帰省した孫を新幹線の駅へ迎えにいく。乗車して第一声は「おばあちゃんの体調は」という優しい心持の問い。「今日は会えるから元気だよ」という返事に「良かった」と安心した表情に、運転しながらほろっとはしなかったが、優しい気持ちが嬉しかった
2カ国、半年余の留学。帰国して幾つかのレポート提出が終り報告にやって来てくれた。留学は卒業要件と聞いており欠かせない学習のひとつと知ってはいたが、初めての世界でどんな生活をしているか気にはなっていた。便りのないのはなんとかという諺を信じ待っていた。「ただいま、今、関空に着いた」という電話の声からひと月半、元気な様子にほっとした。
学んだこと、自炊の苦労、物価が高い、新しい友達と訪日で会う約束、楽しんだ小旅行、マイナス20度近い気温の経験まど、全て耳新しい内容ばかりを楽しそうに話す。話す姿から、留学から多くのことを学び、それなりに自分のものにしたんだと思った。心配していた乗り物酔いについて聞くと、笑いながら「飛行機で14回移動した」と外国の地で克服したようだ。
滞在中、生活の中で日本語は「留学先の日本語科の学生に指導」以外は無かったという。そんな中で生活を含む情報はどう入手したかと聞くと「全てスマホひとつから、不便はなかった」と答えるが、私には想像出来なかった。成長し大人びた孫は安心を残して夕方に帰っていった。