「宮本常一が歩いた昭和30年代前半の日本」という主題で年代ごとに合わせて数百枚以上の写真、もちろん白黒ですが、説明つきで展示されている。
新聞記事で「何でこんな写真が良いのだ」と批評したその道の方がおられたという。展示してある写真は写真家が撮ったものではない。「普通の人々でも写真に残そうと思わない対象がほとんど」と解説してある。
戦後の本格的な復興期に入った昭和30年代。被写体は全国の農山漁村、都市と地方の普段の姿が撮られている。それを眺めているとこれらの変わりいく姿、時の流れが克明にうかがえる。衣食住の移りなどは懐かしく思い起こす写真も多い。
実際に見たり訪れた風景も幾枚かある。いやその時の原風景と言うべきかもしれない写真にその時を思い出しもした。徒歩と列車で移動しながら、訪ねた先で民家に泊めてもらいながらその土地の暮らしを記録し続けた資料、失ったものを思い返し考えさせる展示である。
「なぜパシャパシャとシャッターを切るのか」この民俗学者に聞くと「自分の頭で覚える代わりにカメラを使うんだ」と返ったそうだ。カメラをペン代わりに使った民俗学者、古いことを調べながらその記録の方法は今を先取りしていた。デジカメを宮本常一という民族学者に与えたら何が写し返されるだろう。
(写真:パネル展の様子とその中の1枚)
大島は古き時代が大事にされてますね。
先日のTVで「コナ」という喫茶店主が昔の道具を大事に収集されているのを放映していました。
前日の写真の左奥の道具 子供の頃家で使っていました。確か精米機?2つの出口からいいお米とそうでないのとが分かれて出てきたような・・・
それも手回しだったのかなあ??