高麗橋桜花店主 徒然日記ー料理人はどこまでできるのか ー

「高麗橋桜花」店主森田龍彦の思ったことを綴る日記のようなものですので個人的感想にとどまるということご了承下さいね。

河内鴨のお料理。

2006-10-21 | 生産者訪問

 大阪が誇る食材の一つに津村さんの河内鴨があります。

 本音を言うとあまりご紹介したくありません。それほど美味だし、こだわっておられます。でも、大阪にある本当に美味しいものを知ってもらいたいので、隠さずに書いています。今回は、料理監修を務めているささゆりの里の秋のメニューに河内鴨を使いたいと思い、ご相談させてもらいに訪問しました。

 少し横道にそれまして、久しぶりにささゆりの里について書きますね。ささゆりの里は、今夏も多くのお客様がBBQで楽しまれました。そして実りの秋を迎えて、いよいよ里山レストランのしての本領を発揮した献立へと切り替わります。その献立の中の一つに、鴨の脂とかつお・昆布で取った出汁に大根おろし(旬が来れば田辺大根を使うようです。)を加えたみぞれ鍋で、河内鴨を薄めに切ってしゃぶしゃぶのようにして食べてもらおうと思っています。また、ちゃんと献立が決まればお知らせしたいと思います。

 津村さんの一番のオススメは、生食です。朝引きで、しかも都市に近いからこその贅沢な食べ方です。今回ももちろん刺身にして頂きました。でも、良さはそれだけではありません。通常より長い期間をかけて育てられた肉質は、加熱調理の際の柔らかさです。フランス産と違ってしっかり血抜きされた上身は、日本料理には特に相性が良いと思います。

061014_2038_1 河内鴨と名水蒟蒻の旨煮の作り方を簡単にご紹介します。

①鴨の脂と昆布で出汁を取る。

②この出汁で、大根・ブロッコリーを茹でる。

③フライパンで別に取っておいた鴨の脂で柚子蒟蒻、大根 鴨の砂ズリを炒める。

④①の出汁2:濃口1:味醂1:酒1:砂糖適宜を加えて 煮詰める。

⑤④に一口大に切った鴨を加えて、中に火が通らないうちに取り出す。

⑥フライパンの煮汁が煮詰まってきたら火を弱め、②のブロッコリーと④の鴨を加えて、さっと和えて器に盛る。

 蒟蒻は金剛山の伏流水で作られた手作り柚子蒟蒻を使用しました。鴨の脂が他の食材に旨みをプラスしてくれて、尚且つ蒟蒻を食べると柚子の風味が良い感じでアクセントになります。火の加減を気をつければ一口大に切った鴨でのそんなに固くなりません。特に津村さんの大きめのサイズの鴨は柔らかいです。 鴨の代わりに鶏肉でも出来ますので、是非どうぞ。。 (今回は食材が良いのであえて生姜等を加えていませんが、 お好みで生姜、酢なんかを入れるとさっぱりしますよ。)

 追伸ー来週の23日の「クイズ 伸助君」にて津村さんが登場するです。気合の入った津村さんをテレビで拝見するのが、今から楽しみです。

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千早養鱒場

2006-10-18 | 生産者訪問

金剛山のロープウェイ乗り場のすぐ近くに、千早養鱒場はあります。
Dscn2113 渓流・千早川を利用した千早養鱒場には、鱒とあまごの釣り掘り場と川魚専門レストラン しゃくなげ園があります。施設は昔から多くの釣好きが集まるそうです。岩で仕切られた釣堀の他に、ルアー・フライ釣り専用の大きな池があり、団体でも堪能することも可能だそうです。釣った魚はお土産に持って帰ったり、又は施設内の食堂で塩焼き・から揚げ・アライに調理してもらい、その場で食べることが出来ます。

 養殖されている鱒やあまごは飛騨高山から稚魚を送られてきて、鱒専用の餌で養殖されるそうです。幾つかの地域の稚魚を試されたそうですが、金剛さんの水にあわずに数日で弱って死んでしますそうです。農作物でもそうですが、簡単に生き物を動かすことは出来ても、そこの環境に適応するかどうかは別の話のようです。

 しゃくなげ園で鱒の刺身と塩焼き、あまごの塩焼きをごちそうになりました。

 千早の鱒を食べるのは、以前に開催しました若手料理人と生産者の交流会以来ですね。その時もそのあっさりとクセのない味を担当された志摩さんは高評価していましたし、試食された参加者の方々も美味しいと言っておられました。

Dscn2114  刺身は酢味噌で頂いたのですが、ほんとクセが無くて美味しかったですし、塩焼きも食べ易い味でした。あまごは底味があってとても気に入りました。(ちなみに川魚の代表である鮎の主食が苔であるのに対して、鱒やあまごは雑食なので内臓は綺麗に掃除して食べた方が良いようです。)

 

