだ。
有楽町駅プラットホームから
「種を蒔く」
一年2ヶ月ぶりの東京。ここ10年来訪れるている若い日本画家の個展に足を運んだ。幾度も行っているのにいつも
見つからない。辿り着かない。
山では鼻がきくのに都会では毎度の堂々巡りである。大汗をかいてようよう辿り着いた銀座3丁目の小さな画廊。
この小さな画廊に小さな作品が10数点並ぶ。
日本画家、田嶋健太郎氏の作品である。
私が彼の作品を認識するようになった頃から、彼の作品は展示初日の午前中にほとんど売れるようになってしまった。
いずれも小さな作品であるが、彼の宇宙が描かれている。
仏画を意識して描いているというが、仏画と言ってもいいのであろう。
どこの会にも属さず、自分の世界を描き続ける40歳の若き画家は、どう変わっていくのか、楽しみである。
ほとんどの作品の大きさは1号から3号ほど。8号ほどの作品が2点ほど。
久しぶりの東京。東京は息が詰まるから、個展を10分ほど見学し
踵を返して、帰路についた。
田島健太展は本日が最終日でした。
西横山のサイの神が祀られた石祠。陽石『金精様」と陰石「女陰様」であろうか。この祠の上部の田んぼで行事が行われる
1月15日の夜上越市・桑取谷 西横山で行われる最後の小正月行事、サイノカミを訪れた。
サイノカミは色々と呼び方があり、地方によっては呼び方が違う。通常はどんど焼きと総称されているようだ。
オーマラに使用される麻束と藁束。麻タバは松明に使われ、藁束はオーマラ本体を形成するのに使用される。
藁束は地元で手に入るが麻(大麻)は簡単には手に入らないので大麻産地から取り寄せるとのこと。以前話を伺った時には
栃木県の鹿沼の大麻産地から許可を得て取り寄せていたというが、今はどうなのだろう。今の大麻は無毒化されているらしいが。
藁束で包んだオーマラを立てる。
麻束の松明を掲げ「オーマラ、オーマラ」と叫び松明を振り回し、叩き合いオーマラーを回る
飛龍の出現
今年の正月は雪の少ない年であった。
15日の早朝、昨晩の「鳥追い」に続き、桑取谷・西横山集落前の桑取川にて「みそぎ」が行われた。
禊は年初にあたり体を清め、一年の無病息災を祈る行事である。
朝7時、川に入るためふんどし一丁で待つ男達。
連日の雨で川は増水し濁りが。危険防止のためロープが張られていたが、水流は強いし、雪代で水温も低く
男衆はそうそうに水を離れた。
最後に礼をしてみそぎは終わった。本当に寒そうでした。
満月に近い月が出ていたのだが、次第に雨に変わった。
450年続くという上越市桑取の小正月の伝統行事「鳥追い」
14、5年ぶりに伺った。
これらの行事は、過去には日本全国、小正月行事は顕著に見られたものだが、今や風前の灯。
残す努力をしなければ急激に消えていくのだ。
この桑取谷は写真家・浜谷浩が「雪国」という写真集を撮った場所である。
毎年1月14日の晩に行われる鳥追いの鳥は絶滅を危ぶまれた朱鷺のことであり、過去には害鳥として扱われるほど
生息していたのである。
15日の早朝には桑取川の清流で、「みそぎ」の行事が行われる。
褌一丁の男衆が清流で身を浄め、一年の健康を祈念するのである。
他に昼に行われる「嫁祝い」や子供たちが集める「藁集め」
嫁祝いは前年にこの地に嫁いできた嫁さんを歓迎する行事である。
そしてこの日の夜に行われる「サイノカミ」
関東ではどんど焼きと言われるものだが、桑取では「オーマラ」と言って豊作および子孫繁栄を祈念する行事である。
上越市桑取谷・西横山 白山神社本殿前にて
前もって関係者の方に伺っていた11人の子供達ではなく8人の子供たちの参加である。
この行事を行う桑取谷の西横山では、児童がいず、日本海に近い比較的大きな集落の児童たちに、参加をお願いしているようである。
かっては観光客も見られたが、今は関係者、メディと写真をとる人間に限られてきたようだ。
子供達は太鼓を叩きながら、大声で鳥追いの歌を歌う。
歌の内容は以下のようである。
「こりゃぁどこの鳥追いだ。だいろうどんの鳥追いだ。しろを(尻尾)切ってかしら(頭)切って、
こんだわら(小俵)へほうらいこんで佐渡ヶ島へほ~い、こうもりも鳥のにんじょ(仲間)でほ~い、ほ~い」。
「鳥追い」のいでたちはなんとも可愛く、郷愁を誘う!