高麗橋桜花 徒然日記ー料理人はどこまでできるのか ー

「高麗橋桜花」店主・「大阪食文化研究所」主宰森田龍彦のブログです。どうぞご贔屓にお願い申し上ます。

「天王寺蕪の会」石橋さん訪門。

2005-06-29 | 農業・食育・食文化について

 カフェ sangmiさんでの昼食を頂いた後は、【浪速魚菜を守る会】でご一緒させて頂いてます、石橋氏を訪問させていただきました。石橋さんは「天王寺蕪の会」でも中心的なご活躍をされ、浪速野菜にかなりご精通されております。また、今でこそ引退されましたが、少し前までは大阪は木津市場内でお漬物やを営まれておりました。今でこそ、毛馬胡瓜などをちらほらと見かけえるようになりましたが、石橋さんは今の流れに先駆けるように天王寺蕪や毛馬胡瓜・大阪の伝統野菜を使ったお漬物を自らお作りになっていたのです。

  これも何かのご縁でしょうか、石橋さんのご自宅は私の家から比較的すぐのところにあります。ほんの数十年前までは、この住吉区一体は大阪の中でも大農作地域だったそうです。そして、そこで植えられている野菜こそは、一時期は姿を消しかけた浪速伝統野菜たちだったのです。しかし、この住吉のあたりは第二次大戦を前後に大量生産できる作物へと切り替わって行きました。 また、昭和30年台になり大阪府下全域でも宅地化や通年性の農作物への移行のために毛馬胡瓜はその姿を次第に見せなくなったそうです。更に毛馬胡瓜に関して言えば、この種が農協や種子やの管轄ではなく、各家での管理であったことも衰退のきっかけであったようです。 このように大阪の野菜はその時々の時代の流れに翻弄されながらも、また同じ人の手によって復活しようとしているのですから不思議なものです。
 
  当時の毛馬胡瓜の食べられ方としては、ざくざく(小口に切ったものを土佐酢で合えたもの。蟹の身や鶏の笹身を加えてもよい)や浅漬け、奈良漬にして食べていたそうです。更に熟して大きく黄色くなったものは、皮を剥き種を取り除いて炊いて食べたそうです。大きくなるにつれて苦味を強くなり(ククルビタシンの言う成分でにがうりの苦味成分と同じ)、ゴーヤチャンプルの油で炒めて食べても美味しいようです。

  他にも石橋さんはいろいろと浪速野菜の復活へのエピソードなどを聞かせて頂きました。石橋さんの野菜に対する思いは非常に熱かったです。そんな石橋さんに「天王寺蕪の会」で料理の手伝いをして欲しいと言って頂いた時には、素直に嬉しかったです。ご迷惑にならないように、今まで以上に精進しないと。

【土佐酢】-だし200cc・薄口醤油50cc・砂糖50g・酢300cc・出し昆布一片を火にかけ、よく混ぜて砂糖を溶かす(沸騰しないように)。 砂糖が溶けたら火を消す。かつを節 軽く一掴み入れ(これが追いかつお)、冷まして使う。

          

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カフェ sangmi を食らう。

2005-06-29 | オススメなお店
  •     じめじめした天気が続きますが、お元気ですか?
     今日の先日このブログでも書いたカフェ sangmiへさっそく奥さんといっしょに行きました。朝方は晴れ間もあったのですが、昼頃にはも強い雨が降ってきました。店についたのは12時過ぎだったのですが、雨にも関わらずお店は女性のお客様でいっぱいでした。
     ふたりで本日のプレート (こだわりの澤さん玄米カレー)と日替りのSangmiヘルシープレート(メインは鶏の黒酢炒め)を頼みました。意外と日本料理では玄米を使う事はないのですが、玄米を圧力鍋で炊いているみたいでとてもおいしく頂けました。野菜もたっぷり使われていて、外食ではどうしても多くなるたんぱく質・脂質が抑えられていましたね。食後のデザートも豆乳プリンの黒蜜がけとこちらも健康に気を使われたものでした

  今、巷にはおしゃれなカフェは山ほどできてますが、なかなかここまで店のコンセプトがしっかりしていて、また実行されているお店も少ないですね。一緒に行った奥さんも納得のランチでした。  大塚さん・お店のスタッフの皆さん、これからも体にも味覚にも美味しい料理を期待してますよー。

