フェンネル氏の奇妙な生活

気付いた世界の中の小さな出来事と水彩画と時たま油絵と思いついたことを爺さんが一人語りいたします。

夢の坂道

2013-10-06 08:02:23 | Weblog
夢の坂道は木の葉模様の石畳・・・なんだったかな忘れてしまったけど僕は山肌にへばりつくようなツバ山の急な坂道を描いた。

この坂道を登る人は今はもういない。800年、900年、1000年くらい前から営々と受け継がれてきた人々の暮らしが消えようとしている。平家の落人伝説の残る村、この急な坂道がかすかにその伝統を伝えている。家はまだ2~30軒あるのかな。そのほとんどが廃屋だ。
この村で暮らしているのは年寄り3人。最近アイルランド人のムーアさん一家が来たから全部で5人と聞いている。車の道が通ったから暮らしが多少便利になった。車の道が通ったから人々は山から出て行った。残ったのは年寄りだけ。その年寄りも一人二人と欠けていった。まるで絵に描いたような過疎の話だけどここの人たちにそんな悲惨さは感じられない。誇りすら感じる。それが平家の落人伝説からくるものなか分からないけど今もってミカドをお守りしているといった感じがする。この坂を上がったり下りたりしながら遠い昔のことを思った。土佐の隠れ里、日本のマチュピチュ「ツバ山」日本で最後まで焼畑が行われていたところ。ここに小学校があって子供達の声で溢れていた昔を知ってる人は少ない。最近はムーアさんが自然農業を教える教室を開いたりで訪れる人もいると聞く。この景色、この自然ずっと続くといいね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする