武内 ヒロク二

このブログは、武内ヒロクニの絵の紹介や、家での出来事を妻が語ります。
日々、徒然。

まんじゅうの巻

2009-08-15 13:30:37 | Weblog
毎日新聞夕刊(東京都内版)2006年8月15日(火)掲載のえ

ラバウルの海と太陽

マンガ家であり、妖怪研究家の水木しげるさんの月1回のぜいたくは、原稿料を貰って、懐が暖かくなると買った「ふくふく饅頭」。この饅頭は、人さし指と親指で囲んだくらいの大きさで、こしあんが茶色の皮が覆っていて、黒糖が口の中に広がる。美味しいこと!!戦地で生き残った体験から、人間は飢えると、食うことだけに集中するようになるという。焼け野原になっている帝都を見ても平気になり、腹減った、腹減ったとそればかりになる。食べるものがないのは辛いが、うまい物が在りすぎるのも不幸かなと語ります。

ヒロク二さんは戦争中、飢えたことはなかったらしい
戦中は、ヒロク二さんは子供で、母が学校の教員だったので、徳之島から引き上げ、あの町、この町と九州を転々としたという。若い母が、子供達を防空壕へ動員する中にヒロク二さんも混じって移動した。そんな事もあって、いろいろな方から物資(食べ物)を提供があり、食べ物には、不自由したことがなく、母と子でいろんな所を転々とする暮しを不思議に思ったといいます。(父は戦地でいない)

実は、わたしの父とヒロク二さんは同い年で、わたしの父は飢えた子供時代をどうやって乗り切ったか?という話をする。弟のおかずをくすねるワザとか、配給のパンを弟に預けて、2度並ぼうと知恵を絞って並んでみたりするが見破られて、トボトボと帰ると弟は我慢できずパンをすっかり平らげていたりと身振り手振りで笑ったり怒ったりしながら話してくれるので、お腹を抱えて笑う。そんな時、ヒロク二さんは「私もそんな思いしてみたかったねぇ」と真剣に云う。その言葉を聞くと、父は哲学的な面持ちで「人間は、腹が減るのがいかん」と実感を込めて話す。2人して、なるほどと頷き合ってるの。

コメント
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