話ははじまりは昨年秋、久米田高校生徒会の担当をしている先生からの問い合わせのメールでした。
大阪の食文化を調べる過程で、私の大阪食文化研究所のサイトをご覧になったそうで、下記のような内容の質問が私に寄せられました。
現在6人の生徒たちと「地域を知る」ということで「郷土料理」そして「生産者」
という内容の調査を行っています。高等学校1年2年そしてその保護者に対してアンケートを実施しました。泉州地域の郷土料理を15種類あげて質問しました。
その結果、昔の郷土料理はほとんど廃れていくように感じています。味の好みが合わないためになくなっていくのは仕方がないのか、絶対に残すことが必要なのか、どの立場に立って考えればよいのか悩んでいます。なにかアドバイスがあればいただけると幸いです。
これに対して私は下記のような返答をさせて頂きました。
今まで日本の文化の礎になった東洋の文化から、近代は西洋の文化へと大きく移行し、それにともなって食もそのように変化しております。
そのために郷土料理を含めた食や生活スタイルを大きく西洋化しております。ですが、海外に出かけた人がよくおっしゃることですが自国の文化を大切にしない、知らないと他の国々の方に自分の存在を明確に説明出来ることはできません。
自分のルーツを知らずにして、どのようにして礎を作り、そこに経験を積み上げていくのでしょうか。
戦争に敗れたことは日本の文化をも破壊しました。たしかに昔の生活や食をそのままに現在で実践することは無理かもしれませんが、温故知新ー昔の生活の知恵や生活スタイルをすることは決して無駄なことではないと思います。
こたえを導くのでことは出来ないですが、それを知ること・経験することで生徒さんたちはなにかを感じ取り、それがいずれ何かの形で思い出されることもあるのではないかと私は思います。
その後、しばらくして、また先生から下記のようなメールを頂きました。
泉州の地域ならではの料理であることも発見できました。添付の通り、それについて12年生対象にアンケートを行い現在の郷土料理のおかれている現状にも思い至りました。
それらについて生産者の方に直接お聞きし、料理は料理法のレシピを伝えるだけでなく、
それが獲られ、作られたその場所、歴史、多くの人の関わり、森田さんの言われたように地域の文化を伝える場なのだというお話も伺いました。
「JAいずみの」さんや大阪「若手漁師」の代表者の方のご協力で販売活動も手伝うことにより一次産業の現状までも知ることができました。水質を美しくしたいという漁師の方の魚庭の森作りにも参加し、ずいぶんと視野が広がったように感じます。
今回のこの活動にアドバイスいただき感謝しております。アンケート結果などよろしければごらんください。
今回、このデータを告知することはもちろん学校の許可を頂いております。
私自身、今回の久米田高校さんの取り組みの中で新しい発見もありましたし、このような素敵な活動に少しでもお役にたてれたことを誇りに思います。
今はまだ余裕はないけれど、少しずつでも自分の料理に大阪らしさ、郷土料理も取り入れることが出来ればと思っています。
久米田高校の先生・生徒の皆さん、とても良い経験をさせて頂きました。本当に有難うございました!!