
朝7時半、庭に出ると何かが落ちている。飛んできた木の葉にしては少し違うな、そう思いながら近づく。しゃがんで見ると小さな始めている小鳥が、ねむったように伏せている。死んでいる、そう思って指で触ると頭を持ち上げ、目も大きく開いるがジットして動かない。ケガをしている様子は見当たらない。
正面から見ると、小さな小鳥にしては膨らんでいる。庭にくるメジロが見せる威嚇するような姿に、何かがあったのだろうと想像する。見上げるとカラスが電線にとまっている。もしかしたらあのカラスに追われ、死した真似をしていたのでは、このままではまた狙われるしノラ猫も来る、助けねばとかごを持ち出す。
保護しようとしたらぴょんぴょん跳ね始めた。やがて道向かいの家の花壇に入り込んだ。初めて見た小鳥、生き延びて欲しいと願いながら見送った。名前を知りたくFBにアップしたら折り返し「ソウシチョウ(相思鳥)」と回答をもらった。「鳥網スズメ目ソウシチョウ科。外来生物法で特定外来種ワースト100の選定種の1種」という。姿は小さくきれいな鳥だが大変な出会いをしたものだ。
つがいのオスとメスを分けてしまうとお互いに鳴き交わしをするため、相思鳥の名がついたと言われる。江戸時代姿と鳴き声が好まれ中国から輸入、日中国交正常化後はその数が激増した。届出を出している者以外の愛玩、観賞目的での飼育は禁止されている。生息が確認された場所はいずれも古くから環境が変化していない天然自然林で、都市化の進んだ地域で観察される例は少ないという。わが街は都市にあらずか。