   「家で食べるより健康的な外食」は私も大事にしたいことの一つなので、大変参考になりました。

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事務所訪問(その2)。

2005-06-28 | 筆者の徒然なるままに

 (その1)からご覧ください。
 今日、笹井さんを訪問させて頂いた理由は2つありました。
一つは今、自分が考えている創業について一度お話を聞いて頂きたかったから。
もう一つは、8月に浪速野菜の使った料理(毛馬胡瓜の予定)を講習会の中で発表して欲しいという依頼がありまして(何度も私でも良いのですか?とお尋ねしたのですが、是非にということだったので。勿論、この機会を与えて頂いた事に感謝しつつ、できる限りのことはさせて頂きます。) この資料や食材についてのアドバイスを頂きにお忙しい中、笹井さんに時間を割いていただいたのです。(前日まで機関紙の【浮瀬」の編集で大忙しだったそうです)
  ここでも、いろいろな貴重なアドバイスを頂き、ほんとに感謝の気持ちでいっぱいでした。創業については、思いはよく伝わると褒めて頂き、またブログでの情報発信についても賛成していただきました。(なので、今このブログがあります) 料理については数点のアドバイスのほか、資料のアドバイスも頂きました。 後日、このアドバイスを頂いてできた料理をこのブログで発表したいと思いますので、お楽しみに。
 最後に、笹井さん曰く「ほんまに凄い人は、言うことと行動がぶれない」そうです。道のりは険しいですが・・、がんばります。

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【浪速魚菜を守る会】事務所訪問。

2005-06-28 | 筆者の徒然なるままに

  私がこのような活動をする大きなきっかけが【浪速魚菜を守る会】を通じての人との出会いです。 今日はこの会の代表者であります笹井さんを訪ねて【浪速魚菜を守る会】の事務所に訪問させて頂きました。
 今回はまず、私と【浪速魚菜を守る会】の始まりを書きたいと思います。
 はじめて、私がこの会に参加したのはおよそ1年少し前でした。入会時はいい野菜が入手できればという思いと、料理顧問の【天神坂 上野】のご主人 上野 修三先生の料理が食べれるかもという、今から思うとほんとに軽い気持ちでした。(逆にその当時はここまでいろんな出会いや活動をすることになるとも思っていませんでしたが)
 事務所にお伺いさせて頂くのは今回で2回目になります。前回は今年の4月でしたね。それまでにもメールでは何度かやり取りはあったのですが、直接お話させて頂くのは、この時が始めてでした。それまで「別に美味しい野菜なら浪速野菜だけじゃなくても、各地で作られる美味しいもあるやん」と思っていました。でも、笹井さんのおっしゃった言葉が私の「大阪人」の私の心を揺さぶりました。
 笹井さん曰く「大阪で頑張ってる生産者さんがいる。せっかく同じ大阪でこだわって・ほんまもんの野菜をつくってくれているのに、大阪の人間が黙ってみてられへん。自分が食べて、びっくりするくらい美味しい野菜が黙って消えていくことへの危機感ですね。」
今でこそ、緑も少なくなり・由緒ある多くの料理屋が姿を消した大阪ではあるが、私にとっては大切な故郷なのである。この時、素直に何か大阪人として何かできることがしたいと思ったのである。 以前にも書かせて頂いた上野 修三先生の勉強会に始めて参加したときに掛けていただいた言葉「自分の出来る範囲で良いから始める」が思い出されました。

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カフェ sangmi

2005-06-27 | 創業について
 今日はサンソウカンでセミナーに参加しました。
 セミナーの講演者は大阪の阿倍野にある カフェ sangmi(サンミ)のオーナー 大塚三紀子さんでした。大塚さんもスタッフの皆さんも若くて・綺麗な女性ばかりです。すごいでしょ!!

 大塚さんは自身がOL時代に満足がいく、毎日安心して食べられるお店がなかったそうです。なので、自分でその要求に答えられるお店造りを目指したそうです。店名のサンミは美容の【美】、みのり【実】、からだ【身】を大切にしたいという思いから生まれたそうです。後日、お礼のメールを送らせて頂いたのですが、忙しいのにも関わらずすぐに返事が頂きました。私の僅かばかりの経験則から言わしてもらうと、このようなやり取りの迅速な方はすごく前向きで・行動力のあるかたが多いです。見習わねば・・。

 実は恥ずかしながら、私はほとんど毎日店の前を通っているはずなのに、今まで知りませんでした。お店は毎日多くの女性のお客様で満席だそうです。それだけ「玄米と季節の野菜をたっぷり提供できるお店」というとコンセプトがしっかり定まっていて、またそのニーズに対応できているということですね。また、機会を見つけて行きたいと思います。(流石に中年の男1人では恥ずかしいので、妻についてきてもらおう)

 講演中もすごく元気で明るい表情が印象的な大塚さんでした。


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