快気分析

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仕組みとアプローチ -  換気をある程度は行っているのにウィルスが部分的にでもショートサイクルしてしまうケースの例

2020-08-28 09:16:28 | 新型コロナウィルスやパンデミック
 新型コロナウィルス感染拡大に対して、オフィスなどの換気を十分にしてウィルスの密度を減らそうとする事が多いようです。
 無論、換気は少ないよりは多い方が良いケースが殆どなのですが、しかし十分と思われる換気をしてもウィルスがあまり減らない事も少なくないのでその例を挙げてみました。

 第一のケースは室内から屋外へ排気する空気(EXA)取入れ口と、室内空気を循環する空気取入れ口が異なる場合で、後者の方の近くに新型コロナウィルス発生源となる感染者がいた場合です。
 このケースではウィルスが室内循環する割合が高くなります。
 第二のケースは、室内から屋外へ排気する空気(EXA)取入れ口と、室内空気を循環する空気取入れ口が同じである場合(還気、RA)で、これなら上記の問題はあまりないのですが、外気と室内循環空気を合わせて吹き出す所の近くに新型コロナウィルス発生源となる感染者がいた場合が有ります。
 このケースではウィルスが室内でショートサイクルする率が高くなるはずです。
 第三のケースは、排気(EXA)と外気(OA)を全熱交換する場合に、その全熱交換機がウィルスを透過させてしまってウィルスが送気(SA)に入ってしまい、ショートサイクルするパターんです。
 全熱交換器には静止型とローター型が有り、静止型では上記に問題が否定できず、ローター型だと更に全熱交換するエレメントが外気と排気に交互に接するようになるわけでこれではウィルスはショートサイクルする率は更に高くなります。
 第四のケースは、仮に排気(EXA)と外気(OA)が全熱交換機でショートサイクルする部分が仮に無かったとしても、排気が屋外で吹き出された所から、外気取入れをする取入れ口まで風などによる気流でウィルスが部分的にでもショートサイクルしてしまうパターンです。
 これは外気取入れ口と排気口との位置関係や距離、そしてその時の風向きなどによります。

 以上が「換気をある程度行っているのにウィルスが部分的にでもショートサイクルしてしまうケースの例」です。
 また全熱交換機によって外気負荷(夏は外気の冷房負荷や除湿負荷の分、冬は外気の暖房負荷や加湿負荷の分)をなるべく少なくしようとしているわけですが、例え全熱交換機と言えどもその効率は100%では有りません。
 そして仮にですが「換気をある程度行っているのにウィルスが部分的にでもショートサイクルしてしまう部分が無かったとしても」、換気を従来の2倍にしようと思ったら外気負荷もほぼ2倍になってしまうわけで、それだけエネルギーを使います。
 なので現状の室内の二酸化炭素濃度基準である1000ppmを仮にクリアできていても、今は新型コロナウィルス感染対策で更に多く換気するか、でなければ室内の人口密度は減らす必要が有る事になります。
 後者の方の「室内の人口密度を減らす」と言う事は、確かにソーシャルディスタンスをそれだけ確保できる事にはなりますが、一方では人が集合する建物空間の利用効率がその分だけ悪くなると言う事であるわけで、つまり経済性が減ると言う事にもなります。