空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

Al SHabaabはソマリア政府治安組織へ組織的浸透を図っている?

2012-10-06 18:56:35 | ソマリア関連
 Garowe Onlineがconfidential sourcesを根拠に論じる。

Garowe Online 'Planned infiltration' of Somalia security forces by Al Shabaab: sources
Sep 27, 2012 - 11:45:11 AM

 al Shabaabのメンバーがモガディシュで政府治安組織への「計画的な浸透planned infiltration」を準備している―新大統領に近しい,イスラミスト分子を通してだ,というのである。

 このソースの一つがいわく,Hassan大統領と近しいイスラミスト要素は,al Shabaabとの対話方針を追求している。何しろこの数カ月,al Shabaabは非常に弱体化していることでもあるし―。このグループの名は,情報元によればDamul Jadid(アラビア語で「新しき血」というのだそうだ)といい,ムスリム同胞団のソマリアブランチ(で,穏健派の)Al-Islahの分派なのだという。

 Damul Jadidは,2006年のエチオピア介入の際,al-Islahから分派し,イスラム法廷連合(ICU,懐かしい名前ですね)に合流して暫定政府及びエチオピア軍と敵対したのだという。

 なおHassan大統領に近しい公的筋によれば,新大統領はイスラミスト団体のメンバーではない。だがイスラミストのコミュニティに友人を持ってはいる,と示唆するものではある。

 Damul Jadid要素は,Hassan大統領の選挙に際してQatarから資金援助し,al Shabaabと対話を試みる―なおQatar政府公人はソマリア政府とal Shabaabとが対話するなら政治的な支持を与えると示唆したとのこと。
 しかしエチオピアにしろUSAにせよ,al Shabaabとの対話方針には反対である。

 で,記事表題にある刺激的な言葉については―al Shabaabの下士官兵を治安組織に浸透させようとする努力がある,というのも先週Hizbul Islamがal Shabaabから離脱を宣言したが,これは大統領選から二週間もたたないころだ。al Shabaab兵をre-brandして,Hizbul Islamということにして…という計画があるのだ,とするわけだ。


 ―まあ…しかし,al Shabaabに一度入ったら(または入口がal Shabaabだったら)永遠不変にテロリスト扱いだとかいうのは厳しかろう。いやGodaneとかは仕方ないにしろ,一般下士官兵ランクにまでその原則を押し通すのは難だ。Hizbul Islamが存在しなかった時期には,政府に反対のIslamistはal Shabaabにならざるを得なかったろう。

 ”さほどの罪”を犯していない場合,お目こぼしをすることも必要なんだろうなあと思ってみる。
 あと,時期的に,大統領に対する政治的圧力の可能性も大いにありますよね,これ。

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