
アジサイ、対する葉の間から緑色の粒々の蕾のかたまりが見え始める。梅雨入り近くなると蕾は薄緑から始まって淡い黄色、白などとなどと色を変え大きくなっていく。雨の日が多くなると赤、紫、白などの濃淡をつけながら美しくなっていく。道筋にも垣根越しに見える庭にも公園にも色を競ういあうかのように短い生涯を華やかに見せている。
我が家は狭庭で土に植えるスペースがない。毎年、鉢植えで季節感を出している。今年は、昨年の母の日に孫のところから届いたアジサイを鉢に移し替え育てていた。所は変わっても季節を間違えること今盛りと咲いている。七変化というか何度か色変わりをしている。雨の中でも色の鮮やかさは残しているが、雨に打たれすぎると頭を垂れる。
ある家の軒したに咲いている20輪ほどのアジサイも雨に打たれ頭を垂れている。そんな中の一枝が仲間の垂れた頭を見下ろしている。そのひと枝は、そばに植えてある何本かの南天の幹の間を通り抜け、南天の頂き付近で花を咲かせている。我は王なり、そんなに思えなくもない自然のいたずら、裏通りで見つけた。
ドイツの医学者で博物学者のシーボルトが、恋人のお滝さんの名にちなみ「オタクサ」と命名したそうだ。アジサイの花言葉は色ごとに違うという。青は雨に耐えて咲くから冷淡・無情・辛抱強い愛情、白はパートナーと認め合う意味で寛容、ピンクは母へのプレゼントに人気で元気な女性や強い愛情とある。色が変わることから移り気、浮気、変節もあるとか。シーボルトは何色を送ったのだろう。