
「弁当も値上がりしとるね」、スーパーの有名弁当売り場の特設コーナーを見ながら同年配くらいの人が会話しながら立ち去った。「美味しいですよ」と呼びかける何種類もの綺麗で見栄えのする包装紙が客の手を待っている。遠くは東北や北陸からはるばるやって来た弁当、聞いたことのある弁当名もあり「美味そう」、そう思いながら眺めて通る。
今月から値上がりした食品も多い。その上げ幅が数%くらいでは驚かなくなったからでもないだろうが10%は珍しくなく、20%を超える商品もある。その値上げ理由は輸入原材料の上昇が必ず顔をのぞかせる。原油安が上昇に転じことで、ガソリンなどの小売価格もそれにならえとなった。運賃コストの上昇が食品へ跳ね返るのも近々だろう。「一箱を5日で食べていたが、最近は1週間に延ばした」という会話。表現からその物は食品と思うが、これも出費を抑える策だろうが、何か寂しい。
先日の報道では個人消費は消費税増税後からいまだ上昇に転じないという。輸出の増大がGDPを引き上げるという教科書の教えは、そうではなく個人消費の伸長に寄ると数年前に転換された。日本経済は個人消費の伸びに掛かっていることになる。年金は下がり物価は上がる、社会保険料は年々増額、消費金額増のための有効策を見出さねばいけない。
閉店した近くのスーパーの解体が進んでいる。そこの新たな活用についての噂が聞こえる。噂なので何とも言えないが、閉店後の人通りが心なしか少なくなったことを覆すにのは無理かな、という気がする。昨年のこの頃は消費増税前で売れて売れての報道が続いた。今、値上げ値上げで消費は落ち込む、この解決策、どうなるのだろう。「懐を締めて歩めよ高齢者」。