フェンネル氏の奇妙な生活

気付いた世界の中の小さな出来事と水彩画と時たま油絵と思いついたことを爺さんが一人語りいたします。

人の顔

2018-01-08 07:58:42 | Weblog

人の顔を描いている。なんの思い入れもないただ頼まれたから。似てないとまずい。と思いながら。これが似ないんだな、なかなか。思い入れがないからかな。オレって思い入れで描くタイプなんだとブツブツ。頼まれたのは4年前かな。「この人、うるさいから死んでから描いたほうがいいわよ」って言ってくれたから放っておいたんだけどそろそろ絵も描けるようになったかなと思って描いてみたんだけど恥ずかしながらの出来でボツ。またデッサンを繰り返している。写真を見ながら、「こいつ年寄の癖に意志の強い目をしてる。これが描けないんだ」と嘆く。まぁ普通の年寄なら絵を描いてくれとは言わないか。武家の凛とした婆さんをイメージしないとダメなんだろうな。武士というのは姿勢がいいんだよな。スッとしているというか「いつでも人を斬る」という姿勢を教え込まれているんだ。これは女でも同じ。スッとしている。これが養育の伝統なんだろうかね。それが顔にも出ている若いうちはいいけど年取るとヘンに目だけが若い。この微妙さが難しいんだ。腕のいい人なら何ともないんだろうけどオレなんか児童画の域を出ない者にとっては線描では無理だな。油絵で荒くたく描けば何とか様になるけどそんな絵はいらないだろう。水彩で喜んでもらえるように描くにはまだまだ日にちがかかりそう。人の顔は履歴書なんだから天に唾吐くような生き方はするんじゃないぞと自分自身を戒める。人の顔って難しいね。それでも正月から人の顔ばかり描いてるけど。恥ずかしながら懲りないもんで。

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