
ほころびたクモの巣に全長数㌢もありそうな蜘蛛が1匹とどまっているが、名前は知らない。いつからこの状態かは散歩の途中なので知る由もないが、棲みかたる巣の傷み状態からすれば長い時間が過ぎているように思える。体調数ミリほど羽根の有る虫が幾匹も巣に掛かっているが、こんな小さいのは餌に有らずというのだろうか。
昨日は啓蟄、新聞ローカル面は例年通り錦帯橋畔の松の木に、腹巻のように巻かれたコモの取り外しが大きな写真とともに載っている。取り外しに数日を要するそうなので、春を待ちながらまだ閉じ込められている虫も多くいる。巣を張るクモもまもなく餌が豊富な時期になる。こわれた巣を補修しておけよ、と注意しておこう。
息子が小さいころの話しを何故かふと思い出した。庭の木に架けたクモの巣を見て「クモは隣の木まで飛んでいくのか」と思いもしないことを問うてきた。クモが体から出した糸が風に吹かれて隣の木にくっついてから巣作りが始まる、そんな答えをしたように思う。どのくらい大きさの巣が作れるのだろう。
姿は寄り付きがたいがクモは肉食で米につく虫をよく捕る小さな猛獣で有益だという。その巣、早朝ウオーキングでは暗くて良く見えないこともあり、桜のトンネル通りではよく引っかかり、ネバっとした糸を除くのに苦労したことを思い出す。夜明が早くなり巣が見え始めると苦労は無くなった。そして、朝露や雨上がりにきらりと光る巣は芸術的で神秘的であったと思い出す。