空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

ソマリア地域の2焦点―モガディシュとラス・アノド

2007-11-12 00:50:36 | ソマリア関連
 この2週間の不穏な情勢の結果,国連推計10万人がモガディシュを離れ,死者は少なくとも80名以上(BBC),Garowe Onlineによればさらにエチオピア兵20名が犠牲になったという:

BBC news, Africa Somalis flee Mogadishu fighting 10 November 2007
Garowe Online Somalia: 'We warned civilians to leave' insurgent strongholds, says mayor 10 Nov 10, 2007

 負傷者は200名とも。モガディシュ市長Mohamed "Dheere" Omarが土曜日,地方メディアに言うには,反乱者根拠地と考えられる地域に対する攻撃は停止しないと。
「もし武器を使って撃ってくる連中がいたら,そいつらにはよりでかい武器をつかってやらにゃいかん―敵の能力を破壊するような,ね」と市長はいう。

 …首都の市長がこれですからー。

 さて表題に挙げましたラス・アノドはプントランド・ソマリランドの国境地帯,スール県都。両国係争地,現在実効支配しているのはソマリランドであります。

 …実は現在進行形で領土争いの国境紛争継続中。世界情勢からみれば,そりゃあ超田舎戦線ですが,町の支配権があっちこっちと現に一進一退のたたかいをしているという点では最もホットではなかろうか。

 で,ソマリランドもプントランドも,地域強国エチオピアと良好な関係を持っているようでして,さぁ両国の紛争にエチオピア姉さまが介入するかと思いきや:

Somaliland Times “Somaliland Does not Need Our Permission To Capture Las Anod,” Ethiopian Ambassador Hargeysa, 3 November, 2007

 …ついにソマリランドタイムスに手をつけることに…。
 まぁさておき,エチオピアのソマリランド大使,Wubishet Demisse氏は両国を交渉の席に就かすよう,エチオピアが試みたという噂を否定する。

 そうした噂は広汎に流れているのだそうで,ソマリランド外相Abdillahi Mohamed Dualeや経済相Awil Duale Aliがスール衝突たけなわの時期にアディスアベバを訪問した際,プントランド側の代表団もそこに行ったりしてた。これじゃエチオピアが両国関係者を呼び出して仲介してたと思われても,仕方ないですよね。

 …というか,普通,こういう噂は否定する以外,どうしろと。

 えらく長文なので,私は精読を放棄。
 けれどソマリランドタイムス記事表題に注意を促すことは必要かな。「ソマリランドはラス・アノド獲得に我々の許可を必要としない」。大使はラス・アノド問題をソマリランド国内問題と理解するみたい,ですね。

 記事末尾に,先月のスールでの衝突にも関わらず,大使は「ソマリランドによれば,同国防軍が攻撃を受け,自衛し攻撃者らを撃退し…ラス・アノドのコントロールを握ったということだ」と,事態をものすごくソマリランドよりに説明してます。
 そりゃ駐ソマリランド大使ですから,ソマリランド側の説明を受け,留保付きながらそれを語るのはアリかも,ですけど。ただまぁ,この記事を斜めよみする限り,エチオピアはソマリランド側に立つつもりらしい,と思えますよねぇ。

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