
在京キー局のテレビ関係者は桜とその下での花見が大好きなように思える。連日、ニュース番組で開花状況を長時間放送していた。桜を嫌う人はいないが、度が過ぎるとうんざりする。ある人「地方は在京のTVの放送を見させてもらっているから文句は言わない」と寛容な精神を持てと諭された。今日、日本で一番早い満開宣言が出たというから少しは静まるのだろうか。
といいながら、快晴の下で同好会の花見。思い思いそれぞれの弁当を広げ乾杯。3人だけが本物のビール、断酒した人もありノンアルコールビールがその数倍、度数は無関係に宴は盛り上がる。桜の花びら散る中の宴と言いたいが、錦帯橋畔は咲き始め、桜ちらほらの下で親交を図る。明け方の冷え込みが嘘のような日和に恵まれた。
ところで写真、ちょっと悩ましそうな樹体は高齢化した染井吉野。一帯には幹が空洞化した老樹も多く見かける。空洞を通り抜けた竹は緑の葉を茂らし、それを囲むように桜が咲く風景もある。また、公園には樹皮だけの木に桜が咲く。支柱に支えられたその姿は痛ましい感じもするが、翁桜の風格を感じる。
数十年を超える長き、自然の風雪に耐え、短い開花期間に国中をよろこばせる桜、自然のありがたさや大切さを教えてくれる一つではなかろうか。パット咲いてパッと散る短い命の桜、それでも国中の人に感度を残していく。そんな老樹の姿に人格化を感じる。自分もそうありたいと思い続けていよう。