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「やさしい漢詩展」の案内状を知人から手渡しされた。知人は「漢詩の同好会で学んでいる、厳しい指導だが創作はたのしい」そんな話は聞いていた。案内状をもらい、広辞苑で漢詩の意味を調べた。「中国古代の詩。漢字でつづった詩。和歌に対する呼称。平仄(ひょうそく)・押韻などの規則がある。古詩・楽府(かぶ)・絶句・栗詩・排葎などの種類がある」。理解の道は混乱するだけ。漢字でつづった文章は高校の国語で習った漢文だけ、それでも「後学のために見ておこう」と出かけた。
受付で渡された作品一覧の表紙に岩国検定でも話題になった「釋月性」の画像が描かれていて、厚い壁と思っていた漢詩への思いが少し薄くなった。最初に目にした作品はその「釋月性」の生まれた妙円寺を訪ねられた時の作品が並ぶ。作品に使われている語句の真の意味は解せないし、返り点もない。しかし、そばに漢文で習ったような読みがつけられていて助かった。
他にも訪れた由緒ある地、身近な景勝地などが作品となっている。作品は1行7文字で4行の28字、使われている漢字それぞれには意味があり、その集合体として詩になって奥深い味わいがあるようだ。訪ねた時の写真や絵が背景にあり作品への趣を増してはいるが、やはり難しそう、そう感じるのは漢詩初めての者。
「現代社会(パソコン)においてとかく漢字文化に疎遠がちな今日、漢詩を通じて色々な言葉を知り、歴史や自然の情景を伝えたいという願いから開催した」と主催者。漢詩は目にしたままだと硬さを感じるが、風景や身近な出来事が作品の題材になっている。私も短いエッセイを書いて楽しんでいるが、そこに共通点のあることを知り70作品を鑑賞した。写真は妙円寺を訪ねた時の知人の作品。