
近在の今年の柿は大豊作という。昨夜、渋柿が届いた。寝るまでに皮をむき、糸を使って干し柿の準備をした。数日続いた雨模様は予報通り今朝は秋の空に変わった。さっそく渋抜きのため軒下に下げる。今秋2回の干し柿作り、明日も小春日和、渋抜きには言うことなし。初回と同じように旨いドライフルーツに仕上がるだろう。
昔風にいえば大百姓、広い畑の法面に何本もの柿の木がある。その渋柿や甘柿の木に鈴生りの柿が実るとその周りは別次元の世界に見えていた。何が不足なのか最近は実りの状態が良くない。猿が出没するというからそのせいかもしれない、猿は電気柵では防げないという。そんな法面の柿も終わりが近づいた。
猿が食べ残したのか、大百姓家が昔からの言い伝えに従ったのか梢に熟れた実が残っている、いや、木守柿として残してある。今年も沢山の柿をありがとうと労わり、来年もよく実るようにと願う気持を木守柿に伝える。その柿、さすがの猿もそこまでは手が届かないだろうと思える小枝の先端で、少し鄙びて見えるが頑張っている。
マレーシアの企業に出向した同期が「日本を離れて食べたくなった物の一つは柿」と話した。柿は手段を尽くしても手に入らないから日本から取り寄せたそうだ。その話の時、柿は日本の果実だということを知った。子どものころはおやつ変わりでもあった柿、今では収穫されないで熟し落ちていく。いつか、食べたいが食べれない、そんな時代のこないことを木守柿に祈る。