日々のことを徒然に

地域や仲間とのふれあいの中で何かを発信出来るよう学びます

古い柱時計

2015年08月19日 | 回想


 私の小学校のときから在る古い時計店、ふと入ったら古い柱時計が10数個掛かっている、そのなかの一つは修理中という。100年を超える時計と教えられたそれの振り子が左右している様子が丸いのぞき窓から見える。そんな中に祖父が大切にしていた柱時計にそっくりな形のものがある。懐かしくしばらく眺めた。

 子どもころ、我が家の柱時計は一番背の高い柱に掛かっていた。それのゼンマイ巻は祖父の担当だった。踏み台の上に立ち、文字版にある左右の穴にゼンマイ回しのネジを指し込み、数をかぞえながら回していた。左右同じ巻き数にすることをいつのまにか学んだ。小学校6年くらいになると祖父に変わってネジを巻いた。ジージーとゼンマイが締まるに従い強い力が必要になった。

 父は腕時計、祖父は懐中時計を持っていたので我が家の時計は合計3個だった。父も祖父もギイコギイコ竜頭を回していた。時間合わせはラジオに頼る他はなかった。柱時計のネジ巻は、祖父の経験から何日目かに必ず巻くので時計が止まっていた、という記憶はない。そのお蔭で通知表に遅刻した記録は無い。

 20年と少し前、新築記念に柱時計を購入した。お店お薦めの品は高額で我が家には少々不釣り合いな金額だったが、そこは現役、何とかなるだろうと求めた。今も正確に動いている。動力源は単2の乾電池だが電波時計ではない。大掃除の時に埃をふき取るくらいで日ごろはご無沙汰続き、いつか懐古する柱時計になれるだろうか。
コメント
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