日々のことを徒然に

地域や仲間とのふれあいの中で何かを発信出来るよう学びます

水中寒稽古

2020年01月02日 | 自然 季節

 白い道着に白足袋を履いた数百人の老若男女、外国人も交えた一団が国の名勝・錦帯橋を渡る、それも気合を入れる掛け声を発しながら渡る。その声は周囲を威圧するには十分すぎる。観光の人らは何事かと思いながら橋上の上流側を譲る。譲った大方の人がカメラをむけている。

 一団は市内にある空手道場の塾生で、錦川での水中寒稽古へ向かうため公園から錦帯橋を経由し、錦帯橋下川原へ向かう。高い幟を掲げて錦帯橋を渡る様子は、何度か見ているが絵になる。開会式も水中演武もカメラの放列、若い女性はスマホやタブレットが多い。我が子の晴の姿を記録に残すためだろう。

 寒稽古、自身の経験はないが息子が小学1年から剣道を習い始めた。毎年2月になると朝の5時から寒稽古だった。それは1週間か10日くらい続く。真っ暗闇なので近くの公民館まで一緒する。素足で板の間に正座して話を聞く。練習待ちの間も正座は崩さずに目の前の練習を見ていた。弱音を吐かないので聞くことは控えたが、孫を気づかう母は相当気にしていた。

 顔をしかめ必死で水中演武する低学年くらい男の子をカメラのレンズを通して見ながら、40数年も昔のことを思い出していた。練習場の公会堂には冷暖房はおろか炭火のひとつもなかった。付き添いの親もじっと子どもらをみまもったが、その頃はまだ若かったから我慢できたのだと思う。多少の耐寒耐暑は生き物である人間にも必要、そんなことを感じた川原でのひとときだった。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 穏やかに年明け | トップ | カイト揚げの親子 »

コメントを投稿

自然 季節」カテゴリの最新記事