Dscn2116  是非、自分も取り扱って見たいですし、その時には鱒は昆布締めなどで少し風味を加えてあげて、あまごは炭で外パリ内ホクホクみたいに焼き上げて食べてもらいたいなーと考えながら食べていました。あと、しゃくなげ園で売られている金剛さんの伏流水を使用した蒟蒻も後日食したが、とても美味しかったです。最近の蒟蒻はどう固めているのは分かりませんが、なにかプラスティックみたいで気泡も全然ないですよね。臭みが無くなるのと同じように風味も薄れているように思います。

 たまたま今回の浪速魚菜の機関紙「浮瀬」でも川魚が特集されていますが、出来れば天然のものを食べることが出来れば一番です。昔、南の千年町の割烹で修行していた時に、女将さんから「私の若い時には、道頓堀でも水遊びできるくらいに綺麗な川だったよ。」とお聞きしたことがありましたし、土佐堀沿いの鰻屋では大川で鰻を網で囲っていたそうです。今ではそれも遠い昔のような話ですが・・。。

 自然環境に恵まれた金剛山には、養殖ながらも身近で豊かな自然の中で育てらた川魚を食べることが出来る環境があります。これって、かなり贅沢なことに思えるのですが、どうでしょうか。

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羽曳野いちじく

2006-10-13 | 生産者訪問

 羽曳野は大阪府下でのいちじくの生産量が一番多いです。今回は浪速魚菜の会でもたいへんお世話になっているふじいいちじく園さんを訪問させて頂きました。

Dscn2107_1  藤井さんの畑がある羽曳野市誉田は大和川山系の石川がすぐ側をながれ、砂地ながら肥沃で保水力もあり、気候も安定しているいちじく栽培にお誂え向きの環境なのです。そして、この地域で栽培されるほとんどが桝井ドーフィーンという種類で、藤井さんのお兄様が約50年前から栽培に取り組まれてそうです。

 いちじく栽培は実をつけることはそんなに難しいことではないようですが、良質のものを安定して栽培するのがとても難しいとのこと。苗木から2年程で立派な実を付けるまでに成長し、15年ほどは良い実が収穫できるそうです。また、いちじくの生命力はとても強くて冬に短く選定しても、収穫期には20段くらいまで成長を続けるそうです。肥料は籾殻・藁・油かす・EM菌などの有機肥料を使われていて、農薬も極力使用を控えておられるとのこと。

Dscn2108  いちじくの糖度はかなり高くて20~25度まであがります。見分け方のコツとして偏平でへこみのありものは二番成りのものもあるそうなので、ぷっくり膨れてまるみをおびているものが良質なそうです。ちなみに、ついつい赤い色の濃いものが完熟というイメージを持ってしまいますが、必ずしもそうでないのでご注意を。あと、中に小さな虫が入り込んでいる可能性やなめくじなどは這っていたりするので、食べる前には皮をしっかり洗って、割って中を確認してから食べてくださいとのことでした。

 ふじいさんは現在桝井ドーフィン以外のいちじく栽培も取り組まれていて、蜜いちじくと呼んでいるグットーやロードス(ロードス島に由来する。)など、肉質や甘味の感じの異なるいちじくが約9種類ほど栽培されています。

 羽曳野の流れる石川はかつてはとても綺麗な水が流れていて、石川早生小芋や羽曳野いちじく、さらに碓井えんどう(ここ誉田のすぐ隣が碓井地区になります。)の栽培を助けてきました。残念ながら、昔ほど綺麗でなくなってしまった石川ですが、現在でも多くの作物の水源としてその存在感は十分です。

 決して昔ほどの自然環境に恵まれた大阪ではありませんが、生産者さんの努力によってまだまだ良質の作物が栽培されています。ぜひ、来年はふじいさんのいちじくを食べて、実感してみてはいかがでしょうか。

 最後に、いろいろとご親切に案内してくださったふじいさんに感謝・感謝です。

 

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農こそハーモニー&たぶん日本一の屋台達(自称)

2006-10-10 | 農業・食育・食文化について

 好天にも恵まれた3連休の最終日。 前日の昼から光電話等が一切使えない状態に・・。要約、9日のお昼に復旧するも、この日が大幅に崩れてしまいました。

Dscn2094  まず中之島で開催されている大阪ニューオリンズ祭りへ。高津神社のとんど祭りを盛り上げているたぶん日本一の屋台達(自称)が出店されているので、ご挨拶と買い出しに。 

 コルビさん出店のニューオオタニ「サクラ」やうずら屋さん、釜たけうどんさん、ぶいはち&創庵さん、遊山さん、wassayさんなどなど、大阪で活躍するお店がずらり。ほんと贅沢な屋台です。
 時間が無いので、列が出来ていたら買えないなーと思っていたのですが、たくさんの人の割りには思ったよりも列が出来ていなかったので、持ち帰り出来るものを見繕い、急いでマイドーム大阪へ。(出店されていた皆様、本当にお疲れ様です。)
 
