田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

『めぐり逢い』(94)

2019-07-26 10:14:19 | 映画いろいろ
『めぐり逢い』(94)(1995.3.9.ワーナー試写室)

   

 仕事とは言え、この映画を見るのはあまり気が進まなかった。何だか、ウォーレン・ベイティとアネット・ベニングの結婚に至るまでの道のりを、映画を使って見せられるような気がしたからである。しかもその映画は、舞台はゴージャスで、リメークするには手頃な『めぐり逢い』(57)ときた。その厚かましさや目の付け所のうまさは、いかにもウォーレン・ベイティという感じがしたのだ。
 
 案の定、この映画には何の新しさも感じられなかった。しかも、同時期に同じように『めぐり逢い』から派生した傑作『めぐり逢えたら』(93)の存在があるだけに、ただ前作をなぞって、自分の都合のいいように作ったこの映画の弱さが余計に目に付く。
 
 ただし、スタッフにロバート・タウン(脚本)、コンラッド・ホール(撮影)、エンニオ・モリコーネ(音楽)という大物が名を連ね、キャサリン・ヘプバーンまで登場するに至っては、彼らを動かして、自身の結婚記念映画を撮ってしまうベイティの、ハリウッドにおける大物ぶりを垣間見た気がしたのもまた確かである。
 
【今の一言】結構辛辣なことを書いているが、アネット・ベニングは好きな女優だったので、ベイティに対するやっかみやうらやましさもあったのだろう。
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『めぐり逢い』

2019-07-26 09:49:14 | 1950年代小型パンフレット
『めぐり逢い』(57)

    

 豪華客船の中で偶然知り合った画家のニッキー(ケーリー・グラント)と歌手のテリー(デボラ・カー)は、互いに婚約者がある身でありながらも恋に落ちる。2人はエンパイアステート・ビルの展望台での再会を誓うが、再会の日、テリーはビルに向かう途中で事故に遭ってしまう…。
 
 レオ・マッケリー監督が自身の監督作である『邂逅(めぐりあい)』(39)をセルフリメークしたメロドラマの名作。グラント、カーという成熟した美男美女が、すれ違う男女という常套手段の中で“大人のラブロマンス”を繰り広げる。
 
名画投球術 No.14 いい女シリーズ4「正真正銘の“美女”が観たい」デボラ・カー
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/be594f2a790e1b4a23a8b68236557b94
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