ああっ、なんてことだ!
一番恐れていた事態が起きてしまった。
途中で狂って、どうしようもなくなって、持ちこたえられなくなって、停止。
すぐ弾き始めるも、また狂いだして、持ちこたえられない・・・、停止。その連続。
あと数小節なのに、ものすごく遠く感じる曲の終わり。
行き着けないかも???
曲は、無残に切り刻まれて、つぎはぎだらけで、聴くに堪えない支離滅裂さ。
あわれ、アイガットリズム・・・。
許せ、ガーシュイン!
悪夢だったらいいのに。
結局、こういう結果で終わってしまった。
1曲目、ノク8は、聴かせどころはことごとく失敗してしまう。怪我も多かったけれど、停止には至らず持ちこたえ、まあ60点。
2曲目、サウンドミュージックは、技術的にはバイエル級なので、これは及第点。
3曲目は、上記のとおり、自分の発表会史上、最悪。聴いてくれた人を恐怖に陥れたはずで、メルトダウンだ。
ミューズは微笑みかけてくれず、舞台の魔物の餌食でした。
気を取り直して、今回の発表会の
宗次ホールについて。
席数は300ちょっとで、室内楽のホールとしては、名古屋屈指の音楽ホールです。
ほんとうに、類い希な音響で、名だたるピアニストたちが弾いてきたスタインウェイは、極上。ほんとうに素晴らしかった。
ふつうは、ピアノから音が鳴っている感覚だけれども、この日は違った。
ピアノの音に包まれてる感じ。ピアノの中でピアノを弾いてる感じ。
あまりに響き、音がいいので、自分が弾いているとは信じがたく、演奏中は現実感がなかったなあ。映画のスクリーンの中に潜り込んでる感じ。
なんなんだろう?この感覚は!
天国のようなピアノで、人前演奏の地獄を見た、生涯忘れ得ない発表会になると思う。
思うところはいろいろあるれど、また折を見て、書くとしよう。
最後に、この場を借りて、たいへんなお耳汚しをしてしまったこと、発表会で聴いて頂いていた皆様に、深くお詫び致します。
楽屋へ至る回廊
このホールで演奏をした歴代の奏者のパンフが続く
フルコンよりも、もっと大きく感じたスタインウェイ