
21日から第87回選抜高校野球大会が始まる。県内からの出場は中国地方枠から宇部鴻城高校が12ぶり2回目の出場。大会8日目第2試合で群馬の健大高崎高校と対戦する。この健大高崎は昨年の選抜に出場した岩国高校が対戦し敗れた学校、何の因果か連続して1回戦が同じ県との対戦となった。お互い爽やかなプレーを期待する。
高野連加盟は4千余高校、その部員数はおよそ17万人という。 選抜出場は21世紀枠などを含めてわずか32校、夏とはまた違った厳しい出場要件を獲得した選手らの高揚感はいかばかりだろう。選抜に出場出来なかった野球部員、今年の夏こそは、と新たな練習が始まっている。新入部員を迎える前の練習風景、フライの補給練習を高台から見下ろす。
ノックしているのは監督だろうか、遠くてよく分からない。部員は100メートルくらい離れて丁度10人が待っている。1打ごとに球の行方を追う。補給を終えると必ず大きな声を出す。落球する者はいない。徒然草の弓射る人はこの一矢に気持ちを込めろる項を思い出す。一つの落球がポジション争いか外れるかもしれない重要さを選手はよく知っている。
ノッカーは近く遠く左右に打ち分ける。部員は自分の補給が終わると列の後ろで屈伸運動をする者もいる。こうした意識がやがて大きな芽になるのだろう、自分には未経験のことだが勝手に思いながら眺める。時々、ノッカーのバットは指示を出す仕草に見える。次は我らが甲子園に、部員らの声がそう聞こえる。桜の大きくなったつぼみもエールを送る。