
あるお宅の門扉に「監視カメラ作動中」と書かれたA4判の掲示が目に付く。何となく玄関の方を見ると小さな赤い灯りが見える。それが作動していることを示しているのだろう。そのお宅の前を通過するだけだが何かしゃんとしない気持ちになる。しかし最近はこうして録画された映像が犯罪捜査に利用されていることを思えば一定の役目を果たしているのだろう。
我が家は録画機能はないが来訪者を映像と双方向の会話ができる玄関チャイムを取り付けている。映像と声で来訪者が確認できれば安心して玄関に出れる。先日の日暮れどき、名乗らずに「ご近所でオール電化工事をしますのでご説明に上がりました。玄関までお願いします」、この手は複数回来ている。断ると門扉を力いっぱいたたきつけるようにして出て行った。扉は跳ね返って閉まらない様子を映像で確認しながら笑った。
顔を見せないで訪ねて来るのはメール。最近続いているのが世界的な通販会社名を名乗り「銀行が支払いを拒否しています。至急連絡を」と手続きを促すメール。そもそも発注していないので支払いは発生しない。さらに宛先が「お客様」で送信先が特定されておらず、誰でもいいから送っておけという事だろう。
夜はチャイムの上部に灯りをつけている。灯りがあると羽根のある小さな虫がやって来る。その来訪を待っているのは爬虫類のヤモリ、たまに見かけるのはさほど大きくないが、ガラス面でも貼り付ける四肢の指を広げじっとしている。ヤモリのお陰で玄関回りの虫が少ないのかもしれない。という事でヤモリを追い払ったことはない。