
渋柿の渋抜抜きには色々な方法がある。アルコール、炭酸ガス、焼酎、お湯、天日干しなど家庭でも簡単に出来る方法がいくつもある。我が家は渋皮を剥き軒下につるしている。吊し柿とも呼んでいた。これが半乾きの状態で、藁の上に転がして、さらに乾燥ささた柿を「ころがき(枯露柿)」といい、非常に甘いという。
今年は柿が裏作ということで渋柿のおすそ分けがいただけず諦めていた。そんな思いがどういう風に伝わったのか「よかったらどうぞ」と届いた。裏作ではと聞くと「平年の生りだった」という答え、市内も地域によってよって違いがあるようだ。柿は生らなかったが、柿の葉は紅葉を始めたという写真を拝見したばかりだった。
お目にかかったことの無い枯露柿。渋柿の皮を剥きヒモを付け吊り下げて乾かす。風とおしが良くて屋根のある所で乾かすという。まんべんなく半乾きになったら取り込んで手で揉んで種と果肉を離す。もう一度干して形を整え乾かす。次に藁を敷きその上に形をと整えて並べ平干しする。昼間は外で、夜は納戸に入れる。表裏をひっくり返しながら干し、白い粉がのってきたら出来上がりという。
こうして手間暇かかる干し柿が完成する。1個が500円以上というからそのうまさが想像できる。皮を剥くまでは同じだが、我が家の軒下で乾くまで待つとは大違いだ。付加価値をあげるという工程に長く携わった人の知恵を感じる。毎年散見する路上に落ちた熟柿を活かすことは難しのだろうか。いただいた干し柿は今年初物、仏壇に供えてからいただく。