 こちらでは農こそハーモニーという「農を変えたい!全国運動」主催のイベントに参加。大有研のイベントブースがあり、去年の農塾のDVDを放送しながら、新規会員の募集や活動の説明などを行ないました。
 流石にこの分野はまだまだ狭いもので、広い会場にあるブースでも知っている方がたくさん。兵有研の橋本さんや市島の井上さん、愛農の堀田さんにfoonの江南さんなどなど。改めてご挨拶できる機会が恵まれたことは、とても嬉しかったです。イベント自体は来場者数が2000人を超えて、予想以上の盛り上がりをみせました。 しかし、到着が予定より大幅に遅れてしまったために会いたい人にも会えず、肝心の新規会員の獲は、・・・でした。 農業関係(しかも有機農業が主体)の関西の主だった組織が集まっての、今までにない取り組みでのイベント。いろいろな課題はあったにせよ、今後このような活動が更に広まれば嬉しいのですが。
 大有研もいろんな方に協力・参加してもらってたくさんの方と楽しい時間を過ごせるように頑張らないと。。

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セラミックアートマーケット

2006-10-10 | 生産者訪問

今週末は、各地でいろいろなイベントが行われていますね。
滋賀県信楽でも陶芸祭りが開催されていて、たくさんの人が訪れます。私も陶芸家の篠原さんが出店しているということなので、お伺いさせて頂きました。
 しかし、電車で信楽に向かうのはとても大変でした。あいにく乗り合わせも悪くて、信楽駅に到着するまで4時間弱ほどかかってしまいました。しかも、信楽駅からセラミックアートマーケットの会場までのシャトルバスがどれも満席でなかなか乗車出来ず、乗った後も道路は渋滞。ほんと、たくさんの方が訪れていました。
Dscn2083  ようやく陶芸の森に到着。こちらは駅前の即売会場と違って、信楽の作家さん達が出店しているいます。まず、早速篠原さんにご挨拶。その後、約70ほどの出店されているお店を見て周りました。 (篠原さんのブースの一部です。)
 信楽焼きの素朴な感じが好きですが、作家さんによっていろいろな焼き方をされていて、多種多様でした。個性器を見ているとこの器にこの料理を持ったらどうかなーと一人空想の世界へ。でも、器の好みは感覚。これ程たくさんのお店があっても私の好みにあったのは、ほんの数店でした。(良し悪しではなくて、あくまでも感覚ですので。)
 いろいろと見て周った後に、再び篠原さんのブースに。大量生産の器と作家さんの器。違いは、微妙。でも、そこには埋め切れない何かがあります。その何かは、作る作家さんによって変化していくのでしょうけど。それは、料理も同じ。そこそこ美味しいものは、比較的簡単に作れます。ただ、ある一線を超えた美味しさを作り出すのが至難の業。そこ僅かな部分を作り出せるかが、料理人の技量の違いになってきます。そして、出来た作品・料理が全て。途中の工程にどのような苦労があったのかは、結果に反映されていないと何の意味も持たないのです、残念ながら。そうでないと、自己満足の世界になってしまいます。
 。今年はたくさんのこだわりの野菜やお酒に巡り会えました。そして、素敵な器を作ってくださる篠原さんにも。かの魯山人が、器は料理の着物と評したことがありましたが、本当にそう思います。自分の好きな器だと、ストレス無しにいろいろな発想が浮かんできます。同じ職人として、悩みながらも常に貪欲に前向きな篠原さんとのお話はとても貴重な時間です。(これからもお互いが切磋琢磨できる関係でいられるように頑張ります。) また、篠原さんを支える料理上手な奥様が素晴らしい。(篠原さんのHPでもご覧になれます。)栄養士の奥様の影響を受けて造形美の中に、使い易さという視点が新たに加わったという篠原さん。ほんとうに素晴らしいことだと思います。これからも色気のある、しかも優しさのある素敵な作品を見せてくださいね。

 それでは、今回の私が購入した作品です。画像の取り方が下手ですみません。少しでもお伝え出来ればとアップしましたが、器を実際に見て、手に取らないと本当の良さは伝わらないなーと実感しました。

Dscn2090 正祥釜ー富田 正さん作。オリジナルの釉薬が嫌味のない独特の色合いを作り出します。他の展示されて作品にもかなり刺激を受けました。

                                                                                

Dscn2087

                                                                   安見 勇人さん作。抹茶茶碗ですが、小ぶりなフォルムなのでいろいろな用途のイメージが出来ます。他の作品も優しい感じがして、ほっこりとした料理に使いたい作品です。

                                                                                                                  Dscn2084 陶工房 篠原 希さん作。粉引の作品や焼締の作品がとても魅力的な篠原さんですが、今回はこちらをご紹介。右の器は何か料理を盛って見せてくださいと、頂きました。なぜかしら、篠原さんの作品にはぐいぐい惹かれます。 これ以上の言葉は見当たりません。。

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