高麗橋桜花 徒然日記ー料理人はどこまでできるのか ー

「高麗橋桜花」店主・「大阪食文化研究所」主宰森田龍彦のブログです。どうぞご贔屓にお願い申し上ます。

浪速野菜と食育

2005-08-31 | 農業・食育・食文化について
 DSCN1015
 今日は9月に保育園で行われる浪速野菜を打ち合わせ。現地の保育園まで森下先生が足を運んでくださり、保育園の方と私を含めた4人で打ち合わせしました。
  この保育園は小規模なのですが園庭にはぶどうや朝顔が植えられ、また月に何度か食育の一環として園児自ら簡単な調理に参加したりととても真摯に子供の教育に取り組まれている保育園です。

  当日植えられる野菜は天王寺蕪と田辺大根の二種類に決定しました。まず、森下先生から簡単な野菜の説明をして頂き、その後「天王寺蕪の歌」と「浪速野菜の歌」を森下先生自慢のバイオリンと園児の打楽器とコーラスのコラボレーションすることになった。先生はこの歌の他にもトトロやドラえもんの歌などの隠し玉で園児を虜にするのがうまいんです。
 
  この保育園は大阪の住吉区にあるのですが、この地域には昔から遠里小野の姫瓜、住吉の若菜などの大阪でも指折りの大農作地帯だったそうです。今では面影を偲ばせる風景はほとんどありませんが、今回の活動の中で少しでも子供達が土や食にふれあえればと思っています。  とにかく、子供達がどのような表情を見せてくれるかとても楽しみです。

  ちなみに上の画像は保育園の園庭です。こんな感じで浪速野菜達も植えられます。

  

 

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農業の現状の問題点

2005-08-30 | 農業・食育・食文化について
 26日は東果大阪さんを訪問後に、野菜のソムリエで有名なベジタブル&フルーツマスター協会の理事長講演会に参加してきました。
 今回は、前回参加者の中から生産・流通・販売の各1名の方に、実際の経験の中で感じる問題点を発表していただき、参加者でディスカッションしていていくと形で行われました。
 まず、現状として輸入作物がカロリーベースで60%輸入に頼っているということ(先進国で最下位の食料自給率40%)耕作放棄地が年5,1%増加していること。生鮮野菜の家計消費の割合年々悪化していること。2003年度の総農家戸数298万戸の内、40歳未満の就農者が1,2万人しかいないこと、があげられる。
 
 生産者の方の問題点ー機械化が進み、コスト・収容場所が増大。生産量の不安定(露地栽培は特に)。市価価格に翻弄される(輸入品の増加により、大きな減少はあるが、高騰はない)。周囲の住宅との折り合い。休みがない。後継者不足。
 
 流通の問題点ー安いから多くを買う時代ではなくなった。輸入品の増加により、国内の価格形成も低調。人気商品への集中。

 販売の問題点ー農協や流通業は固定手数料のため、近年の農産物の価格低下により利益が悪化。市場手数料がかかるため生産者の取り分も少なく、農産物の値段もあがらない。先進国においての販売は価値観の違いをカバーすることであり、生鮮食品での対応はかなり困難。

  解決策ーマニフェストにも自給率を上げると謳う政党もあるが、具体的な対策は示されないのが現状。生産者がもっと充実した環境において、生産活動できることが急務。たとえば、生販一体の流通・生産者の集合体による広域的大規模農業など。
農業を活性化するためにはもっと「食」を見つめ直し、生産者のエンドユーザーを外食産業に移行し、より魅力的な食を広めていくことも大切。

 初めは野菜の知識を学ぶために取得した資格であったが、資格取得後もこのようにいろいろなワークショップや交流の場があるとは全然知らなかった。福井理事長の問いかけや協会のシニアアドバイザーの松野氏の補足のおかげで、とても充実した講演会になったように思われました。もちろん、参加者の方々が資格保有者だからこそ、一歩踏み込んだ内容の話し合いができるのでしょう。

 野菜のソムリエって、今どきの流行の資格のように思われることもあるかもしれませんが、決してそうではないのですよ。
 

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東果大阪さんへ訪問

2005-08-27 | 農業・食育・食文化について
 今日は大阪は東部中央卸市場にある東果大阪の辻岡さんにお会いしてきました。
 辻岡さんは「浪速魚菜の会」創立時から参加されており、大阪府下の生産者さんや奈良・和歌山などの近郷部を取り仕切っておられます。
 大阪市場で珍重される京野菜の流通に対して、大阪から渡った九条葱や水菜を大阪でそんなにもてはやすことになるのだろうか、大阪にも立派に野菜を作っている生産者はいるのにと強く思ったそうです。
 また、辻岡さんは値ごろ感という言葉を心掛けいるともおっしゃていました。心に残る値段設定はしたくないそうです。簡単に説明すると、昨日100円で買い損ねた野菜が、今日は200円になっている。昨日買えば良かったという思いをすることなく、鮮度も価格も安定した商品提供を行いたいといつも思っておられるそうです。誰かが利益を独占するというのではなく、買う人・売る人・作る人という三身一体の関係がすべてバランスのとれた、良い関係を保てることを念頭において野菜の流通に携っているともおっしゃっておりました。
 他にも今の無農薬・有機野菜に対しての消費者の過剰反応や野菜を取り扱う気配り、市場のニーズを調べてそれを生産者にフィードバックすることの大切さや市場の卸において野菜は8分5厘、果物は7分の金額を必ず上乗せしないといけないと法律で定められていることなど、いろいろと教えて頂きました。
 今回、お話させていただいた東果さんの取り扱い高は447億円(平成16年実績)で、大阪の地場の葉物野菜に関しては80%のシェアーを占める大阪でも有数の青果荷受会社です。そのような会社にも関わらず、辻岡さんは私の訪問に関して快く接していただき、いろいろとお話してくださいました。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。
 また、後日一緒に大阪の生産者さんの訪問に行くことになりました。主に河内の方に行かれるということなので、今からたのしみです。
  
 
 

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料理監修のお仕事

2005-08-26 | 筆者の徒然なるままに

 大阪のある施設からレストラン部門の料理の監修の依頼があり、今日現地を視察してきました。
 現在はほとんどがバーべキューを提供するスペースとして使われたいるのですが、あんまりお客様の評判が良くなく、特徴も無いようです。以前、にこのブログで紹介した浪速野菜の松花堂弁当の話をある方にしたことろ凄く褒めて頂き、もしよければ料理の監修をしてもらえませんか、と今回の依頼が私に来ました。
 現地は、大阪市内から一時間で来れて、小川のせせらぎとハイキング、温泉があるところで、ロケーションとしてはなかなか良く、環境や施設のなかなか良い感じでした。ただ、今は近郊の方の利用に限られて、知名度もかなり低めみたいです。(実際わたしも知りませんでした)
 今日は簡単な下見と現状調査のみでした。また、完全にこの話が決まったわけではないのですが、良い食材が周りから集まってくるみたいのなので多くの方に喜んでもらえるような料理を提案できれば私自身も嬉しいのですか・・。
 また、正式に決まれば発表したいと思います。

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初めてのアン・ドゥ・トロァ

2005-08-24 | 料理日記

 台風が近づいているせいで、今日は涼しいですね。
 今週から大阪にある某有名なフレンチ店(東京の本店の方が知っている人も多いかもしれませんね)のスタッフとして働いています。
 以前からそこで何度か食事したことがあり結構気に入ってましたので、求人募集を見たときに思い切って申し込んでみました。
 今はとりあえず研修期間です。昨日のキッチンミーティング(なぜ研修中の身でありながら参加させて頂き)でも社員になるようにお声をかけて頂いたのですが、とりあえずは現状維持ということにしてもらいました。
 オーダーはもちろん、フランス語です。なので、今は必死にキッチン内で使われてるフランス語を覚えてます。
 このブログでも、和食のメニューだけではなくて、簡単なフレンチもご紹介できたらと思ってますので、お楽しみ。
 
 アン・ドゥ・トロァ ダー!!

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